「おもしろいんだけど、なぜ作ったのかよくわからない。」ワールド・ウォー Z あふろざむらいさんの映画レビュー(感想・評価)
おもしろいんだけど、なぜ作ったのかよくわからない。
おもしろいか、つまらないか、ということならそこそこおもしろかった。
ただ、ブラッド・ピットがかっこいいだけの映画に思える。
つまり2013年にこの映画が公開された意味づけがわからない。
謎の伝染病が原因で、人々がゾンビ化する。
国連の職員だったジェリー・レインは元上司からの依頼で調査に携わることになる。
現代のわれわれは、「コロナをゾンビ化におきかえた作品なのでは?」と連想する。たしかにこの頃もコロナウイルスは少数報告されている。だからといって、これがコロナを扱った預言的な映画として評価するのは短絡的だろう。
ブラッド・ピットの制作会社プランBエンターテインメントが映画化権を獲得したのが2007年。公開までに6年かかっている。その間にシナリオは書き直され、原作とはまったく違うものになったという。
原作がどういうものなのか、読んでいないので知らない。
エンターテイメントとしては本作はうまくできている。
それほど斬新なアイデアはないとはいえ、アクションは楽しいし、感動的なシーンもある。なによりもブラピがかっこいい。
それでいいじゃないか、という人も世界中にはたくさんいそうだが、数字を見るとそれも微妙だ。
本作は製作費280億円、興行収入760億円。
これを見ると大ヒットのような印象を受けるが、どうやら広告費を含めて考えると、かろうじて赤字はまぬがれた程度だったようだ。
映画ファンが、みんな作品の存在意義を考えるわけではないだろうが、個人的にはなぜこの映画が作られたのか、というのがわからないのでイマイチな印象な作品だった。
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