青いソラ白い雲のレビュー・感想・評価
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震災3ヶ月後にこのコメディを撮った
それだけでも、アーカイブに保存するべき凄い、凄まじい映画です。
そして、その映画を公開延期の塩漬けにして台無しにした日本映画業界の負の歴史としても残るべき。
映画単体としては、主役女性を最初の15分で誰にも共感を抱かせない人物に描いてから地に落とす手法、金子監督は本物のサディスト(ほめてます)だと(再)確認しました。
映画監督って、サディストじゃないと勤まらない職業たと思います。
掃き溜めに鶴
セレブのお嬢様が突然苦境に立たされ友人の助けを借りながら自立してゆく過程がメイン、それだけでは森星のプロモーション・ビデオになってしまうのでシチュエーションに社会性や人間不信を付加、折しもみまわれた3.11関連を急遽織り込んだように思えてしまうのは脚本と役者の稚拙さか監督の依怙地な自己主張か・・。
日活時代の金子監督のファンならずとも美少女が凌辱されてしまうのではないかと不安を煽るようにやくざや業界人、変質者まがいの胡散臭い男ばかり散りばめる、ガメラ時代のファンなら必然性のないゴジラフリークの外人登場は受けるだろう。犬は通常癒し担当だが被災犬で同情を狙うのとホテルお断りでハードルを上げる役回りなのか印象が薄い。素人のお嬢様がいきなりガイガーカウンター振り回したり、やたら出てくる震災にかこつけたセリフやシチュエーションに真実味が出ていない。何故父親の詐欺罪が震災のせいかも真偽不明、仲良しグループも上辺だけ嘘でまみれ、LGBTのカミングアウト、代理出産、余命わずかまで織り交ぜてごった煮状態、エンディングに星ちゃんに植木等を歌わせるのは悪趣味でしょう。
お姉さんも美形だが星ちゃんも美しいので星プラス、掃き溜めに鶴のような映画でした。
東日本大震災後にアメリカから東京へ帰国した主人公の視点で描かれる震...
東日本大震災後にアメリカから東京へ帰国した主人公の視点で描かれる震災後の東京。
当時の東京を含めた日本が纏っていた錯乱と妙にアッパーだった雰囲気を客観的に捉え、その中に潜む欺瞞をギャグとして昇華している。
震災の年に製作したというのだから驚き。非常にセンシティブな内容を早々にシニカルに描いてみせた金子監督恐るべし。
震災後、過剰なポジティブとネガティヴが渾然一体となった雰囲気にどこか居心地の悪さを感じた人は是非とも観てほしい。
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