「うーん…」ワールド・ウォー Z すくりーん太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
うーん…
感染したゾンビをぶち殺しながら、人類が生き残る策を探るという映画だが、途中で眠くなる。面白い、という人はもちろんいるのだろうが、私にはダメ。
何がダメかって?
①感染源の一つとみられる韓国に到着していきなり、ハーバード大学感染学の権威という若き学者があっさり、自分で転んで銃が暴発して死ぬ。(はあ?こいつは何の役割だったのか?)
②一部の特権階級だけが国連空母に乗れる不愉快さ(そもそも、国連は軍を持たないし、この特権階級ぶりがあっさりと普通に描かれている。)
③感染源や感染経路は最後まで不明のまま。映画は「戦いは始まったばかりだ」とか言って終わる。話が広がりすぎて収拾不能になるパターン。
④ゾンビがただ、一部の人をよけていく光景だけで「ゾンビは何かに感染した人間には近づかない」と推理し、自ら毒素のワクチンを注射するむちゃぶり。(要するに腹に落ちない)
⑤やっと搭乗した民間機の中で手りゅう弾を爆発させて墜落させ、主人公とイスラエル女性兵士だけ生き残る荒唐無稽ぶり。さらに腹に部品が貫通したにもかかわらずものすごい勢いで回復する。テレビゲームじゃないんだから。普通ならあれは全治半年以上。そもそも出血多量。
⑥映画全般で、自分と自分の家族、その周辺だけ助かれば(主人公本人の考えではなく、作品自体の描き方)、他の無辜の人々はあっさり犠牲になってもよい。
⑦最後のシーンなんか、ただの虐殺。映画を見ている多くの人は、もし映画と同じ事態が起きたら、ほぼ全員がゾンビ側になるのに、もう軍隊がゾンビを一個所に誘導するように集めてガンガン射殺、火炎放射器で焼き殺す。てか、本来、こいつらゾンビをどう治療するか、を一切考えず、射殺しまくる感覚の不愉快さ。
⑧家族愛って、この薄っぺらな描写でどう感じろというのか。電話してるだけだろ?それもうかつな電話で人が死ぬのに平然としている。ぶっ放し映画だってたくさんあるぞ、家族愛に感動するのって。
自分で何で眠くなったか考えると、要するに、すべてが「なるほど」と腹に落ちずに不自然なのと、くどくど説明が多く、、また、その説明が脳の中をすっと通っていかないことに行き着く。
ゾンビ映画は難しい。個人的にはバイオハザードの方が面白かった。