劇場公開日 2012年2月18日

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「引き裂かれる」ものすごくうるさくて、ありえないほど近い Blueさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0引き裂かれる

2012年2月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

苦しくて、心が引き裂かれます。 事実から目を背けてはいけないけれど、それを受け止めるには 相当の体力がいります。 なので、鑑賞後は 疲労困憊でした。。

9・11テロで 最愛の父を亡くした少年オスカーは、クローゼットで1本の鍵を見つけ、父親が残したメッセージを探すため ニューヨークの街へ飛び出していく。 鍵の先にある奇跡を追って、最愛の者を失った人々の再生と 希望を描き出していく(作品情報より抜粋)。

主人公・オスカーを演じた トーマス・ホーン。 素晴らしい演技でした!! が、トムにもサンドラにも似ていないところが ちょっと浮いてたかも(苦笑)。 アスぺルガー症候群の疑いがある少年の心の揺れ方を、見事に表現していたと思います。 将来がとても楽しみな イケメン君☆

オスカーの父親を演じたトム・ハンクス。 助演に徹して、トーマス君をしっかり盛りたてていました。 ますます太って オッサンになっていましたが、家族を支えていた立派な父というイメージが しっかり残る演技でした。

オスカーの母親を演じた サンドラ・ブロック。 彼女の そつのない演技も好印象。 泣けました。 頑張るママを演じさせたら(今のところ)世界一。

その他、オスカーと出会う“話せないおじさん”を演じた マックス・フォン・シドー(『シャッターアイランド』)、オスカーが鍵を探し訪ねた先で出会う女性に バイオラ・デービス(『ヘルプ 心がつなぐストーリー』)、などなど 助演の皆さんも素晴らしいです。

この作品を通して… 立ち止り、9・11で家族を亡くした人々の痛みに触れ、考え、そしてまた歩き出す勇気を持つことの大切さを 少年の葛藤を胸に刻みながら学ぶ。 ストーリーもキャスティングも、演出もシーンごとのコントラストなども 緻密に計算されてるなと思いました。 ただ、もう悲しすぎて。。。トーマス君の演技が完璧すぎて。。。 良い作品であるのは間違いないですが、「もう一度観たいか」と聞かれたら 正直迷うと思います。。 でも、感想を聞かれたら「ぜひ観てほしい」と お勧めすると思います。

***『最後だとわかっていたなら』(ノーマ・コーネット・マレック作)
あなたが眠りにつくのを見るのが最後だとわかっていたら
わたしはもっとちゃんとカバーをかけて神様にその魂を守ってくださるように祈っただろう
あなたがドアを出て行くのを見るのが最後だとわかっていたら
わたしはあなたを抱きしめてキスをして そしてまたもう一度呼び寄せて抱きしめただろう
あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが最後だとわかっていたら
わたしはその一部始終をビデオにとって毎日繰り返し見ただろう
あなたは言わなくてもわかってくれたかもしれないけれど 最後だとわかっていたら
一言でもいい・・・「あなたを愛してる」とわたしは伝えただろう

たしかにいつも明日はやってくる
でももしそれがわたしの勘違いで今日ですべてが終わるのだとしたら
わたしは今日どんなにあなたを愛しているか伝えたい
そしてわたしたちは忘れないようにしたい
若い人にも年老いた人にも明日は誰にも約束されていないのだということを
愛する人を抱きしめられるのは今日が最後になるかもしれないことを

明日が来るのを待っているなら 今日でもいいはず
もし明日が来ないとしたらあなたは今日を後悔するだろうから

微笑みや抱擁やキスをするためのほんのちょっとの時間をどうして惜しんだのかと
忙しさを理由にその人の最後の願いとなってしまったことをどうしてしてあげられなかったのかと

だから今日あなたの大切な人たちをしっかりと抱きしめよう
そしてその人を愛していることいつでもいつまでも大切な存在だと言うことをそっと伝えよう

「ごめんね」や「許してね」や「ありがとう」や「気にしないで」を伝える時を持とう
そうすればもし明日が来ないとしてもあなたは今日を後悔しないだろうから***

Blue