「静かに、確実に進行する恐怖」コンテイジョン marさんの映画レビュー(感想・評価)
静かに、確実に進行する恐怖
いわゆる感染パニックを描いた作品だけど、キラリと光るのは脚本と配役の妙。
特にマット・デイモンとジュード・ロウの役どころが印象的で、
作品に新味と深さを与えていたと思う。
例えばマット・デイモンは作中で唯一、ウィルスに免疫を持つ男性。
本人が感染しないから平気かと言えばそんなことはなく、
妻を失った悲しみを飲みこめないまま、
それでも愛娘に感染させないため奔走する“強い父親”だった。
ジュード・ロウは影響力を持つブロガー。
ネットを通じて簡単に、真偽の怪しい情報が蔓延する様子はまるでウィルスのよう。
作品全体を通して淡々と物語が進み、“煽り”のような演出も控えめ。
それでも感情が揺り動かされるのは、良い映画だからだと思う。
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