劇場公開日 1983年7月16日

「映画人の作った温もりのある映画」時をかける少女(1983) 星組さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画人の作った温もりのある映画

2025年5月5日
PCから投稿

まずはファーストシーンからして
ピリッとしない合成のせいもあり
ふわふわした年代に合ったシーンになった。

星空のスキー場、帰りの列車、笑顔、
笑顔のシーンにあのチェロが加わる。
その旋律は障子越しの少女の影に重なり
多感な印象に変化、テーマとなる。

所々に現実と未来感を取り入れ
原作と出演者の持ち味を生かした。
手が届きそうで届かない”感”
微妙な感情のブレが心に留まる。

和子の戸惑い
深町の存在
吾郎のこと
教師の関係
和子の家族
待つ老夫婦

”亡くなった孫のものを買ってはいけません”
”いけませんかね…”このセリフと表情が深い。

時間をごちゃ混ぜにし
仕掛けもループさせ
永遠の中に世界を置いた。

書いても書いても書ききれない
監督の選択は映画史に残るもの
最後の最後に見せたシーンで
”これは映画だ!”その確信で終わる。

すばらしい。

星組
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