劇場公開日 2013年6月14日

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華麗なるギャツビー : 映画評論・批評

2013年6月11日更新

2013年6月14日より丸の内ピカデリーほかにてロードショー

<狂騒の20年代>を過剰に再現したド派手文芸ドラマ

第1次大戦後の狂騒の1920年代を舞台に、アメリカンドリームを体現した謎めいた男ジェイ・ギャツビーの半生を描いたF・スコット・フィッツジェラルドの名作小説「グレート・ギャツビー」5度目の映画化だ。ストーリーに関して言えば、1970年代にロバート・レッドフォード主演、フランシス・フォード・コッポラ脚本で製作された作品よりも、より原作に忠実なつくりになっている。

本作の派手な意匠は「ムーラン・ルージュ」で知られるバズ・ラーマン監督の真骨頂ともいえ、フェリーニ風の過剰な祝祭性ともいうべきパーティシーンが現出される。当時大流行したチャールストンをリズミカルに踊るフラッパーヘアーの踊り子に、ヒザ丈のシャネルのドレスを着てピンヒールを履いて踊る美しい女性たち。舞う紙吹雪、ジョージ・ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」、シャンパンの泡、そして打ち上げられる花火。原作では、<狂騒の20年代>を象徴するような、その煌びやかなパーティと祭りの後の静けさの対比が、ギャツビーと彼にとっての運命の女性デイジー(キャリー・マリガン)との悲恋を暗示させる。だが本作では、派手好きなラーマン演出により、狂騒のほうにどうしても目が行ってしまう。その狂騒は、目だけでなく耳にも煩わしく、ジェイ・Zによるラップ音楽はジャズ的な原作の世界から遠くに離れ過ぎてしまった。

それでも、トビー・マグワイアによるニックの落ち着いた語り口には好感が持てるし、彼が見つめるレオナルド・ディカプリオのギャツビーも自身のパブリックイメージを巧く利用して演じていて、なかなかのはまり役と言えるだろう。華美に過ぎる意匠に目をつむれば、及第点の出来といえるのではなかろうか。

(佐藤睦雄)

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