「美に殉死」ベニスに死す ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
美に殉死
ギリシャ神話の神様のような、輝く美貌のタージオ少年。子供と大人のはざま、もーほんとにギリギリのところ。つぼみが開き始めたばかり、といった繊細な美しさに、私の胸も撃ち抜かれちゃう。タージオ少年も母親も、変なおじさんがうろちょろして、気味悪がるかと思うと、それほど気になってないらしい。安心してください、手は出しません。
変なおじさんグスタフは、マーラーをモデルにしたらしいが、大地の歌くらいしか知らず、ちょっと検索してみた。なるほど、名指揮者であり、交響曲の幅を広げた人なんだ。天才だけにこだわりも強そう。子供が幼くして亡くなるのも、心臓が弱いのも、そのまんま使うのはどうかと思うが、風貌まで寄せてきてるとは、ヴィスコンティはマーラーに思い入れがあるのか? それはともかく、音楽は素晴らしく良かった。交響曲3番、5番らしいが、フルで聴いてみたい。
美しさは儚いが、脳内でなら鮮やかで消えることはない。永遠の美を抱いて、涅槃で待つ。
日テレの放送を録画視聴。
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