哀しき獣のレビュー・感想・評価
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長さを感じさせない、暗く、切ない作品。
朝鮮族なるものを描いた、暗く、切ない作品。主人公を含む2人はゴキブリのように生命力が強い。グナム(主人公)が色々な追手から逃げるシーンはなかなか見応えがある。殺し屋、ヤクザが多数出てくるがオチは全て不倫絡み、それも一部は思い込みかもしれない)というのは笑える。長い作品だが最後まで目が離せなかった。
野蛮すぎる
朝鮮族の主人公が金を稼ぐために殺人を請け負ったが、裏の組織のいろんな思惑に巻き込まれて警察、ヤクザから逃亡する羽目になる話。
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こういう主人公が巻き込まれる話って、結構大掛かりな陰謀が裏で動いてたりするんだけど、この殺人の請負についての真実はそんなに大掛かりなもんじゃない。ていうか、普通にただの痴話喧嘩で終わりそうなものがこわーいおじさんたちが絡むとこうなるよって話(笑).
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そもそもそういう事件の真相よりも、主人公がひたすら斧持った野蛮なおっちゃんに追いかけ回されたり、警察の大群から走って逃げ切ったり、そういう逃亡劇が見どころ。久しぶりに追われる主人公を真正面から映してその後ろに大群が追いかけてきてるっていう映像を見たよね。
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そしてバイオレンス描写もちゃんと見所あって、今まで見た悪役で1番野蛮な黒幕もとても良かった。牛の骨でぶん殴るっていうね(笑).
ポスターコピーの通り一縷の光も届かない大傑作
出稼ぎに出た妻が行方不明になり自暴自棄のタクシー運転手が借金帳消しを条件にある殺人を請け負う。嫁の消息を追いながら標的を狙うチャンスを伺っていた矢先に目の前で標的が殺され、追われる身となった男。警察、男に殺人を依頼した組織、そして殺人を目撃された組織のボスがそれぞれ血眼で男を追う中、男は生きて故郷に帰れないことを覚悟し、妻の消息と事件の真相を求め満身創痍のまま駆け巡る。
登場人物がとにかく濃い。台詞らしい台詞は数える程。男達の狂暴さが男達の佇まいだけで雄弁に語られ、男達が黙々と夜を駆け血を流し眠る様を淡々と冷徹な視点で映し続ける。とにかく流血量がハンパなくて、観ているこっちの血液が吸い取られるかのような錯覚に陥る。意外にも程がある真相と鉛のように重たい結末、そして羽毛のように軽い死がぐちゃぐちゃに掻き混ぜられてドブ川にポイ捨てされるかのような無常感。K-Popのような軽快な音楽を量産する一方でこういうドス黒い闇もシレっと産み落としてみせる韓国では、何十年か前にこの国にあったのに何処かに消えてしまったむせ返る狂気が今でもとぐろを巻いてるのかと思うと背筋が凍ります。コピーの通り一縷の光も届かない大傑作、参りました。
そんな動機のせいで人がいっぱい死んだのね
ミョンという男に韓国で人を殺せと言われるグナム。その指を持ってくれば借金帳消しだ。狙った相手キム・ヒョンスンと出くわすものの、なんとかやり過ごして、彼の行動パターンを読むグナム。殺人実行のついでに妻ファジムの行方を探し続ける。ようやく居場所を見つけたが、ミョンに連絡すると、明日の船便で帰らなければならないと告げられ、実行に移そうとする。しかし、そこには殺人者の先客がいたのだ。なんとかその先客実行犯=被害者ヒョンスン教授の運転手を階段から突き落として殺したものの、すぐに警察がグナムを追う。
実行犯のボスであるバス会社社長のキム・テウォンは早速グナムを追って殺すよう指示を出す。そして、妻が見つからないまま、ミョンに連絡を取ろうとするグナム。テウォンの一味vsミョンの組織という構図が出来上がった。殺し合い、カーチェイス。派手に車をぶっ壊しながら、グナムはその隙をついて逃げる、逃げる、逃げる・・・
手振れカメラの映像が素人臭さも見せる映画。カーチェイスや乱闘シーンなど、金がかかってる様子なのに、編集が雑なのか、すべての動機や感情線がよくわからないまま進むストーリー。一方、警察は無能ぶりを発揮し、一人の男を追うために何台ものパトカーをぶつけてしまうといった面白さもある。そんな警察でも被害者、加害者の名前を教えてくれないほど個人情報保持にはうるさいのだ。また、グナムの妻は同棲していた男に痴情のもつれにより殺されてしまったようだし、悲しむ暇もないまま火葬してもらい、中国へ帰ることで頭がいっぱい。
二つの組織の対立構図や教授殺害の動機など、終盤になるにつれ疑問だらけで頭がいっぱいになった。テウォンが死ぬ間際に「俺の愛人が教授と寝た」とかつぶやいてたので、ようやく動機がわかった(笑)。ミョンはミョンで大量殺人の鬼となり、ホラー映画の様相を呈す。ここで冒頭の狂犬病が蔓延という意味が出てきた。そして傷だらけになりながらも、一人の船乗りの爺さんを脅して帰国しようとするグナム。しかし、その爺さんに殺されてしまい、ラストシーンでは、実は生きていた妻が帰国するという、あまりにも哀しいすれ違い。
ハ・ジョンウの演技と牛骨
ハ・ジョンウの不味そうに食べるごはんのシーンがとても面白いと思った。海苔を一気に食べるシーンなんで最高(笑)
牛骨であんな人を殺せるんですね(笑)
ストーリーは、途中から複雑になってイマイチ理解できなかったけど、ツッコミどころが満載だったので、意外と面白かった。
チェイサーに引き続き鑑賞。 今回もバッドエンドに、 終わってしまい...
チェイサーに引き続き鑑賞。
今回もバッドエンドに、
終わってしまいました(ヽ´ω`)トホホ・・
それにしてもミョン社長強すぎ笑
牛骨?でバッキバキ殺すは刺されても刺し返して何倍もの敵を殺しまくるわまさに最強!
銃が全く出てこないのはやはり韓国?中国?は銃社会じゃないからなのかなぁって思ったり
かなり内容が複雑で解説読んでやっと納得。
主人公可哀想すぎ
哀しき獣=野良犬のニュアンスを漂わせたのは良かった。主人公はまさに野良犬のように途方に暮れる運命でしたね〜
物語がゆっくり進んでたのに急にガラリと変わる展開の斬新さ?ザックリ感?みたいなのはこの監督の特徴なのかな…とてもいい展開の仕方で個人的に好みでした
コクソン迷うなぁ笑
哀しき長さ。
地元名画座で観た二本中の一本。
先に近年の方を観てしまったので、両方に出演していた
ハ・ジョンウが若返った!?なんて冒頭で思ってしまった。
最近の彼を観たのは「ベルリンファイル」だった。
過去作では「チェイサー」が有名だと思うが、今作はその
ナ・ホンジン監督による二作目。あの時は確かノミだが、
今回は手斧。あ~やっぱり凄惨なんだよね、小道具が…。
エラく長い上映時間(140分)に観る前からゲンナリしたが、
話が面白いので、冒頭は凄惨さより長さより惹き込まれた。
その分後半でダレて長くなり、追跡逆襲がメインになるため、
前半で主人公の巻き込まれ具合を楽しんでおいた方がいい。
しかし借金苦による殺人請負という、まったく楽しくない
理由からの展開になるので、血みどろシーンの覚悟は必要。
今作で一番勉強になるのは韓国系中国人(朝鮮族)への差別。
密入国して生活費を稼ぐしかない彼らへの韓国側の扱いは
かなり冷たい。出稼ぎに行ったまま戻らない妻を追いかけ、
その足跡を辿る主人公と彼に課された依頼殺人の真の目的。
サスペンスでありアクションでありギャング絡みのノワールで
ある今作は、あまりに内容がテンコ盛りすぎ後半で纏まらない。
スカッとする復讐を主人公が成功させるのならまだしも、
元締めがゾンビの如く追いかけてくるのでなかなか終わらない。
なんかこう…こんがらがって長くなっちゃった感アリ。
時間も内容もスッキリ終わらせれば評価が上がるだろう作品。
ラストの余韻が原題(黄海)通り素晴らしいのが、やや勿体ない。
今作でジョンウのファンがきっとまた増えたんだろうなぁ。
(働けど働けど…の世界。なんて不公平な世の中なんだろうねぇ)
2作目・・・ですね
ある意味期待通り。
いや~、久々にかなり期待していた今作(だいたい毎回期待してるやんっ)
なんと言っても「チェイサー」のナ・ホンジン監督の最新作。
チェイサー同様、グロい場面には目をつむる(いろんな意味で)としても、
ストーリー等かなり期待できるとふんでいた。
しかし!!
やはり「チェイサー」は超えられなかった。
アクションの派手さや、展開の速さだけならばこちらが上なのだろうが、
そういった要素のせいで、ストーリーが大味になり、“無理した”感が多々見受けられた。
以下ネタばれ
↓↓
結局最後まで、主役がなぜ利用されたのか判然としないし、
何より主役2人が強すぎ&運良すぎ。それぞれ10回は絶対死んでる。
それが映画だと言ってしまえばそれまでだが、それにしても・・・ねえ。
「チェイサー」も主役2人は確かに強すぎるのだが、感情面の描写も多く、
それなりに双方の感情を慮る余裕はあった。
だが今回は運良すぎ&展開荒過ぎでそこまで気持ちが入る余裕はなかった。
まあそれも全て“チェイサーに比べれば”ということで、
この作品自体は見に行って損はない。(すごい否定したけど)できれば劇場で見てほしい。
日本では馴染みの薄い、「朝鮮族」を主題の1つに捉えており一見の価値あり!
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