劇場公開日 2013年6月14日

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「甘美で切ないおとぎ話のよう」華麗なるギャツビー グッドラックさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5甘美で切ないおとぎ話のよう

2013年6月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

前半はゴージャスな映像、中盤以降はストーリーにすっかり引き込まれ、エンドロールで思わず深いため息…。
3Dで鑑賞、冒頭から楽しませる気満々でした。豪華絢爛なパーティーに幻想的なシーン、美しく見応えがありました。劇場で観れて良かったです。

語り部であるニックの現在の姿から、その結末を予感させつつ物語は始まります。
1920年代、好景気に沸くニューヨークに現れた大富豪・ギャツビーとは何者なのか。
昔の恋人デイジーに少年のような一途な愛を捧げるギャツビー、変わらない愛を信じて。レオナルド・ディカプリオがエキセントリックにゴージャスに演じて良かったです。

彼は城を離れられない。それは、そこが彼の心の中だけにいる完璧なデイジーをしまいこんでおくドールハウス、最後の砦だからなのでしょうか。伸ばした手は何処にも届かなくて…痛ましいです。

それでもこの物語、誰に対しても公平に誠実に関わろうとするニックを通して語られることで、甘美で切ないおとぎ話のよう。ニックを演じたトビー・マグワイアが、温かく絶妙な名演でした。
ギャツビーの前に大人の男として立ちはだかるトムを演じたジョエル・エドガートンの、しっかりした存在感も印象的でした。はかなげな少女っぽさの中に大人の女の顔を滲ませるキャリー・マリガンも、二人の男の間で揺れるデイジーを上手く演じていたと思いました。

グッドラック