「この精神状態では次を待つのは1年が限界」ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q Dr.Santaさんの映画レビュー(感想・評価)
この精神状態では次を待つのは1年が限界
シンジともども奈落の底に突き落とされました。
いやぁ~、辛かった。エンドロールの後は劇場が静まり返っていましたよ。
シンジと同様、二人目のレイが生きている世界を期待していただけに衝撃は大きかった。
そして、さらなる衝撃、冬月先生のお言葉、
「ユイ、旧姓綾波」
この瞬間、新劇場版が、旧作とは全く異なる物語であることを認識しました。
旧作は、大悪女ユイに操られた男たちの苦難の物語であったと認識しています。冬月や六分儀ゲンドウをたらしこみ、子供の目の前で消えてみせてトラウマを植え付け、彼らを意のままに操り、自分の望む世界を実現するために人類補完計画を推し進めた大悪女ユイ。赤木母娘なんか、ゲンドウに操られて不幸まっしぐら。対抗していたのは加持とミサトくらい。でも、駒として使われていた子どもたちが、様々な出会いを通じて自分の意思を持ち、大人たちの思惑を超えて動き出す。そして選びとった未来は・・・。
新劇場版は碇ゲンドウと綾波ユイが出会い、そして突然別れることになった後の物語。ゲンドウがどのように人類補完計画に関わるようになったかは不明ですが、ゲンドウがユイを取り戻すために”神と対決”するという構図になっています。
シンジはゼーレやゲンドウのシナリオに踊らされ、一生懸命やっているつもりが、人類から見れば悪魔のような所業に加担していることに。
暗すぎる!
「希望は残っているよ、どんな時にもね」
第一の希望、カヲル。旧作よりも、さらに健気にシンジを幸せにしようとするカヲル。ピアノの連弾、名シーンです。しかし、心優しい第1使徒の思いを打ち砕くリリンの王、碇ゲンドウ。シンジの心は完全に崩壊してしまいます(私の心も崩壊寸前)。
でもまだ希望はあります。アスカ。Qのアスカは今まで見たことのなかった面を見せています。
プロローグの
「何とかしなさいよ!バカシンジ!!」
に始まり、
エピローグの
「ガキシンジ!どうして助けてくんないのよ!!」
まで、
今回の彼女は、常にシンジに”期待”しています。この役回りは旧作のミサトに近い。しかも今回は、アスカが本気でシンジに惚れている(のが分かる)。
マリは心得ていて、サポートに徹している。
どん底のシンジ、アスカを救えるのか?果たして、二人目のレイはどこに?
旧作ではゲンドウやミサトに感情移入して観ていた私ですが、今回は完全にシンジとシンクロ。
最終作は、アイ?
って、終着駅は同じということかっ?!