「時を越える想い」時をかける少女(1983) しゅうへい(syu32)さんの映画レビュー(感想・評価)
時を越える想い
尾道三部作第2作。
「デジタル・リマスター版」DVDで2回目の鑑賞。
原作は未読です。
あまりにも有名過ぎるので、いつかは手に取りたいなぁ、と思ってはいるのですが…。本当は中学生か高校生のときに読むのがベストなのでしょうけれど、ね…(笑)
原田知世の初々しい演技が、本作の瑞々しさを増大させているようでした。決して上手いとは言えない。けれど、不思議と惹き付けられるものがある…。これがスター性だろうか?
初恋に戸惑い、自分の浅はかさと過ちを受け止めて、大人へ成長していく少女を可憐に演じているなぁ、と…。とにかくかわいいんだからこれが!(笑) それだけで文句無しだよ(笑)
細田守監督版を観慣れているので、どうしても比べてしまいそうになりますが、それはそれ、これはこれという姿勢で観ることが正しい気がしました。
青春時代に経験する喜びや痛み、悲しみは、どの世代であっても共感出来るもののはず…。だから本作も長い間人々に愛されているのかもしれんなぁ…。
【余談】
尾道の風景は画面に映えるなぁ、と…。「東京物語」でもそうでしたが、坂の上から見る瀬戸内海は、なんとも言えぬ味わいがあって、「いいなぁ…」と思いました。
※追記(2020/04/11)
大林宣彦監督がお亡くなりになりました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
追悼の意味を籠め、本作を鑑賞しました。
※鑑賞記録
2020/04/11:Amazonプライム・ビデオで鑑賞
教えて下さって、ありがとうございます! やっぱり尾道三部作は必須なようですね!
「理由」は観たことあったのですが、大林監督の作品だということを知らなかったです…。改めて観てみようと思います。
近年の作品はことに大林監督の作家性が発揮されている感じなんですねぇ…。遺作も含め、いろいろ観てみます!
『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』の尾道三部作は代名詞ですね。
『ふたり』や個人的オススメ『青春デンデケデケデケ』などの青春映画も。
SFやホラーやファンタジーなど多彩なジャンルを手掛け出来不出来の差も激しいですが、ミステリーの『理由』は秀逸でした。
近年の戦争レクイエム三部作『この空の花 長岡花火物語』『野のなななのか』『花筺』は好き嫌い分かれる作風ですが、力作です。
余命宣告から3年強。遂にこの時が…。
それにしても、公開予定だった新作の初日に逝くとは…。数奇なものを感じます。
自分のイチオシ大林作品は『青春デンデケデケデケ』でした。
改めてご冥福を…。
志村けんに続き親交深かった大林監督まで亡くなり、山田洋次監督の心痛は相当なものでしょう…。