「映画人の作った温もりのある映画」時をかける少女(1983) 星組さんの映画レビュー(感想・評価)
映画人の作った温もりのある映画
まずはファーストシーンからして
ピリッとしない合成のせいもあり
ふわふわした年代に合ったシーンになった。
星空のスキー場、帰りの列車、笑顔、
笑顔のシーンにあのチェロが加わる。
その旋律は障子越しの少女の影に重なり
多感な印象に変化、テーマとなる。
所々に現実と未来感を取り入れ
原作と出演者の持ち味を生かした。
手が届きそうで届かない”感”
微妙な感情のブレが心に留まる。
和子の戸惑い
深町の存在
吾郎のこと
教師の関係
和子の家族
待つ老夫婦
”亡くなった孫のものを買ってはいけません”
”いけませんかね…”このセリフと表情が深い。
時間をごちゃ混ぜにし
仕掛けもループさせ
永遠の中に世界を置いた。
書いても書いても書ききれない
監督の選択は映画史に残るもの
最後の最後に見せたシーンで
”これは映画だ!”その確信で終わる。
すばらしい。
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