「究極の愛とは?」華麗なるギャツビー あんず先生さんの映画レビュー(感想・評価)
究極の愛とは?
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こちらの作品は村上春樹の訳で読んだことがありますが、映像化されているのを知り見てみることにしました。
1922年のバブリーなアメリカの様子や非常に華やかなパーティーなど、本で読んだ想像以上の映像が楽しめました。
原作はニックの語り口調ですが、本を出すていで描いていたのも違和感が無かったです。
ギャツビーがトムに生まれをバカにされキレるシーンは圧巻でした。あんなに爽やかな笑顔で登場したのに、ほっぺたブルブルさせて顔真っ赤にした男性の姿を見たら女性は引くだろうなとデイジーに同情します。
デイジーはとても薄情でその場の感情で流されやすい女性です。でも女性はみんなそんなものです。ましてや当時は自立など許されないですから、結局は夫に頼るしかないのでしょう。自分がピンチになった時に頼れて、守ってくれて、本物のお金持ちがいたらそちらに戻ってしまう。
トムと結婚したのは寂しかったから。そして彼の浮気を知り今度は元カレとヨリを戻そうとする。で、トラブルが起これば自分の有利な方につく。フラフラしているが本当にモテる女性はスキがあり、バカに見えてずる賢いんです。
そんな彼女を想い死んでいったギャツビーがとても不憫でなりません。貧しい家柄の出身で自らを神の子と思い込んだ彼は女性のずるさを知らなかったのでしょう。ただただ彼女の美しさ、家柄の良さに惹かれただけです。過去はいくらでも美しくなる。だけどもうあの輝きには戻れない。
ギャツビーは華麗な過去を、デイジーは現実的な未来をそれぞれ願っていたのでしょう。最初からすれ違っていたのがとても切ないです。
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