劇場公開日 2011年12月23日

  • 予告編を見る

幕末太陽傳のレビュー・感想・評価

全39件中、21~39件目を表示

3.5軽妙な喜劇の裏には別のシリアスな製作意図があったのだ

2019年8月28日
Androidアプリから投稿

題名の幕末は時代設定
太陽は太陽族からきたもの
つまり幕末の太陽族物語

太陽族とは本作製作の前年にベストセラーになった小説太陽の季節に由来するもの
それに登場する戦後米国風の風俗に染まり享楽に溺れる若者達を太陽族と呼んだもの
著者は後年都知事にもなった石原慎太郎で本作の高杉晋作役の石原裕次郎の兄

太陽の季節自体も同じ日活で映画化されている
出演者も石原裕次郎、南田洋子、岡田眞澄が本作にスライドしてきている

太陽の季節は当時としては過激な性描写や享楽的な風俗が問題となり社会問題化し映倫が作られる原因となった

本作の冒頭で製作当時の現代の品川を見せ、幕末と現代とは地続きであると提示するのは、つまり現代の太陽族なる風俗は幕末と何も変わりはしないという本作の主題であり、監督の主張であるのだ
懐中時計がモチーフとなり、登場人物が盛んに今何時だと見て、本当に合っているのか?と時計の音を耳に当てて聞くのもその演出の一環だ

当時の品川宿の有り様を豪華なセットで再現して見せているのも、現代も幕末も人間の本質、下世話で赤裸々な性への欲求は何も変わりはしないのだということを画面の説得力で見せる為の仕掛けだ
そこに展開されるお話は猥雑で下世話でありさえすればそれでいいのだ
だから当時の一番の喜劇役者のフランキー堺が主役に抜擢されおちゃらけてみせるのだ

彼が演じる主人公佐平次は結核を患っている
もちろん結核で若死にする高杉晋作を投影させてある
高杉晋作の死は本作で描かれる英国公使館焼き討ち事件の5年後のことだ

なぜ佐平次は結核を患っている設定なのか
なぜ「首が飛んでも動いてみせまさぁ」という台詞があるのか

過労による死は昔は結核であって
現代では結核にはならず過労死となる
おそらく監督と映画会社との軋轢を揶揄するものであろう

そして「首が飛んでも動いてみせまさぁ」の台詞は、それへの反発と映倫設立への反抗の台詞なのだろう
川島雄三監督は日本で最初のキスシーンを世間の反発を怖れず敢然と撮って見せた人なのだ
「俺はまだまだ生きるんでぇ!」の最後の台詞も、実は監督の心の叫びだ
結核の様に映画製作の情熱を日活との軋轢で蝕まれても生き残って、映倫に上映を止められようとも納得のいく映画を作ってみせるとの決意宣言なのだ
そしてラストシーンは墓場からすたこら街道に逃げ出していくシーンだ
こんな映画会社はもう十分、逃げ出してやるんだとの宣言にも見えるのだ
軽妙な喜劇の裏には別のシリアスな製作意図があったのだ

冒頭の昭和32年当時のさがみホテルに米兵とパンパンが連れだって二組入るシーンに土蔵相模の遺跡との小さい看板が写り、本編に登場する相模屋は実在のものであると説明している
土蔵とは土蔵のような海鼠壁を施した立派な建物という意味合い

21世紀の今もその痕跡は残っている
場所は京急北品川駅の南側踏切を渡り、旧東海道筋の商店街に突き当たると、そこにあるコンビニの右脇に土蔵相模の遺跡である事を示す、映画で写ったものとは違う、見落としそうなほど小さな木の高札が立っている
もちろん今ではただの商店街で、赤線だったカフェー街のなごりもなく、さがみホテルはおろか周囲にラブホテルの一軒すら見当たりません

その踏切
実はシンゴジラで全員避難したはずの地域に人が残っていると分かり自衛隊の攻撃が中止になるその踏切です
なぜその踏切だったのかの意味がわかりました
庵野監督は本作のファンだそうです

コメントする (0件)
共感した! 7件)
あき240

3.0ニヤニヤ

2019年7月2日
PCから投稿

古典落語がベースということで、落語好きとして色々楽しめる部分が多く面白かったです!
特に大好きな『三枚起請』の一節が聞けたのは非常にニヤニヤポイントでした!!
改めて、フランキー堺っていい役者だなぁと思いました。
これの関西版リメイクを見てみたい!!

コメントする (0件)
共感した! 3件)
ハワイアン映画道の弟子

4.0けっこうよかった

2019年3月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
吉泉知彦

5.0フランキー堺の粋過ぎる演技が最高!

2019年1月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

笑える

楽しい

 日活製作再開三周年記念作品。

 KBS京都「新春シアタースペシャル」で鑑賞。

 ストーリーに盛り込まれているという落語の演目についての知識は全く無かったですが、思いっ切り楽しめました。セリフのひとつひとつがセンスに溢れていて、真似したくなる言葉のオンパレードだなぁ、と感じました。

 主人公・居残り佐平次を演じるフランキー堺の軽妙洒脱な演技と、彼を取り巻くその他の登場人物たちの個性が際立っていて、それを余すところ無く収める場面構成も巧みでした。無条件に世界観に引き込まれていきました。
 石原裕次郎、小林旭、南田洋子、左幸子という日活が誇るスター俳優たちを差し置いて、主演に抜擢されたフランキー堺。彼らに引けを取らない粋過ぎる好演で、物語を牽引しているのがすごいなと思いました。これぞ本物の喜劇役者!

 公開当時の世相として、売春防止法が制定され、昔ながらの赤線地帯が次々に姿を消していく中、“古き良き時代”へのノスタルジーが籠められているように思いました。

コメントする 2件)
共感した! 7件)
しゅうへい

3.0現代の映像から始まるが時代劇。日本コメディの傑作らしい、評価も実に...

2018年12月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

現代の映像から始まるが時代劇。日本コメディの傑作らしい、評価も実に高い。
どうやら私は時代の壁を越えられなかったようだ。全然面白く思えず。どうやらグランドホテル形式ってやつも合わないようだ。
フランキー堺の軽妙世渡り術を楽しむことができず、裕次郎の出演もなんだかむなしく思えてしまった。デジタル修復版を鑑賞。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
はむひろみ

4.0江戸古典風の粋で滑稽な娯楽

2018年9月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

総合:75点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:65点|音楽:65点 )

 無茶苦茶なことをする男が、その高い能力を使って飄々と危機と問題を解決していく。歴史を揺るがす出来事も、よくある小さな人々の揉め事もまとめてこの男が受け流す。恐らく死を悟っているそんな主人公の生き様が心地よい。粋な男と滑稽な展開が飽きずに観られた。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
Cape God

4.0粋ですね〜佐平次!

2016年1月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 3件)
ミツマメ

5.0何回見てもいい!

2015年8月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

8年前(2011年)に初めて見た時は、楽しかった!で済んでた。そして再度(2019年11/5)。フランキー堺のぞっとするほどの陰惨な絶望的な表情、の一方で、身体能力の素晴らしさに、そして二人の花魁の若々しい喧嘩場面に胸がしめつけられた。

居残りと品川心中以外にも色んな落語が入っていることにも改めて気づいた。(「いだてん」にも沢山落語が入ってる!)

まだ俺は生きるんだい!と、心の中で私は自分にも言ってみた。川島監督、素敵な映画をありがとうございます。

コメントする 1件)
共感した! 7件)
talisman

3.0粋。

2015年2月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

初見。
落語「居残り佐平次」が下敷きなのを(今更)知って鑑賞しました。
アタマに昭和30年代・品川の映像が挟まれていて、あれ?江戸の話じゃないの?、と思いましたが、枕だったんですね。

佐平次がとにかく'粋'。寄席で聴いていたのがそのまま飛び出してきた感があります。嫌味を感じない、その語りっぷり。よっ!江戸っ子!です。
昭和に作られたフィクションなんだけど、いや、なんか人間って変わんないなぁ、と。
男はスケベで馬鹿で、女はいつの世も一枚上手で。その変わらない様、身につまされると同時に、そんな自分すらも笑っていこうや、と勇気づけられた気がします。

寄席にも行きたくなる一席でした。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
Nori

4.5落語の世界を借りた川島監督の死生観

2014年11月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

川島雄三監督の最高傑作。全編を通して落語の噺がちりばめられており、それが実に巧妙に作品を転がしているだけに、落語好きには溜まらない。
といっても、落語噺をよく知らなくても十分に楽しめる。遊郭に「居残り」をしながら、遊郭の若衆どころか男芸者顔負けに振る舞い小遣い稼ぎをする主人公の活動を中心に、日活「太陽族」を維新の志士としてうまく絡め、その上で監督の死生観までをも盛り込んで成立させている。主人公がラストシーンで言う「地獄も極楽もあるもんか。俺はまだまだ生きるんだ」という台詞は、物語の進行と同時に進んでいると思わせる主人公の病状の深刻さに抗うように、しかしながらどこか楽観しているような心情を現す。そして最後に主人公は、品川の海沿いの道を走り、どこかに逃避していく。

50年を経って、なお十分に見応えのある作品だ。また、デジタル修正版は初見だったが、非常に見やすくなっている。

なお、作中に使われる落語は「居残り佐平次」をベースに、「品川心中」「三枚起請」「お見立て」などのエピソードがちりばめられ、「文七元結」「付き馬」「お初徳兵衛」「夢金」などの設定や一場面も活用されている。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
CRAFT BOX

5.0フランキー堺怪演

2014年6月6日
スマートフォンから投稿

笑える

知的

難しい

とにかく楽しめる
ストーリー運びのスピード感は
監督川島雄三によるもの

ただし、軽妙と一瞬垣間見せる退廃
フランキー堺怪演です

コメントする (0件)
共感した! 3件)
フィーゴ

3.0アウトサイダーから見た社会の縮図

2014年6月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
佐分 利信

3.0粋と洒落

2014年5月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

南田洋子がなんともチャーミング。
落語をベースにしているだけに、軽妙洒落た江戸弁の台詞まわしをフランキー堺が見事に操る。
また、フランキーの身のこなしの軽さに敬服。
これを観ると、日本の映画界には喜劇俳優と呼べるジャンルの役者はいなくなったんだな、と思う。…あ、中井貴一がいた!

コメントする (0件)
共感した! 4件)
kazz

4.0「主と朝寝がしてみたい」by石原裕次郎

2013年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

知的

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
shimo

5.0サヨナラだけが、人生じゃない!

2012年5月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

悲しい

川島雄三という映画監督は、時代を超えて評価が高まる監督だ。
「洲崎パラダイス・赤信号」という映画が、黒澤明の「生きる」に相当する映画である。「幕末太陽傳」は、「七人の侍」に相当する映画だと言い切ってよい。
「おそめ/金造の品川心中」を映像化し、ここでチャップリンでも出来ない「落語の映像化」をやってのける。心中志願者は、実は心中を望んでおらず、現実から”逃げているだけ”という揶揄を表現して見せた。
心中する、自殺することを、とことん批判した川島雄三。
彼は、女の度厚釜しい生理を批判し、男は”草食系”の頼りない生き物だと、この時代から見抜いていた。
居残り左平次は、川島雄三のブンシンである。女の度厚釜しいのを”笑い”にし、高杉晋作の偽善性を批判する。
「(お侍さん;旦那方は)(百姓町人からしぼり上げたおかみの金で、やれ尊王の攘夷のと騒ぎ回っていりゃ済むだろうが、こちとらと町人はそうはいかねえ」「手前一人の才覚で世渡りするからにゃ、へへ首が飛んでも、動いて見せまさア」…助監督今村昌平曰く、「(このバネの効いた町人左平次は、川島雄三そのもののイメージだ」。
黒澤でも、七人の侍でも、こんなセリフはない。
”進行性筋萎縮症”をひたすら隠して、それを言い訳にしないで、映画をダイナミックに製作し続けた監督だ。普通の人間、いや権威を媚びてこの病気を罹病したら、必ず良いわけ材料にするが、絶対死ぬまで、他人に良いわけしなかった。
今村昌平が、川島の死後、これに気がついて「サヨナラだけが人生だ。映画監督川島雄三の生涯(ノーベル書房)」を編集した。また川島雄三の生きざま「生き急ぎの記」を表わした藤本義一は、これ1本で、直木賞候補になった。
マンガでも「栄光なき天才たち:川島雄三 No 10」など、彼を文学にすえると、これまでの日本文学者作品が面白くなくなってしまう、それだけ魅力的な映画監督だ。
川島雄三の生き様で、人生が変わってしまった今村昌平、藤本義一、彼を師匠と崇拝する山田洋次、岡本喜八、ヱバンゲリオンの庵野監督など、川島のフリークに憑依された人間は後をたたない。
だから、川島雄三が早く死んでしまったのは、とても残念、いや、死んで欲しくなかった。
「サヨナラだけが人生じゃない」なんで早く死んでしまったのか。「人間、死ぬときまで、生きなきゃならないんですからね」(洲崎パラダイス・赤信号)。地震がなんだ、不況がなんだ。ボロボロになっても、人間生きなきゃならない。川島雄三の、とてつもない生命力に、気づいた人間は、おそらく川島カルトになってしまう。それだけの破壊力ある人間の代表作品だ。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
moemumu

5.0サヨナラだけが人生ならば、笑うだけの人生も有って良いハズだ

2012年2月22日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

幸せ

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 3件)
全竜

4.5俺はまだまだ生きるんでい

2012年2月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

楽しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 7件)
ミア

4.5目まぐるしく、笑いっぱなし!!

2012年2月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

恥ずかしながら、自分、この映画は初見です。
1957年の発表からおよそ50年以上経た今でもカルト的人気を誇ってる、て情報もさっきウィキペディアで仕入れたぐらいに、最近まで知りませんでした。
映画館でチラシを見掛けてから、本能的に「あっ観たい」という気持ちだけで観に行ったというw
いや~、本能に従って良かったです。もう本当面白かった!!

面白くってずっと笑ってましたよ!
自分も観客も同時に満場で笑うもんだから劇場が一体感を持って、常にほんわか暖かいというか!
観客層も若年よりお年を召した方が多かったし、この映画に対する思いも一入だったのかなーとか想像してみたり。

何でしょうかね、モノクロで古めかしいのに何故か新しく感じるというか斬新というか、このテンポとフランキー堺の巧みな話術で以って中弛みとリズムの破綻を一切発生させない物語運びは見事としか云えないですよね。
群像劇の体裁を取ってるからアッチコッチ話は飛ぶんですけど、そのどの事象にもフランキー堺扮するイノさんが関わり、イノさん流の機転で鮮やかに解決してくってのを終始繰り返してくだけなのに、目の前の『どうするのこれ?』って展開を全部見事に解決するもんだから劇中の誰もがイノさんを好きになるしオレも好きになるし劇場全体で惚れてるし、つかオレもイノさんみたいに格好よくなりたい!と憧憬に近い感情すら抱きながら観てました。
あっという間の110分間。

この景気のイイ笑いは、日頃の鬱々とした気分を吹っ飛ばしたい方には最適でしょうね。
3.11を安易に引き合いに出したりしての月並みな物言いはなるべく避けたいのですが、この映画の陽気さで、少しでも暗澹たる気持ちを払拭できたらそれは素敵なことだなー、と思ったりした次第です。はい。

それでも「生きるんでぃ!」ですよね。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
ロロ・トマシ

4.5古典落語さながらの粋な映画。リズミカルでスピーディな展開は現代作品に引けを取りません。

2012年1月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 タイトルからすると幕末の維新ものと早合点するひとも多いと思います。確かに高杉晋作ら攘夷派の志士たちは登場するもの、あくまで脇役。主人公は無一文ながら大尽遊びを繰り広げて居座る、幇間みたいな男なんです。その男がお代の代わりに居残り奉公に努める顛末を描いたのが本作。あらすじにあるとおり、遊女屋に居残った佐平次の巧みな交渉術で、あれよあれよと客も、店の番頭たちや遊女を丸め込んでしまうところが圧巻です。 その立て板に水を流したようにまくし立てる江戸弁が、粋なんですねぇ。
 元々は古典落語の名作から採った話なんですが、大看板の師匠にも負けない流暢さで丸め込んでしまう佐平次を、軽快に演じたフランキー堺の演技が何と言っても素晴らしかったです。
 現代の作品と比べて、大掛かりなアクションなど皆無ですが、遊郭を丸ごと作り込んだセットはなかなか規模がでかく、佐平次の動きを生き生きと捉えていました。そしてリズミカルでスピーディな展開は決して現代作品に引けを取っていないと思います。
 それと石原裕次郎、南田洋子、左幸子、芦川いずみら、日本映画黄金期の日活オールスター・キャストがずらりと出演していると、邦画全盛期のもつ独特のパワー感も見せつけられました。それぞれのキャストの存在感がとにかく凄いのです。台詞がないシーンでも。

 小地蔵がストーリーで注目したのは、佐平次の心意気。恐らく結核と診断されて、老い先短い命と診断された佐平次は、それを悲観しないばかりか、どうせなら短くぱぁ~と散らしてやるかと、遊郭でお大尽になってしまうなんて、なんてポジティブな発想なんでしょう。
 死ぬと分かっているから、佐平次にとって恐いものなしだったのです。その割り切り方が、腹の据わった交渉術を生み出したようです。

 最後に軽快にトンズラする佐平次の姿を見ていると、なんだか細かいことで人生を悩むなんて、馬鹿馬鹿しく思えてきました。ほんと、ケセラセラですよ。

 デジタル復刻版では、プリントと音声は、まるでニュープリントのように美しく復刻されていました。映像技術の進歩を感じさせる復刻版です。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
流山の小地蔵
PR U-NEXTで本編を観る