「ものすごくうるさいのは、あまりにも近いから」ものすごくうるさくて、ありえないほど近い Macfan0102さんの映画レビュー(感想・評価)
ものすごくうるさいのは、あまりにも近いから
オスカー役のトーマス・ホーンがとてもいいい。まさに、子どもの「邪気のない」邪気が、言葉の「五月蝿さ」に表れている。彼が、ジェフリー・ライト扮するウィリアム・ブラックに、身に起きた出来事、今の自分のあり方を、それこそ「五月蝿く」語るシーンは、この映画の一番の見所だろう。感銘を受けるコマだった。身を削るほどの辛さ、痛さが、この少年をして語りしめること、そのことをこの少年は見事に演じきっていた。そして、それとは対照的に、言葉(声)を失った賃借人じつは祖父であるマックス・フォン・シドーの抑制の利いた演技、またサンドラ・ブロックの、母リンダ・シェルの包容力ある演技も際立っている。 多弁と無言、喧噪と沈黙、我々が声を失うこと、それが「喪」の意味であることを、重層的に語り出す映画だった。
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