劇場公開日 2013年8月10日

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「最初から負けていれば、どうやっても勝てない。」ワールド・ウォー Z 病気の犬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0最初から負けていれば、どうやっても勝てない。

2014年6月17日
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興奮

なんともぼやけた映画。劇場でゾンビ壁を観られたのは救いだったが、それ以外に見所が少なくこれだけのプロットの映画にしては物足りなさが大きい。
イベントとステータスを扱いきれずにただ順に繋げただけというガキの使いのような映画。
ワールドウォー感が出せなかったのが敗因。世界をいったり来たりするだけでそこかしこで普段のゾンビ映画とさして変わらないシークエンスを繰り広げる この展開が冗長であり、なおかつ主人公のスペックが通常のモンスター映画とは比にならないほど高いので緊迫感も今一つ。ついでにいえば危機的状況の演出も常人向けで、常人ならまあアウトだろうが彼ならなんとかできるだろうと安心感をもててしまう。つまりは構成が悲しいほどに稚拙である。
パニックを描く映画ほど監督は状況を整理しなければならないのは想像に難くないが、端からそれを放棄して3ブロックにわけるという、ビート板のような補助器具にて成し遂げている。便利かも知れないが格好はひどく悪い。要は作品の世界観の広がりをまとめる自信が無かったのだろう。
ゾンビ壁に代表されるゾンビの動きにはアイデアがあり、主演も足してこの評価。
しかし他の監督であればという思いは捨てきれない。

病気の犬