劇場公開日 2011年12月23日

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幕末太陽傳のレビュー・感想・評価

全34件中、21~34件目を表示

4.0江戸古典風の粋で滑稽な娯楽

2018年9月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

総合:75点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:65点|音楽:65点 )

 無茶苦茶なことをする男が、その高い能力を使って飄々と危機と問題を解決していく。歴史を揺るがす出来事も、よくある小さな人々の揉め事もまとめてこの男が受け流す。恐らく死を悟っているそんな主人公の生き様が心地よい。粋な男と滑稽な展開が飽きずに観られた。

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Cape God

4.0粋ですね〜佐平次!

2016年1月4日
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鑑賞方法:DVD/BD
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ミツマメ

5.0何回見てもいい!

2015年8月14日
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鑑賞方法:映画館

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楽しい

幸せ

8年前(2011年)に初めて見た時は、楽しかった!で済んでた。そして再度(2019年11/5)。フランキー堺のぞっとするほどの陰惨な絶望的な表情、の一方で、身体能力の素晴らしさに、そして二人の花魁の若々しい喧嘩場面に胸がしめつけられた。

居残りと品川心中以外にも色んな落語が入っていることにも改めて気づいた。(「いだてん」にも沢山落語が入ってる!)

まだ俺は生きるんだい!と、心の中で私は自分にも言ってみた。川島監督、素敵な映画をありがとうございます。

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talisman

3.0粋。

2015年2月2日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

初見。
落語「居残り佐平次」が下敷きなのを(今更)知って鑑賞しました。
アタマに昭和30年代・品川の映像が挟まれていて、あれ?江戸の話じゃないの?、と思いましたが、枕だったんですね。

佐平次がとにかく'粋'。寄席で聴いていたのがそのまま飛び出してきた感があります。嫌味を感じない、その語りっぷり。よっ!江戸っ子!です。
昭和に作られたフィクションなんだけど、いや、なんか人間って変わんないなぁ、と。
男はスケベで馬鹿で、女はいつの世も一枚上手で。その変わらない様、身につまされると同時に、そんな自分すらも笑っていこうや、と勇気づけられた気がします。

寄席にも行きたくなる一席でした。

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Nori

4.5落語の世界を借りた川島監督の死生観

2014年11月5日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

川島雄三監督の最高傑作。全編を通して落語の噺がちりばめられており、それが実に巧妙に作品を転がしているだけに、落語好きには溜まらない。
といっても、落語噺をよく知らなくても十分に楽しめる。遊郭に「居残り」をしながら、遊郭の若衆どころか男芸者顔負けに振る舞い小遣い稼ぎをする主人公の活動を中心に、日活「太陽族」を維新の志士としてうまく絡め、その上で監督の死生観までをも盛り込んで成立させている。主人公がラストシーンで言う「地獄も極楽もあるもんか。俺はまだまだ生きるんだ」という台詞は、物語の進行と同時に進んでいると思わせる主人公の病状の深刻さに抗うように、しかしながらどこか楽観しているような心情を現す。そして最後に主人公は、品川の海沿いの道を走り、どこかに逃避していく。

50年を経って、なお十分に見応えのある作品だ。また、デジタル修正版は初見だったが、非常に見やすくなっている。

なお、作中に使われる落語は「居残り佐平次」をベースに、「品川心中」「三枚起請」「お見立て」などのエピソードがちりばめられ、「文七元結」「付き馬」「お初徳兵衛」「夢金」などの設定や一場面も活用されている。

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CRAFT BOX

5.0フランキー堺怪演

2014年6月6日
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知的

難しい

とにかく楽しめる
ストーリー運びのスピード感は
監督川島雄三によるもの

ただし、軽妙と一瞬垣間見せる退廃
フランキー堺怪演です

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フィーゴ

3.0アウトサイダーから見た社会の縮図

2014年6月5日
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鑑賞方法:映画館

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佐分 利信

3.0粋と洒落

2014年5月31日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

南田洋子がなんともチャーミング。
落語をベースにしているだけに、軽妙洒落た江戸弁の台詞まわしをフランキー堺が見事に操る。
また、フランキーの身のこなしの軽さに敬服。
これを観ると、日本の映画界には喜劇俳優と呼べるジャンルの役者はいなくなったんだな、と思う。…あ、中井貴一がいた!

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kazz

4.0「主と朝寝がしてみたい」by石原裕次郎

2013年3月4日
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鑑賞方法:DVD/BD

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楽しい

知的

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shimo

5.0サヨナラだけが、人生じゃない!

2012年5月29日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

悲しい

川島雄三という映画監督は、時代を超えて評価が高まる監督だ。
「洲崎パラダイス・赤信号」という映画が、黒澤明の「生きる」に相当する映画である。「幕末太陽傳」は、「七人の侍」に相当する映画だと言い切ってよい。
「おそめ/金造の品川心中」を映像化し、ここでチャップリンでも出来ない「落語の映像化」をやってのける。心中志願者は、実は心中を望んでおらず、現実から”逃げているだけ”という揶揄を表現して見せた。
心中する、自殺することを、とことん批判した川島雄三。
彼は、女の度厚釜しい生理を批判し、男は”草食系”の頼りない生き物だと、この時代から見抜いていた。
居残り左平次は、川島雄三のブンシンである。女の度厚釜しいのを”笑い”にし、高杉晋作の偽善性を批判する。
「(お侍さん;旦那方は)(百姓町人からしぼり上げたおかみの金で、やれ尊王の攘夷のと騒ぎ回っていりゃ済むだろうが、こちとらと町人はそうはいかねえ」「手前一人の才覚で世渡りするからにゃ、へへ首が飛んでも、動いて見せまさア」…助監督今村昌平曰く、「(このバネの効いた町人左平次は、川島雄三そのもののイメージだ」。
黒澤でも、七人の侍でも、こんなセリフはない。
”進行性筋萎縮症”をひたすら隠して、それを言い訳にしないで、映画をダイナミックに製作し続けた監督だ。普通の人間、いや権威を媚びてこの病気を罹病したら、必ず良いわけ材料にするが、絶対死ぬまで、他人に良いわけしなかった。
今村昌平が、川島の死後、これに気がついて「サヨナラだけが人生だ。映画監督川島雄三の生涯(ノーベル書房)」を編集した。また川島雄三の生きざま「生き急ぎの記」を表わした藤本義一は、これ1本で、直木賞候補になった。
マンガでも「栄光なき天才たち:川島雄三 No 10」など、彼を文学にすえると、これまでの日本文学者作品が面白くなくなってしまう、それだけ魅力的な映画監督だ。
川島雄三の生き様で、人生が変わってしまった今村昌平、藤本義一、彼を師匠と崇拝する山田洋次、岡本喜八、ヱバンゲリオンの庵野監督など、川島のフリークに憑依された人間は後をたたない。
だから、川島雄三が早く死んでしまったのは、とても残念、いや、死んで欲しくなかった。
「サヨナラだけが人生じゃない」なんで早く死んでしまったのか。「人間、死ぬときまで、生きなきゃならないんですからね」(洲崎パラダイス・赤信号)。地震がなんだ、不況がなんだ。ボロボロになっても、人間生きなきゃならない。川島雄三の、とてつもない生命力に、気づいた人間は、おそらく川島カルトになってしまう。それだけの破壊力ある人間の代表作品だ。

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moemumu

5.0サヨナラだけが人生ならば、笑うだけの人生も有って良いハズだ

2012年2月22日
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鑑賞方法:映画館

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幸せ

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全竜

4.5俺はまだまだ生きるんでい

2012年2月18日
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鑑賞方法:映画館

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悲しい

楽しい

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ミア

4.5目まぐるしく、笑いっぱなし!!

2012年2月4日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

恥ずかしながら、自分、この映画は初見です。
1957年の発表からおよそ50年以上経た今でもカルト的人気を誇ってる、て情報もさっきウィキペディアで仕入れたぐらいに、最近まで知りませんでした。
映画館でチラシを見掛けてから、本能的に「あっ観たい」という気持ちだけで観に行ったというw
いや~、本能に従って良かったです。もう本当面白かった!!

面白くってずっと笑ってましたよ!
自分も観客も同時に満場で笑うもんだから劇場が一体感を持って、常にほんわか暖かいというか!
観客層も若年よりお年を召した方が多かったし、この映画に対する思いも一入だったのかなーとか想像してみたり。

何でしょうかね、モノクロで古めかしいのに何故か新しく感じるというか斬新というか、このテンポとフランキー堺の巧みな話術で以って中弛みとリズムの破綻を一切発生させない物語運びは見事としか云えないですよね。
群像劇の体裁を取ってるからアッチコッチ話は飛ぶんですけど、そのどの事象にもフランキー堺扮するイノさんが関わり、イノさん流の機転で鮮やかに解決してくってのを終始繰り返してくだけなのに、目の前の『どうするのこれ?』って展開を全部見事に解決するもんだから劇中の誰もがイノさんを好きになるしオレも好きになるし劇場全体で惚れてるし、つかオレもイノさんみたいに格好よくなりたい!と憧憬に近い感情すら抱きながら観てました。
あっという間の110分間。

この景気のイイ笑いは、日頃の鬱々とした気分を吹っ飛ばしたい方には最適でしょうね。
3.11を安易に引き合いに出したりしての月並みな物言いはなるべく避けたいのですが、この映画の陽気さで、少しでも暗澹たる気持ちを払拭できたらそれは素敵なことだなー、と思ったりした次第です。はい。

それでも「生きるんでぃ!」ですよね。

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ロロ・トマシ

4.5古典落語さながらの粋な映画。リズミカルでスピーディな展開は現代作品に引けを取りません。

2012年1月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 タイトルからすると幕末の維新ものと早合点するひとも多いと思います。確かに高杉晋作ら攘夷派の志士たちは登場するもの、あくまで脇役。主人公は無一文ながら大尽遊びを繰り広げて居座る、幇間みたいな男なんです。その男がお代の代わりに居残り奉公に努める顛末を描いたのが本作。あらすじにあるとおり、遊女屋に居残った佐平次の巧みな交渉術で、あれよあれよと客も、店の番頭たちや遊女を丸め込んでしまうところが圧巻です。 その立て板に水を流したようにまくし立てる江戸弁が、粋なんですねぇ。
 元々は古典落語の名作から採った話なんですが、大看板の師匠にも負けない流暢さで丸め込んでしまう佐平次を、軽快に演じたフランキー堺の演技が何と言っても素晴らしかったです。
 現代の作品と比べて、大掛かりなアクションなど皆無ですが、遊郭を丸ごと作り込んだセットはなかなか規模がでかく、佐平次の動きを生き生きと捉えていました。そしてリズミカルでスピーディな展開は決して現代作品に引けを取っていないと思います。
 それと石原裕次郎、南田洋子、左幸子、芦川いずみら、日本映画黄金期の日活オールスター・キャストがずらりと出演していると、邦画全盛期のもつ独特のパワー感も見せつけられました。それぞれのキャストの存在感がとにかく凄いのです。台詞がないシーンでも。

 小地蔵がストーリーで注目したのは、佐平次の心意気。恐らく結核と診断されて、老い先短い命と診断された佐平次は、それを悲観しないばかりか、どうせなら短くぱぁ~と散らしてやるかと、遊郭でお大尽になってしまうなんて、なんてポジティブな発想なんでしょう。
 死ぬと分かっているから、佐平次にとって恐いものなしだったのです。その割り切り方が、腹の据わった交渉術を生み出したようです。

 最後に軽快にトンズラする佐平次の姿を見ていると、なんだか細かいことで人生を悩むなんて、馬鹿馬鹿しく思えてきました。ほんと、ケセラセラですよ。

 デジタル復刻版では、プリントと音声は、まるでニュープリントのように美しく復刻されていました。映像技術の進歩を感じさせる復刻版です。

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流山の小地蔵