50/50 フィフティ・フィフティのレビュー・感想・評価
全46件中、41~46件目を表示
誰でも起きうる出来事。
脚本家ウィル・レイサーのガン闘病体験を元にした作品。 健康的な日常を送っていた27歳でのガン宣告。若いとガンは進行しますからねぇ。複雑&混乱すると思います。って言うか、私も今この時点でガン宣告を受けたら、どう思うんだろうなぁ。 ガンを描いた映画というと、暗い雰囲気の作品かと思うかも知れませんが、この作品はそうではありません。一応、コメディ作品に分類されています。とは言うものの、明らかに爆笑というシーンはそれ程有りません。クスリと笑うか、明るく前向きにガンに向き合っていくという事がこの物語の基本です。 主人公アダムの友人カイルがいい味出しています。元々楽観的な人物として、人物設定がされているのだと思いますが、そうだとしても、アダムを勇気付けようとして“敢えて”バカを演じている男になっています。劇中も、ガン患者と共に生きる事をテーマにした本を読んでいることが明らかになっています。 その一方、カイルの主治医が、なんだかなぁ。患者に向き合わない医師って、感じ悪いんですけど(笑)。 やっぱり物語上、去っていく恋人と新たな出会いと言うのは、避けられないんですかね?まぁ、それが作品に物語を与えているわけですが。でも、いきなり院生に単独でセラピーってさせるんですかね? DC修了の条件なのかな? 日常の中の非日常。誰にでもありそうなことを描いた映画です。まぁまぁ、いい映画だと思います。
笑いとドラマのバランスも「50/50」
27歳の若さで突然のガンの宣告。5年後の生存確率50%。人は、そんな状況をどう受け入れるのか? 家族や友人、そして恋人は、その事実にどう向き合うのか? ひとつ言えるのは、どんなに健康に気を配っても、事故に遭わないよう気をつけても、病魔はいつやってくるか分からないということ。 いつ、何があっても、つまらん人生だったと思いたくはないものだ。 タイトルの「50/50」はもちろん生と死の確率だが、この映画の作風も言い表している。 難病を抱えてしまった重たい題材ながら、決して暗くならず、ジョークを散りばめ、却って元気が出るような筋書きになっている。コメディと人間ドラマのバランスもまた「50/50」なのだ。このバランスが絶妙だ。 親友のカイルが、普段と変わらず陽気にアダムとの時間を謳歌する。生存率が50%しかないと塞ぐアダムの言葉に対し、生きる確率が50%もあると切り返す前向きさがいい。そんな明るく振る舞う彼でも、その陰でガン患者である親友とどう向きあったらいいのか模索している事実を発見したときはジーンと熱いものが込み上げてくる。 また、恋人のレイチェルがとった行動も分かる。彼女もまた、自分の人生を賭けて日々過ごしているのだ。それもまた“よかった”のか“悪かった”のか「50/50」。あとになって判断することになるだろうが、どちらに転ぼうが人生に無駄なことは何一つない。 ラストは、これからどうするんだろう?と、オジサンの好奇心を掻き立てる爽やかな余韻が数日楽しめる。切り際が巧い。
シリアスに傾きがちな題材に程よいユーモアをまぶした脚本が秀逸。
シアトルの公営ラジオ局に勤めるアダムは、酒もたばこもやらないストイックが信条の27歳の青年。そんな彼が5年後の生存率50%のがんを患っていると診断され、それまでの日常が一変してしまいます。 見かけは、若くして白血病が見つかった若者の闘病日記というルックです。しかし、本作ではとことんそんな深刻ぶった闘病など笑い飛ばして、50%の生存率を楽しむかのような軽さが信条のテイストに仕上がっていました。 主人公アダムの気持ちを、いつもポジティブにマインドアップしてくれるのが、お馬鹿な悪友カイルの存在。全くデリカシーのかけらもなく、言いたいことをズケズケと、考えていることはナンパのことばかり。そんなチャライ男が身近にいた騒いでくれることが、かえって病気の苦悩や死の恐怖からアダムを救ってくれたのでした。そんな若さゆえのお気楽さがリアルに描かれていきます。 カイルにかかれば、末期ガンすらナンパの材料になってしまうから驚きです。でもアダムが病気のことを気にしていなかったわけではありませんでした。ナンパに成功して、女の子を自室に招いてベットインしても、集中できず、まったく快感を感じることが出来なくなってしまったのですね。 結局人が切羽詰まったとき、心の支えになるのは、カイルのように本心で動く心許しあえる存在なんだと思います。いま米国のコメディー映画では、そんなお馬鹿コンビとも言えそうなバディの関係を愛すべきものとして描かれる作品が多いようです。 そんな男同士の親密な関係を指す言葉として。最近「ブロマンス」という言葉が登場して、使われるようになりました。きっとこれから流行する気配が濃厚でしょう。「ブロマンス」はホモと違って、あくまでプライトニックな関係。仲間、兄弟分といった意味でのbrotherと、romanceを掛け合わせた造語だそうです。 男同士の軽いノリで見せながらも絆を深め合うところは、ドラマになりやすいところでしょう。 そんな「ブロマンス」な関係でもほどほどが肝心なようです。手術が迫って次第にナーバスになるアダムは、とうとうカイルの無神経さにキレてしまい追い出してしまうのですね。ところがカイルのいたところに読みかけのガンに関する解説書が置いてあったのです。アダムが本を開くと、付箋紙がびっしり貼り付けられて、メモ書きもあり、明かに読み込んだ跡がありありでした。このシーンには、グッときましたね。それまでお気軽に見ていたのが、見方を一変させられてしまいました。 お馬鹿のように病気を笑い飛ばそうと振る舞いながらも、カイルは親友の安否が心配で柄にもなく、病気の知識を密かに勉強していたのです。そんなさりげない演出に監督の登場人物への優しい目線を感じました。 アイルが死への不安の中で両親、友人、恋人との関係を見つめ直していく様をユーモアたっぷりに描き出す本作は、母親との関係が一番コミカルでした。とにかく食え食えというお節介ぶりに、共感を持たれる方も多いことでしょう。 またアイルの看病に疲れた彼女が浮気をしてしまい、アイルと別れてしまいます。そのあと、寄りを戻そうと再びアイルの前に現れたときカイルとともに、撃退するところが痛快です。 そんなアイルの新たな恋の相手として、バレバレなのが、アイルを担当した新米女性カウンセラー。こっちのラブストーリーは都合よすぎでおまけ的なサブストーリーですね。それでもぎこちない対話がさらりと恋に発展していく過程はなかなか面白かったです。カウンセラーを演じているアナ・ケンドリックはとっても愛らしい女優さんで、アイルを癒す存在としてはピッタリでした。 やはり本作で目立つのは、アイル役のジョセフ・ゴードン・レヴィットの演技でしょう。病気が見つかる前のおどけた表情が、病気が見つかったとき、突如険しくなるのです。そしてその事実を受け入れていくなかで、ラストには安らかなものに変わっていきます。 その自然な演技はきっと共感してしまい画面に、アイルの気持ちになってストーリーを体験されることになると思いますよ。 シリアスに傾きがちな題材に程よいユーモアをまぶした脚本が秀逸。映画はフィクションですが、物語のベースとなっているのは、脚本家のウィル・レイサーがガンを宣告され、それを克服した実際の体験から着想されたそうです。
セス・ローゲンがよかった
セス・ローゲンのあふれんばかりの優しさが本当にすばらしく、こんな友達がいたらなーと思わずにいられなかった。いっぽうで主人公がまったく面白みのない人物で、なのにいい友達はいて、女にもそこそこもてているのが釈然としなかった。病気は治って欲しいと思ったけど、最後まで好きになれなかった。お話はあんまり面白くなかった。
パーフェクトな出来栄え
特にジョセフの表情がいい。 ガンの告知を受けたあとの無表情な顔。 “治療”でハイになったときのゆるんだ顔。 独りで過ごす夜の寂しそうな顔。 ナンパするときの照れたような顔。 そして、最後の笑顔がたまらない。 ジョセフの感情の起伏と セス・ローゲンの笑いで ぐいぐい引き込まれる。 観終わると、ほっこりいい気持ちになっていた。
全46件中、41~46件目を表示