コンテイジョンのレビュー・感想・評価
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今だ!
自身がインフルエンザに感染中に「今だ!」と観賞。
感染者がさわった手すりやドアノブを出演者が去った後に長回し。なんて厭らしい演出だろう。そして私もここに触って感染したのだろう。と再熱。
人類にとって新型ウィルスもデマも両方脅威だということがわかった。
似たようなことは私たちも先の震災で見聞きしたところだ。
正しい情報を流してパニック発生させるのか、抑制して疑心暗鬼を湧き立たせるのか。とても悩ましい。
しかしキャストが豪華だった割に物語的なスパークを見ないままに終わった感がある。
マリオン・コティヤールとか居る必要あるか?と思った。
ただジェニファー・イーリーがワクチンの可能性を発見する時の優しい微笑みは荒んだ今作の中で唯一ほっと出来るシーンであった。
豪華キャストを配しているのに見せ場が少なくもったいない!
この映画は、私的には、少しばかり淡泊し過ぎていた気がするんだよね。
俳優たちも顔ぶれは揃っているのだもの、もう少しパンチが効いた、濃い味付けみたいに
見せ場がそれぞれ有っても良かった気がする。
勿論、映画が描いているのは、見えないミクロレベルの正体不明の細菌感染の恐怖と言う事で、これ位静かに単調過ぎる位単調に描いて行った方がむしろ、現実味の有る恐怖を演出出来るのかも知れないと計算されて出来たのが、本作品なのかもしれないが、全体から受ける感じが、今回のこの映像を観ていると、低予算のTV映画タイプのタッチにしか見えなかったのだよね。TVの2時間ドラマでこれは良いのかなって、感じがとうとうラストのエンディングタイトル迄ぬぐい切れずに終わってしまい消化不良を起こした様な感じだった。
本編らしい醍醐味が不足していて迫力不足だね、拍子抜けした様に感じるのは、自分がこの豪華キャストと言う事で、作品自体に過度の期待が自然に膨らんでしまった分だけ、単調に思えてしまったのだろうか?
例えば、アメリカでは、こんな事態が起きたなら、もっと一般市民はパニクリ、暴動が各地で起こり始めるだろうし、TVのニュース中継をズーっと見せられている、そう、そんな感触だね。本来映画って、観客は今、現実に自分の生活に起こっている事の様に錯覚してしまう位に感情移入出来る作品でないと映画を観た気がしない。
接触感染で起こる恐怖なら、もっと人と人がこの見えない細菌と言う敵に確実に追い詰められていく恐怖に怯える中で、人々の心はきっと心細くなり、誰かと繋がっていたいと思う気持ちが募るわけだから、そんな状況であれば、人はその恐怖を和らげる為に、例えば、家族とハグしあいたいと思う気持ちが募るのが自然の事だが、でも、そこで人と接触する事は、自分の死を招く事に成るかも知れないし、逆に愛する人に対して細菌感染させてしまう事は、自分が愛する人間を死に追いやるリスクを拡大させる事になると言う気持ちと行動を一緒に出来ない、心と身体の感覚的に一致出来ないで、相い反するする中で、体験する恐怖と孤独、寂しさみたいな感覚的恐怖が微妙に足りない感じだったのだ。
マット・デイモン演じるジョンは娘が恋人と接触するのをひたすら引き離そうとするシーンは確かにあるのだが、そして最後には若い二人がワクチンを摂取出来た後に再開し、ダンスする二人を静かに見守る父の姿は確かにあるものの、何だかね~弱いのだよね~
ファーストシーン空港で、何だか咳き込むところから、どんどん世界各地の人口表示のテロップと共に、香港・ロンドン・ミネソタ・東京・アトランタ・シカゴ・サンフランシスコ・広東省と体調不良で倒れ込んで死に至る人々を淡々と追って行く過程は、これから何が起こってしまうのだろうかと言う期待と恐怖を煽っておきながらこれは無いよなと言う結末を迎える。しかし、現実には、今、鳥インフルや、毎年流行するインフルエンザが政治目的で、或いは世界の急速な人口増加に対する何者かによる、人工的に画策された、人口減少を試みる計画された、秘密裏に行われている、国際的な政策なのかと言う違う形の恐怖が現実の生活にもあるのだ!本当の敵は何?本当の敵は誰?この事の方が更に恐怖だ。
演技派俳優勢揃いなのに、映画はドキュメント!
演技派俳優が勢揃いなので、それぞれどんな難しい役に挑戦しているんだろうと思いきや、ごく普通の人々だった。逆に普通の人の役って難しいかもしれない。俳優の個性が出てしまうと、現実味に欠けてしまうから。結末はわからないまま終わるのかと思ったら、最後のエンディングロ-ルでちゃんと結末をつけていたので納得した。ウィルスを利用して、金儲けをする奴や未解決まま終わる最後とか、とにかく現実的だった。
映画としては、面白いとはいいがたいが、上手く作った映画だなと思った。
感染が汗腺を刺激する。
友人がどうしても観たい!というので早めに付き合いで観たら、
あ~こっちの方が凄かったな(汗)と手に汗握ったリアルな作品。
テーマは「感染」なんだけど、未知のウィルスの感染と、人間が
飛ばす(デマを含めた)情報感染の恐ろしさと顛末を描いている。
ま~さすがにソダーバーグだけあって、とても冷徹な映像で^^;
淡々と倒れていく人々を映し出し、あっという間に感染を広げる。
もう、とにかく未知のウィルスなので感染源が分からない。
なんか見え隠れする会社名…ファイル…に目を奪われるのだが、
これがどういう位置づけになるのかは最後まで覚えておくといい。
まずはグウィネスが倒れる…。二日後に死亡。すぐに開頭される。
なんて生々しい!(怖)だけど本当にこうするんだろうなと考える。
夫のマットは何が何だか分からない。そのうち今度は息子が発症。
なのに自分だけ発症しない。もしや?自分に抗体があるのでは?
ナースに進言するも無下に扱われる。おそらく誰もがこういった
状況下ではパニックになる。そこをあてこんだ?カリスマブロガーの
ロウは根拠のないデマを飛ばし始める。一斉に火がつきパニック、
各地で暴動、略奪、買い占め、と都市の機能が破壊されていく…。
一方でウィルスの感染源を突き止めようと尽力するWHO、CDCの
調査だが、調査員が感染したりする中でワクチンの開発も進まない。
見えないウィルス源と先行に対する不安で真っ暗な状態になるが…
こういった未知のウィルスに対するワクチンの開発には、おそらく
このくらいはかかるのだろう…といったところもリアルだった。
例え開発されたとして、それがすぐに大量に出回るわけではないし、
実証試験が何度も為されたものではない。
開発した博士が、死にゆく(間に合わなかった)父親に経過を告げる
シーンには涙が出た。発症しなかったケージの中のマウスにも。。
人類がこういった不幸に見舞われるには何か原因があるんだろうか。
今作では架空のウィルスだが、実際にこういうケースが何年か毎に
家畜や人類を襲ってくる。流行病では済まない殺傷力の強さに慄き、
いま、周辺にいる、どの、誰の、息が咳がくしゃみが唾液が…なんて
疑い始めたらもう外へも出られなくなる。見えない恐怖が蔓延する。
物語はまず(感染)2日目から始まる。
ラストになって1日目が映し出される…。これが、まぁなんというか。。
(当たり前だが)え、こんなことで?と思えてしまうところがまた怖い。
静かに淡々と(咳払いさえできない)観るしかない緊張度満点の作品。
(ねぇマットの身体、もっと調べようよー!あ、変な意味じゃなくて^^;)
冷静だからこそ現実的
ソダーバーグらしい淡々とした演出が逆に現実味があって怖い。
個人的にあまり淡々とした映画は好きじゃないんですが、これはそれゆえに面白かった。
オールスターキャストも、だからといってムダに見せ場を作ろうとかいうこともなく、いい意味で優遇されているわけじゃない。
ウィルスの致死性が100%とかだとウソっぽいけど、感染しても無事な人もいればそうでない人もいるというのが本当っぽい。
マット・デイモンが演じる父親はたまたま感染しない人だったけれど、どこかの検問で「オレは感染しないんだ」といっても通してもらえないところとか、リアリティありましたね。おそらくそうだろうと。彼は特別扱いされない、ただの一市民にすぎないのだから。
街中がプチパニックになって、スーパーの棚から商品がなくなったり…というのも現実味がある。緊急時にああなることは、日本人でも3・11で経験したばかり。
ハデな映画だと、あそこからさらに暴動が起こって街中が大パニック!とかいう展開になりそうだけど、そこまではいかない。
なにかジワジワとした怖さ。。
それにしても、潔癖症の人がみるにはつらい映画ですね。
自分はそうではないけど、映画を見た直後は、ドアノブとか触るとき、ちょっと意識してしまいました…。
人の怖さ
未知のウィルスが蔓延する恐怖を描いた映画。
”アウトブレイク”をイメージしていたが、
まったく違う映画だった。
人が世界中を飛び回る現代に
ウィルスがどのように蔓延していくか、
そして治療薬がない状態で人々がどういうパニックを起こすかを
シュミレーションした映画になっている。
近年、インフルエンザ、SARSと未知のウィルスが蔓延したことがあったが、
もっと致死率が高いウィルスが蔓延した場合、
人々は冷静に行動できるか・・・
日本人は震災時にもある程度、
冷静に秩序ある行動がとれたと思っているが、
※ニュースの内容だけなので実際はわからないが。
アメリカなどではこの映画のように、
民衆が暴徒となり無秩序状態になるのだろう。
群れをなすと、何かのきっかけで暴徒化する。
これは人間の性なのか。
なんか悲しくなる映画だった。
近い将来パンデミックが起きたら
謎のウィルスの発生。
罹患。
パンデミック。
有名俳優さんをたくさん配し、それぞれが重要な役をきっちり演じてくれている。
それぞれは良いのだけれど、一つの作品になると、良さが分散されたように思った。
マット・デイモンを、もっと中心に置く方が良かったのでは。
それと、パンデミックの話にしては、少し淡々と描きすぎたのでは。
ウィルスと共に蔓延するのは、恐怖。
そんな人々の心に起こる恐怖心理をうまく操り、根拠もない情報を流すインターネット。
それこそが、本当の恐怖かもしれない。
悪いヤツは、どこにでもいるのね。
間違った情報に惑わされないようにしなくちゃ!
それに、手洗い励行。
マット・ディモンがもったいない!
最高の俳優が出演した最低なシナリオの映画だった。
トレーラが迫力があり、俳優が良いからあのボーン・アイデンティーのような興奮を期待していたのに残念。最後の伝染経路の披露もお粗末。
細菌より物語や俳優をバラまきまくっている映画
未知の殺人ウイルスが世界中に蔓延する細菌パニックは、これまでにも『アウトブレイク』『感染列島』『28日後…』etc.散々やり尽くしたネタであり、イマイチ新鮮味が無い。
『トラフィック』『オーシャンズ3部作』の奇才スティーブン・ソダーバーグが豪華なキャスト陣率いて緊迫する修羅場を表現しているが、濃厚な割に淡白な味だった。
世界各地から高級食材取り寄せて、いざ究極のラーメン作ろうとしたのに、スガキヤラーメンみたいになっちゃったね…て感じ。
勿体無い
最初の発病者のグウィネス・パルトロウやWHO調査員のケイト・ウィンスレットetc.けっこう呆気なく病死させてバンバン見捨てていく残酷なテンポはブレがない。
が故に、全体的に駆け足で進みいつの間にか感染が爆発し、いつの間にか収束している印象。
発症→感染→爆発→暴動→新薬→開発→成功→投与→収束という一連の過程を切り張りして煮込み、ポンッと器に盛られ、一丁お待ちッてテーブルにポンってなもんだ。
ネットの風評拡大やテロ疑惑etc.今時のネタをトッピングしているけど、盛り上がりは浅く、世界観をあざとくしていて逆効果。
スープに世界規模のスケール感ある充実度は乏しい。
新薬発見とネットでデマかすフリー記者のジュード・ロウ、
病死した妻から感染を免れた旦那のマット・ディモン、
批判の矢面に立たされ、アメリカ政府の生け贄となるWHO幹部のローレンス・フィッシュバーン、
ウイルス震源地の香港で調査中、組織に拉致される医療スタッフのマリオン・コティヤールetc.
一癖も二癖もある逸材揃いなのにどれもダシは薄く、味の決め手に欠ける。
故に勿体無いの一言に尽きるのだ。
まあ、麺はノビてないから喰えるけど、DVDでお代わりなんざぁ煮玉子サービスでも御免かな。
こういう心理的なパニックものの後味の悪さに慣れて“免疫”が付いてしまった自分に気付くと、無性に気だるくなる。
野暮な免疫だね…
観賞中、息が詰まり、咳をしたくても、作品が作品だけに一つもできず、息苦しくて仕方ない一時であった。
無性に葛根湯が飲みたくなった帰り道にて、短歌を一首
『隔離せど 闇(病み)に飛び火し 熱の列 地球(ほし)は咳き込む 御触令(おふれ)に悔ゐ(杭)て』
by全竜
この物語は(今のところ)フィクションです。
スティーブン・ソダーバーグ監督最新作。アカデミー賞受賞者の豪華共演で描く、
パンデミック(伝染病の世界的流行)をテーマとしたサスペンス映画……
などとはもう呼べないです。こりゃ最早、一種のシミュレーションの域に達している。
アメリカのとある一家庭の主婦を皮切りに、
感染が始まり、人が死に、隔離が始まり、人が死に、パニックが拡がり、人が死ぬ。
目の前で淡々と、ただ淡々と事態が進行していく。
そして、次々に提示される数字たち。
人が物に触れる回数(1日2〜3000回)、致死率20%、ウィルス再生産率、都市人口、感染者数と死亡者数……
数字ってのは恐ろしい。数字は躊躇というものを知らない。情け容赦も無い。
冷徹に事実だけが提示されてゆく。
悲しい話、こんな混乱の中じゃ、他人の事を構う余裕がなくなるのが本当なんだろう。
皆、自分や自分の大事な人間を守ろうと必死になるあまり、他人をないがしろにする。
そうやってパニックが拡大してゆく。
それこそ伝染病以上に恐ろしい部分だ。
にしても、ジュード・ロウ演じるジャーナリスト気取りのブロガーが腹立つ!
一般市民の代表みたいなツラして、実はこいつ自身がカネの事しか思考に無い下劣。
どっかの国の政治家や、リーマンショックでひっそり儲けてた連中と同類だ。
いや、腹の内を見せずに支持を集めている分、コイツの方がタチが悪い。
結局パニックを増幅させる事しかやってないくせに
罪にも問われないし病気にもかからないし……キィー、ムカつくッ!!
アイツの頭にアイツのPCを叩き付けて粉々にしてやりたい! 頭もPCも!
(アレ、なんか物凄く怖い事言ってる?)
ブロガーに薬の宣伝をするよう依頼した連中やら、
「クリスマス商戦が……」とか言ってた連中やら、
どんな悲惨な状況でも金儲けしか思考に無い連中は絶えないのね……嗚呼。
最後に明かされる感染源。
あんなありふれた経路で感染が始まるとは……防ぎようが無い。
人混みに入る事が、雑多な物に触れる事が、呼吸する事が怖くなる。
普段から潔癖症の人がこの映画を観たりしたらノイローゼになりそう……。
そういう方々は、劇場で咳が聞こえただけで逃げ出したくなったかも知れないね。
とりあえず僕らは出来る事をやるしかない!
マスク・手袋・手洗い・うがいを忘れずに!
保健の先生みたいなコメントでレビュー終わり!
<2011/11/12鑑賞>
これは今日の医療現場に近い
新作映画「CONTAGION」、「コンテイジョン」(接触感染)を観た。
監督:スティブン ソデルべグ
キャスト
夫 ジョン:マット デイモン
妻べス :グエネス パスロウ
娘 :アナ ヤコビ へロン
ジャーナリスト アラン:ジュード ロウ
WHO ドクターオランテイス:マリオン コテイラルド
CDC ドクターミアズ:ケイト ウィンスレイ
CDC ドクターシーバー:ローレンス フイッシュバーン
1960年代の映画「渚にて」では 放射能で人類が滅亡し、「猿の惑星」では伝染病で地球は 猿に乗っ取られる。1970年代の「タワーインフェルノ」では 最新テクニックで建設された高層ビルが焼け落ち、「ポセイドン」では 沈まないはずの豪華船が沈み、「デイープインパクト」では、彗星が地球に衝突して人類が破滅するはずだった。
人は デザスター(大災害)映画が大好きだ。大災害が起った時に 自分ならどうするか、想像力をかきたてられるし、疑似体験を通して、学ぶことも多いからだ。
医療現場にいるから、自分がもし現役で死ぬことがあったら、きっと職場からの感染で死ぬだろうと思う。原因が細菌だとするなら、抗生物質が効かない耐性菌の蔓延は、深刻な事態にある。細菌よりも小さなプリオンやウィルスでは、狂牛病も鳥インフルエンザも豚インフルエンザも、なかなか手ごわい。病院関係者は 最前線に居る戦場の歩兵のようなものだ。
毎年、ただでさえ インフルエンザウィルスで1万人の死者が出ている。1918年の「スペインかぜ」では、致死率1.74% 48万人の死者が出た。1968年の「香港かぜ」では致死率0.15%で7万8300人が死亡。2009年の豚由来新型インフルエンザの致死率0.2%で約8万人が死亡した。毎年、ウィルスの形を変えて人々を襲うインフルエンザや、新型の病原菌の出現は脅威としか言いようがない。
そんなときにウィルスの遺伝子が 突然変異によって猛毒化してモンスターのように今までにない感染力をもったウィルスになって 秒単位で伝染したらどうなるか。映画が教えてくれる。
ストーリーは
べス(グエネス パスロウ)は二人の子供のお母さん。子供と夫のジョン(マット デーモン)を家に置いて 香港に出張に行っていたが、シカゴ経由で家に戻ってきた。風邪をひいたのか 咳をしていて調子が悪い。帰ってきた翌朝 台所で突然倒れて、病院に運ばれて間もなく死亡する。医師に急性の脳脊髄膜炎で亡くなりました と言われても その朝まで元気で若く美しかった妻が死ぬなどということが 全く夫には信じられない。しかし、病院から帰宅途中で 何と言うことか 今度は息子がべッドのなかで死亡していたという知らせが入る。ジョンは一晩のうちに、妻も息子も失ってしまったのだった。
一方 べスが滞在していた香港で、また彼女が経由したシカゴで 次々と風邪症状から脳脊髄膜炎を起こして死亡する患者が続出していた。翌日には東京で、中国で ロシアで 世界中にウィルスが恐るべき速さで伝播して死亡者が増える一方だった。世界保健機構(WHO)が 動き出す。アメリカではアトランタのCDC(感染センター)が対策の指揮をとることになった。この強力なウィルスは 接触によって感染する。感染、発症後の致死率は40%、恐ろしい速さで接触感染する。
最初にアメリカにウィルスを運んだのは べスと思われる。感染源を断定するためにWHOから ドクターーオランテス(マリオン コテイラルド)が香港に派遣される。しかし香港の 病原ウィルスの伝播状態は最悪だった。数万人の死者が 次々と集団埋葬されている。空港は安全ではない。調査を終え、ジュネーブに帰ろうとしたオランテスは 伝染対策部長とその武装した面々によって 無理やり感染から遠く離れた寒村に保護される。
CDCのドクターミアズ(ケイト ウィンスレイ)は、感染者を各地の学校の体育館などに隔離、収容する仕事に追われている。安全対策は 万全にしていたはずの彼女も、汚染されていたホテルで感染してしまい、倒れる。街中が騒然としている。銀行もゴミ回収も食品の購買も通常のようには もう機能しない。
ジャーナリストのアラン(ジュード ロウ)は CDCの対策本部が 感染予防のための血清ワクチンの抽出に手間取っているのは 巨大医薬品会社が これを機会に利益を出そうとしているからだ と訴えて、自ら感染し、自然療法で治癒したことをインターネットで発表する。多くの支持者が出てきた。その一方、待ちに待った予防ワクチンができ それを人々が奪う。ワクチンのために軍隊が出動しなければならない。生存者のあいだで、ワクチンや食料を奪い合うことが 日常化してしまった。ジョンは娘を感染から守ろうとして、、、。
というおはなし。
なかなかリアリテイがある。
出演者の豪華なこと。それぞれの役者が 主役級の役者ばかり。
そういえば、「タワーインフェルノ」も、フェィ ダナウェイ、ステーブン マクイーン、ポール ニューマン、ウィリアム ホールデン、ロバート ボーン、ジェニファー ジョーンズ、フレッド アステアなどなど、豪華俳優てんこ盛りの映画だった。主役も端役もなく、それぞれの人々が自分の立場で緊急事態に真剣に取り組んでいる。緊迫感があって、良い。
残されたジョンと娘がとても良い味を出している。マット デーモンは責任感の塊のようで、何が何でも娘を守るお父さん役が適役だ。娘役のアンナ ヤコビ へロンは13歳くらいだろうか、けなげに父親の命令に従って生きようとする。このくらいの大人になりかけた頃の子供達は 独特の美しさをもっている。
また、医療従事者たちが 自分も父親であり妻であり娘なのに、人々の命を救うために懸命に働く。限られた予防ワクチンを 誰を優先に打つのか。迷いながらも医道を外さないところにも、好感が持てる。
人が何によって生き、誰のために命を捨てられるか。限られた人だけが生き残れるとき、自分にはどんな選択があるのだろうか。いろいろな問いがあり、いろいろな答えがある。
スリリングだ。
だから映画を観ることが止められない。
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