あなたへのレビュー・感想・評価
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あなたへ
今日は、予約して映画「あなたへ」を見てきました。
高倉健さんのファンなので当然です。
感動の物語なのでハンカチを持って行きましたが・・・使えませんでした。
役者さんは、超一流ばかり。あの、内容だと可愛そうです。
原作者の「森沢明夫」さんも、これで納得したのでしょうか?
小説と大幅に違います。半分です。
すばらしいストーリーなはずなのに、かなりカットされかなり書き換えられ、物語がどうして次はこうなるの?? つながっていません。
登場人物のそれぞれの人生ドラマも有るのに全てカットされ、なんだか話がつながりません。
一番の問題は、「あなたへ」って、郵便局留めの最後の手紙が、クライマックスで涙が止まらなくなる場面で、手紙が3枚ほど有るはずなのに・・・この映画では「さようなら」これだけ。
ぶち壊しです。
何の為に、「倉島英二」がキャンピングカーを急いで作って、思い出に振り返りながら旅をしたのか? 訳が解らず見ている方々に感じてもらえません。
こう言うのは、監督とか脚本家とか?が変えてしまうのでしょうか?
とっても、残念な映画になってしまって高倉健さんが可愛そうです。
健さんをスクリーンで観ることに意義があります
80歳の健さんに何を求めるのか?
それはまさに「健さんを」です。
映画自体は単なるロードムービーであり、
行く先々での人との出会いと触れ合いが回想シーンと
あいまって粛々と流れていくという映画です。
興奮する場面や刺激的な場面がでてくるわけでなく、
かといってここで泣ける、という場面もあるわけでなく
話が進んでいきます。
とはいえ2時間弱の映画を長く感じることなく
いつのまにかエンディングを迎えることができたのは、
自然体で無理がない作り方がされているからと思うと同時に
これが健さん映画の真髄なのだろうと再確認しました。
周りを見渡すと70歳前後と思われる方々が目立ちましたが、
こういう映画が良いんだろうな、と納得しました。
健さん
久しぶりに高倉健さんを銀幕で観られただけで、心が満たされた。
実直な生き方、様々な人との一期一会。眼差しに浮かぶ誠実さ、優しさ。
そこにたたずんでいるだけで、背筋が伸びるような。もう一度人生を大切に生きようと思えるような。そんな類い稀な存在だと改めて感じた。
自分を律し、1つの道に邁進し、つねに謙虚で、周りへは温かい思いやりと、感謝の気持ちを持ち続けている…。
きっとこの人は、俳優でなくどの職業に就いていたとしても、出会う多くの人たちに影響を与えただろう。
同じ時代に生きていられて、よかった。迷い多い自分の人生を、投げ出さず歩んでいこうと思った。健さん、ありがとう。
“高倉健”という永き俳優人生の巡礼の最終楽章とも云える境地
日本横断がメインとは云え、出逢いはとてつもなく多い。
殿や大滝秀治、石倉三郎etc.長年共演したベテランから、草なぎ剛、佐藤浩市etc.現在の邦画の主力株、はたまた、三浦貴大、綾瀬はるかetc.これから更に飛躍を期待される若手までヴァラエティに富んだ触れ合いである。
日本狭しと数多くの名優達と織り成す旅情記は、物語の範疇を越え、高倉健そのものの俳優人生の最終楽章を迎え入れようとする温もりにも感じた。
長い間映画史を牽引し続けてきた大スター・高倉健が今の邦画界に向けて巡礼する旅の締め括りとも云えよう。
故に主人公の口癖である「ありがとう」が言葉以上に重みを感ずる。
同時に
「これからの日本の映画を宜しく」というメッセージも帯びているからだ。
だとしたら、冨司純子や小林稔侍にも出逢って言葉を交わして欲しかったが、それではあまりにも贅沢過ぎる巡礼なのかもしれない。
ストーリーそのものの評価は〜ってぇっと…
ゴージャスな割りには無難な落語の人情噺をノンビリ聴いたような心持ち。
退屈はしないけど、感動もない。
談志師匠的に例えたら、
「オレの芝浜じゃなく、よりにもよって圓楽の芝浜を聴きに行きやがるようなものだ」
ってぇとこだろう。
(圓楽党のみなさんすいません)
故に同じ健さんの旅情モノの『網走番外地』での手に汗握るスリルも無ければ、『幸せの黄色いハンカチ』での怒涛の感動もない。
「人には優しくせなぁ〜あかんなぁ〜」
ってぇ了見がホノボノと通り過ぎていくだけである。
まあ、そういう癒やしにも似た後味やからこそ、眠れずに最後まで見届けられたんやとも思う。
また、元教師の殿やイカめし売りの佐藤浩市etc.裏に潜む人物像が見え隠れする描写力も効果的。
逢う人逢う人みなお人好しばっかしで旅自体は結構スムーズな中、一癖有る彼らの存在感が穏和な展開を救っている。
私はってぇっと、
孤高のキャラはそのままだが、不器用なイメージとは裏腹に、車内をオーダーメイドで改装したり、デジカメやケイタイetc.の機器を使いこなす姿を観て、
「不器用ですから…って、健さんおもいっきし器用やないか」
とツッコミたくなるギャップが興味深かった。
では最後に短歌を一首
『遺された 風鈴に聴く 旅の唄 荷を越えて鳩 海は流るる』
by全竜
しみじみ堪能。
倉島英二が寡黙すぎるが内面を察することは出来る。
吸収性ある実直な人柄が良い。
妻の思いを遂げて,
人生を噛み締めて前を向く背中にエール。
目的地到着が順調で旅している感が薄いし,
出来過ぎな人間ドラマだったが,
泣かせに走らない世界感と,良い人ばかりの登場が好き。
立ち姿だけで魅力を醸し出す高倉健の存在感を通して,
一期一会の輝きを伝える良作。
人がいるから人は生きていける。
高倉健と旅をする
高倉健。
今や死語となった“銀幕スター”を体現出来る唯一の存在である。
数々の映画から寡黙で不器用というイメージだが、素顔は意外とユーモア溢れる。
先日「スマステ」に生出演(!)した時、「“TVタックル”のスタジオに行きたかった」ととぼけたユーモアで、緊張する香取・草なぎの両名を和ませてくれていた。
そんな懐の広さが、ビートたけしを始め多くの人々に慕われリスペクトされている。
色んな意味で大スターと呼ぶに相応しい。
“高倉健は何を演じても高倉健”と言われる事もある。
確かにほとんどの役柄は変わり映えしない。
でもそれがピタリとハマる場合がある。
“高倉健は何を演じても高倉健だが、やはり高倉健でないと成り立たない”場合である。
「幸福の黄色いハンカチ」や「鉄道員」がそうだ。
「鉄道員」なんか、もし高倉健でなかったら、あそこまでの作品にはならなかっただろう。
本作もピタッとハマった。
亡き妻の遺骨を故郷の海に撒く為旅をする。
また作品雰囲気も高倉健本人のようだ。
真面目でありながら所々ユーモア溢れ、人の善意を感じ、人に感謝したくなる。
正直妻の遺言の意味が今一つピンと来なかったが、そんな不器用さも含めて。
漫画やTVドラマの映画化が氾濫する今の日本映画界で、昔ながらの実直な映画作りと、80過ぎてもスターとして輝き続ける高倉健に「ありがとう」と言いたい。
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