ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのレビュー・感想・評価
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胸打つ作品
S.ダルドリーの作品に、ハズレはない。
回を重ねる毎に、期待が膨らむのに、それを裏切らない。
そして、配役にミスもない。
感情を押し付けたりもしない。
静謐に、そして絹糸のような繊細さで、受け手に喪失感を持たせる。
トムハンクス、サンドラブロックという一流の役者をも、喰ってしまいそうな少年オスカーを演じているトーマスホーン。
彼の壊れそうな、弾けて粒子になってしまいそうな心を、見事に演じていた。
また、アカデミー助演男優賞にノミネートされたM.フォン.シドーも 胸が苦しくなる程切なさを見事に感じさせてくれる。
テーマは9.11。決して明るい作品ではない。
ただ、もう一度言いたい。
S.ダルドリーの作品に、ハズレはない。
予備知識を入れずにご覧下さい。
必見です。
合わなかった
・お父さんの息子愛がひたすら神。あんな風に子供の成長と幸福のためならどんな苦労も惜しまない親になれたらどんなに幸せだろうなぁ
・もし「9.11」という、人間(特にアメリカ人)の心を激しく揺さぶる事件が絡まなければ、「突然襲った最愛の父の死を受け止めきれない自閉症の少年が、残された父との絆を追いながら成長していき、距離があった母親とも相互理解を深めていく」というストーリーは至極ありがち&結末もpredictableだと思う
・オスカーの気が強すぎて、ただのワガママ少年に見えてしまった。事件前の時点で既にアパートのドアマンには悪びれもせず暴言を吐くし。手伝ってくれるという老人にも上から目線で「ルールナンバー7!絶対に休まない!」とか言ってる時点でNCISで言うなら完全にギブス。応援したいという気持ちにはならない。主人公を明確に弱者にする必要はないにしても、成長譚がテーマなら成長する前と後の差がないと感動しない
・唯一泣けたのが母親の息子愛。でも「死んだのが父さんじゃなくて母さんなら良かった」と息子に言われた母親にあそこまでやらせるのは理想高過ぎだし無理があると思うよ!私なら里子を検討するレベル
・おじいちゃんの登場は何だったの?電車に乗れるようにはなったけどそれだけ?「投げっぱなし」by夫
・ブラック夫妻なんで急に復縁したの?超どうでもいい疑問
・最後に訪問した人たち全員へ手紙を書いたというエピソードは、オスカーの「同じ行為を繰り返すことが苦にならない」っていう性格が長所として描かれていてとても素敵だなぁと思った。手紙もらってみんな嬉しかっただろうなぁ~
久しぶりに泣いた
9.11と聞いただけで暗いストーリーを想像してしまうけど、この映画の雰囲気は暗すぎず見やすかった
最後にお母さんが息子のしていたことを理解してあげていたことを話してるシーンはただただ涙で
ひどいこといわれたうえに、不安になりながらも毎週息子を送り出す気持ちを考えるとものすごく強い母です
前半部分だけの母親なら止めてだろうけど、やりたいと思ってることをとめずにやらせてあげる っていう部分はお父さんの影響だったのかな
半分くらいらへんまでただの家族愛のテーマか?鍵に意味はなくとも出会いが彼をかえていくような ありきたりな結末かな?と思いながら見てたけど、映画としての起承転結がちゃんとあって、
お父さんの電話に出れなかったことがわかったときは、その行動が急いで電話に出るよりとてもリアル
幼い彼が抱えていたものはとても重かっただろうなと、考えただけでまた涙が出そうになる
鍵は結果的にお父さんに関係のないものだったけど、お父さんが息子に伝えたいことはちゃんと伝わってて、素敵なお父さんが選んだ人は素敵な奥さんで、息子も不器用なだけでとても素直な子で
今タイムリーに世界でテロが沢山起きてるなかこの映画をみて何とも言えない気持ちになりました。
人から人への愛がもの凄く繊細に色々つまった映画だった
おじいちゃん、タンバリン、 ここらへんがなんとも言えない味をこの映画にもたらしてて、ちょっと古い映画のような?感覚でほっこりしました
タイトルが意味する物とは
話の展開が凄く心地良かった。急すぎて突拍子の無い展開になることはなかったし、だけど劇的な場面も出て来るので飽きることもない。巧妙でしたね。いろんな所に伏線があって、それの回収の仕方が丁寧だからそりゃもう良いですよ笑
主人公の少年は1番の理解者であり最も尊敬する存在であった「父親」をあの9.11で亡くす。そして、「父親」の遺体が入ってすらいない棺を燃やすことでお葬式を 完了 した「母親」を軽蔑していた。また、主人公の味方として「祖母」そして祖母の家に“間借り”する「老人」が出てくる。
主人公の少年は父親に対して後悔してた部分があって、父親が隠し持っていた鍵が何なのかを探す。それを探しだす事でしか父親への後悔を振り払う事が出来ないから。
だが、それを続けても続けても上手くは行かず最後にはそれは、違う人とその人の父親の絆の鍵であったのだ。自分の父親との最後の絆がここで砕けた。
でも、それが結果としてそれまで否定してきた母親との新たな絆の再生へと繋がる。
さっき、「」をつけた登場人物。それらは全て主人公の「家族」だ。
ものすごくうるさくてありえないほど近い。これって結構鬱陶しいと思う。苦情ですよね、こんなの。でもその鬱陶しさがなきゃ困る。ないと寂しい。
それが何か?
「家族」が答えだと僕は思いました。
タイトルの意味に気づいてからは、涙が止まらなかった
なんて素敵な映画…
「父を超えたかったのに」と初めてあった祖父に気持ちをぶつけるシーン、子役とは思えないその演技力と迫力に震えました。
字幕は苦手だったけど、字幕版で見て本当によかったと思える。
そして主人公がベッドで泣き喚くシーン。
それまで上手くいっていないと思えた母の行動を知って、涙が止まらなくなりました。
お母さんってそんなにやわじゃない。
分かったつもりでいたけど、どんなに酷い言葉をかけられても息子を愛し続ける、強くて温かい母に感動。
レビュー書きながらも涙が止まりません、
良かった!
心的外傷を埋める
総合70点 ( ストーリー:65点|キャスト:80点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
911で父親を亡くして心的外傷を負った少年の、癒しと成長の話。911のことを原因として取り上げているものの、それはあまり大きな意味を持たない。ただ少年と彼を取り巻く家族の、悲しさを乗り越えて再生していく様子を、ゆっくりと温かく描いていく。物語よりも人の繋がりを中心軸にして展開させ、それを脇役の登場人物がしっかりとした演技で物語と少年を支える。現実を受け入れ、父のいない寂しさと電話に出なかった後悔を乗り越えて、新しい章を開いていく清清しさが残る。
子供だけで家で留守番をさせるだけで違法になるアメリカで、子供が一人で大都会NYCに出かけていくのは最初から違和感があったし、何か大人ぶった怖いもの知らずの生意気さというのもあった。尾行がいつもばれないし成功するという説明は苦しくても、まあこれは物語としてそれなりに仕方が無いのだろう。
9.11
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
鍵は必ず、何かを開ける
映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」
(スティーブン・ダルドリー監督)から。
今までにも「9.11」をテーマにした映画を何作品も観てきたが、
事故現場のヒーロー的な扱いでもなく、また悲劇の主人公でもない、
ただ尊敬する父をあの事件で亡くした、少年の視点が新鮮だった。
その少年がある告白をする。
「(僕は)アスペルガー症候群の検査を受けたの、
『利口だけど、不器用な人』の検査だって」
この言い回し、もう大人だけどアスペルガーかな?と感じる人には、
説明しやすいフレーズだな、とメモをした。
さて、気になる一言は「鍵は必ず、何かを開ける」
「black」と書かれた封筒に入っていた鍵は、いろいろな体験により、
彼の繊細な心を開いたとも言える。
「1本の鍵にあう鍵穴なんて、無数の可能性がある。そこが面白い」と
彼に教えた、街角の鍵屋さん。
そして「鍵には、必ず鍵穴がある。名前には必ず人がいる」と、
「Black」というメモを「名前」と判断し、blackさんを探すという展開は、
意外だったが、最後まで楽しめた。
「鍵」は、時として「キー」と訳し「キーワード」などとして使う。
「キーワード」を見つけることで、問題が解決することもある。
う〜ン、やっぱり「鍵は必ず、何かを開ける」だな。
P.S.
ストーリーには関係ないけれど、少年が人探しに出る時に常時持ち歩く
サバイバルグッズ「パニックを抑える、タンバリン」が気になるなぁ。
少年のリアル
9/11
The phone rungの一言で、彼が何故あそこまで鍵探しにこだわったのかが納得できた。
同事件では、多くの日本人の方も亡くなったことを思い出しました。平和とは何か、何故世界は平和にならないのか、という解決し得ない問題に行き場のない憤りを覚えました。
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