「映画と現実が、いま取っ組み合いをしてるんだと思う。」コンテイジョン バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
映画と現実が、いま取っ組み合いをしてるんだと思う。
新型コロナでにわかに再注目を浴びることになった本作。ソダーバーグが評価されることはもちろんだが、ソダバと一緒にいくつもの実話にひねったアングルでアレンジしてきた脚本のスコット・Z・バーンズの功績も大きいんじゃないか。とにもかくにも、豪華オールスターキャストがウイルスの蔓延のせいでいとも簡単に死んでいく。そのウイルスの無差別攻撃の凄みが、いま世界中が身にしみて感じられるようになったし、映画のクオリティは変わらないのに、作品の異様な迫力も2倍3倍に感じられるようにもなった。現実世界ではこの危機に瀕して日本政府は『シン・ゴジラ』みたいな対応はできなかった。果たして『コンテイジョン』に追いつけるか、追い越せるか、それとも足元にも及ばないのか。映画の現実とのレースが現在進行中という、不謹慎だが得難い機会を目にすることになるのだなあ。
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