「『真実は肉体にやどり、芸術は嘘だ。』 正に! えっ!パルム・ドール??こんな映画だから、パルム・ドール何だね。」アンダーグラウンド(1995) マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
『真実は肉体にやどり、芸術は嘘だ。』 正に! えっ!パルム・ドール??こんな映画だから、パルム・ドール何だね。
似ている映画を思い出した。『まぼろしの市街戦』今一、ピンと来なかったって覚えている。まぁ、この映画は、
『酔っ払った奴らががなり立てる宴会を見続けるって感じ』かなぁ。
要は不条理なドタバタ映画。但し、ハリウッドのパイ合戦ポルカが出るような陽気なところは何一つ無い。
『かつて国があった』と言うが、それをどう思っているのか?それが分からない。勿論、立場によって違う訳だが、この監督がどの民族なのかわからないので、どうとらえて良いのか?分からない。彼はロマ族なのだろうか?そうならば、支配する国がどこであれ、そんなことはあまり意味が無い。そう考えるとこの監督のこの映画は、ロマ族を利用して、面白おかしく作った映画に見える。
ユーゴスラビアの社会主義はソ連の影響が薄い社会主義国であったことは、当時(昔)から有名で、チトーが率いる社会主義をルーマニアのチェウセスク(勿論、独裁者だろうが)と並んで、新しい社会主義ともてはやしていたと記憶する。何故なら、チトーは連合国側の援助で、パルチザン運動をやって、戦後いち早く、スターリンと決別している。さて、チトーが独裁者であって、大戦後の混乱が、チトーの責任だと単純に断定して良いのだろうか?
この映画では、共産主義の名の元、『そうだ』と語られている。僕は当事者ではないのでわからないが、イデオロギー(共産主義)まで、ここで論ずるのは些か勇み足だと思う。ましてや、幾人もの尊い命が奪われた内戦である。こんな面白くもないコメディで語ってもらいたくないと思った。やはり、男目線な争いの総括に見える。
やっぱり、この監督はセルビア人。つまり、旧ユーゴスラビアを良しとする側。そして、チトーはハンガリー人って記載されている。兎も角、セルビア人を今のロシア人見たく、言っていた時代もあったことは忘れるべきではない。
『共産主義は地下のようなものだ』と言ったセリフが出てくるが、ソ連もユーゴスラビアも共産主義ではない。この映画は、巧妙に作られたプロパガンダ映画の様な気がする。
あの差別映画(ジプシーの時)の監督ですか? なるほど、旧ユーゴスラビアの復活を望むセルビア人が、ロマ族やユダヤ人を擁護したり、理解を示す訳がない。