劇場公開日 2023年10月27日

  • 予告編を見る

「実に壮絶だが独特の明るさにより救われる作品」アンダーグラウンド(1995) ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5実に壮絶だが独特の明るさにより救われる作品

2024年2月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ドイツのユーゴスラビア侵攻から逃れるべく、地下で武器をつくりながら15年もの間、
そこで生活を余儀なくされる人々と、その人々を騙して武器をつくらせつづける武器商人の話が軸だが
ここ最近で鑑賞した『哀れなるものたち』と『悪い子バビー』との共通点を見出してしまった。

地下で子どもが生まれ、ずっと地下で15年もの間過ごし、成長している子どもが
外の世界に出たときのまるで赤ちゃんあるいは幼児のような反応が
実にせつない。
やはり、子どもは育った環境や教育による影響を大きく受けるというのが、
戦術した別の映画との共通点だと思う。

ただ、そこはかとなく明るい雰囲気を周囲漂わせているのが
なんとも救いになっている。
それは音楽だったり、ちょっとした笑いの要素だったりするのだが、
物語の深刻性と相まって、実に良いバランスをとっていて
本作のクオリティを押し上げている要因とも言えると思う。

正直、フェイバリットかと言われると、そうではないのだが、
映画としてのつくりあがりは素晴らしいと思った。

戦争は今も昔も不幸しか生まない。

ひでちゃぴん