「The desolation of Smaug. 原作を離れピーター・ジャクソンのイマジネーションが溢れた一作。」ホビット 竜に奪われた王国 アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
The desolation of Smaug. 原作を離れピーター・ジャクソンのイマジネーションが溢れた一作。
「ロード・オブ・ザ・リング(以下LOTR)」の前日譚「ホビット」の第2作目、もともと短い話だった原作を三部作にしたため、この二作目からピーター・ジャクソンのオリジナル設定がかなり入ってきます。
原作ではなかったレゴラスとタウリエルの登場が最たるものでしょう。どちらもアクション要員として大活躍してくれます。LOTRより60年前の話のハズがレゴラスがちょっと老けちゃってるのはご愛嬌。現実ではLOTRから10年経ってるんで仕方ないです。今回から登場したタウリエル役のエバンジェン・リリー。テレビドラマ「LOST」のメンバーでその後一番活躍している感じがしますね。強くてやさしい隣のお姉さん的なポジションで、オッサンばかりの話に花を添えます。
ドワーフの面々も段々と個性が出てきました。リーダーのトーリン、イケメン恋愛担当のキーリとその優しいお兄さんフィーリ、ご意見番な老人バーリン、なんと言っても樽無双がインパクトあったボンブール、LOTRのギムリの父親でレゴラスにギムリの絵をからかわれるグローインなどなど。しかし一番中心になるはずのトーリンが単なるワガママ上司化している事が気にかかります。お前の国を取り戻しに行ってるんだろ?全部ビルボに丸投げしないで、もっとちゃんと働け!!
ストーリーは置いといて、とにかく映像が綺麗!ハイフレームレート(HFR)は最初は多少違和感があるものの観ている内に気にならなくなります。樽での川下りやスマウグの存在感を観ていると、こういう方面ではピーター・ジャクソンは本当に天才的だなーと感じます。樽ライドは本当にどうやって撮ったか不思議です。逆に恋愛要素はどう観ても苦手としてますね。キーリがタウリエルに後光を見る演出はもはやギャグです。
尚、スペシャル・エクステンディット・エディションでは大筋は同じな物のビヨルンとの絡みやトーリンの父親スラインの話が増えて物語に深みを与えています。どちらにしろ長い映画なのでせっかく時間かけて観るならSEEがお勧めです。
さて、「何て事やっちゃったんだ」というビルボの台詞でエンディングという近年多い続編物の中でも、かなり次が気になる終わり方をした今作。賛否両論はあるでしょうが、次回作に惹き付ける為にはかなり効果的だったのではないでしょうか?ピーター・ジャクソン、なかなかの商売人ですね!
再鑑賞履歴
2022/1/2
お正月休み中つ国再訪第2弾