「感染が汗腺を刺激する。」コンテイジョン ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
感染が汗腺を刺激する。
友人がどうしても観たい!というので早めに付き合いで観たら、
あ~こっちの方が凄かったな(汗)と手に汗握ったリアルな作品。
テーマは「感染」なんだけど、未知のウィルスの感染と、人間が
飛ばす(デマを含めた)情報感染の恐ろしさと顛末を描いている。
ま~さすがにソダーバーグだけあって、とても冷徹な映像で^^;
淡々と倒れていく人々を映し出し、あっという間に感染を広げる。
もう、とにかく未知のウィルスなので感染源が分からない。
なんか見え隠れする会社名…ファイル…に目を奪われるのだが、
これがどういう位置づけになるのかは最後まで覚えておくといい。
まずはグウィネスが倒れる…。二日後に死亡。すぐに開頭される。
なんて生々しい!(怖)だけど本当にこうするんだろうなと考える。
夫のマットは何が何だか分からない。そのうち今度は息子が発症。
なのに自分だけ発症しない。もしや?自分に抗体があるのでは?
ナースに進言するも無下に扱われる。おそらく誰もがこういった
状況下ではパニックになる。そこをあてこんだ?カリスマブロガーの
ロウは根拠のないデマを飛ばし始める。一斉に火がつきパニック、
各地で暴動、略奪、買い占め、と都市の機能が破壊されていく…。
一方でウィルスの感染源を突き止めようと尽力するWHO、CDCの
調査だが、調査員が感染したりする中でワクチンの開発も進まない。
見えないウィルス源と先行に対する不安で真っ暗な状態になるが…
こういった未知のウィルスに対するワクチンの開発には、おそらく
このくらいはかかるのだろう…といったところもリアルだった。
例え開発されたとして、それがすぐに大量に出回るわけではないし、
実証試験が何度も為されたものではない。
開発した博士が、死にゆく(間に合わなかった)父親に経過を告げる
シーンには涙が出た。発症しなかったケージの中のマウスにも。。
人類がこういった不幸に見舞われるには何か原因があるんだろうか。
今作では架空のウィルスだが、実際にこういうケースが何年か毎に
家畜や人類を襲ってくる。流行病では済まない殺傷力の強さに慄き、
いま、周辺にいる、どの、誰の、息が咳がくしゃみが唾液が…なんて
疑い始めたらもう外へも出られなくなる。見えない恐怖が蔓延する。
物語はまず(感染)2日目から始まる。
ラストになって1日目が映し出される…。これが、まぁなんというか。。
(当たり前だが)え、こんなことで?と思えてしまうところがまた怖い。
静かに淡々と(咳払いさえできない)観るしかない緊張度満点の作品。
(ねぇマットの身体、もっと調べようよー!あ、変な意味じゃなくて^^;)