「豪華キャストを配しているのに見せ場が少なくもったいない!」コンテイジョン Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
豪華キャストを配しているのに見せ場が少なくもったいない!
この映画は、私的には、少しばかり淡泊し過ぎていた気がするんだよね。
俳優たちも顔ぶれは揃っているのだもの、もう少しパンチが効いた、濃い味付けみたいに
見せ場がそれぞれ有っても良かった気がする。
勿論、映画が描いているのは、見えないミクロレベルの正体不明の細菌感染の恐怖と言う事で、これ位静かに単調過ぎる位単調に描いて行った方がむしろ、現実味の有る恐怖を演出出来るのかも知れないと計算されて出来たのが、本作品なのかもしれないが、全体から受ける感じが、今回のこの映像を観ていると、低予算のTV映画タイプのタッチにしか見えなかったのだよね。TVの2時間ドラマでこれは良いのかなって、感じがとうとうラストのエンディングタイトル迄ぬぐい切れずに終わってしまい消化不良を起こした様な感じだった。
本編らしい醍醐味が不足していて迫力不足だね、拍子抜けした様に感じるのは、自分がこの豪華キャストと言う事で、作品自体に過度の期待が自然に膨らんでしまった分だけ、単調に思えてしまったのだろうか?
例えば、アメリカでは、こんな事態が起きたなら、もっと一般市民はパニクリ、暴動が各地で起こり始めるだろうし、TVのニュース中継をズーっと見せられている、そう、そんな感触だね。本来映画って、観客は今、現実に自分の生活に起こっている事の様に錯覚してしまう位に感情移入出来る作品でないと映画を観た気がしない。
接触感染で起こる恐怖なら、もっと人と人がこの見えない細菌と言う敵に確実に追い詰められていく恐怖に怯える中で、人々の心はきっと心細くなり、誰かと繋がっていたいと思う気持ちが募るわけだから、そんな状況であれば、人はその恐怖を和らげる為に、例えば、家族とハグしあいたいと思う気持ちが募るのが自然の事だが、でも、そこで人と接触する事は、自分の死を招く事に成るかも知れないし、逆に愛する人に対して細菌感染させてしまう事は、自分が愛する人間を死に追いやるリスクを拡大させる事になると言う気持ちと行動を一緒に出来ない、心と身体の感覚的に一致出来ないで、相い反するする中で、体験する恐怖と孤独、寂しさみたいな感覚的恐怖が微妙に足りない感じだったのだ。
マット・デイモン演じるジョンは娘が恋人と接触するのをひたすら引き離そうとするシーンは確かにあるのだが、そして最後には若い二人がワクチンを摂取出来た後に再開し、ダンスする二人を静かに見守る父の姿は確かにあるものの、何だかね~弱いのだよね~
ファーストシーン空港で、何だか咳き込むところから、どんどん世界各地の人口表示のテロップと共に、香港・ロンドン・ミネソタ・東京・アトランタ・シカゴ・サンフランシスコ・広東省と体調不良で倒れ込んで死に至る人々を淡々と追って行く過程は、これから何が起こってしまうのだろうかと言う期待と恐怖を煽っておきながらこれは無いよなと言う結末を迎える。しかし、現実には、今、鳥インフルや、毎年流行するインフルエンザが政治目的で、或いは世界の急速な人口増加に対する何者かによる、人工的に画策された、人口減少を試みる計画された、秘密裏に行われている、国際的な政策なのかと言う違う形の恐怖が現実の生活にもあるのだ!本当の敵は何?本当の敵は誰?この事の方が更に恐怖だ。