「ブルース・ウィルスとフォレスト・ウィテカーが遊んでる」キリング・ショット マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
ブルース・ウィルスとフォレスト・ウィテカーが遊んでる
原題の「Catch.44」の“Catch”って何だろう?
調べてみたら、“Catch-22”がジレンマ状態を意味する言葉としてよく使われるようだ。それにブルース・ウィルス演じるマフィアのボス、メルの愛用拳銃44口径リボルバーS&Wの.44マグナムを引っ掛けたのだと察しがつく。
さて本篇だが、一切、何の状況説明もないまま話が進む。
しかも結末の山場のひとつを先に見せてしまうという大胆な構成だ。見せては過去へ、また見せては過去へを繰り返す。そうして過去との時間差を縮めながら、観る者に状況を把握させていく。
しかも、その山場たるや、タランティーノばりの派手さで容赦ない。
予告篇にもあるとおり、ただのいつもの仕事と思い込んでやってきた女3人のドラッグ・ディーラーが、あっという間に撃ち合いに巻き込まれてしまう。
単なる偶然のトラブルか? それともマフィアのボスにハメられたのか? 信じていいのは誰?
真夜中のダイナー(レストラン)を舞台に銃を向け合ったまま動けない。
あっちを信用するか、それともこっちにするか、まさににっちもさっちも行かないジレンマ状態だ。
観る側が最後の謎を残して状況を把握したとき、睨み合った男女もまた精神的に極限を迎える。
ダイナーの外から、窓の曇りガラス越しに幾つもの閃光が光る。早く中の様子を知りたいと思わせる演出は中々のものだ。
馬鹿オヤジっぽい喋りのブルース・ウィルスと、常軌を逸した感のあるフォレスト・ウィテカーふたりが演じることを楽しんでいる。
対する女優陣は、3人が揃って、やっと一山なんぼといったところだ。
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