「映像はいいのに、演技・演出は昔のまま」新少林寺 SHAOLIN Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
映像はいいのに、演技・演出は昔のまま
総合65点 ( ストーリー:70点|キャスト:65点|演出:60点|ビジュアル:90点|音楽:70点 )
蟷螂拳などの具体的な武術が出てくるのではないのが少し残念だが、今回は時代の渦に巻き込まれる少林寺の命運が描かれるのは良かった。美術には相当に金がかかっていて素晴らしい映像になっているし、格闘も過剰なまでに派手で見せてくれる。厳しい訓練をして体を張っているのがよくわかる。
だけど21世紀の作品だというのに、悪いやつがとことん悪くていい人は良くって、特に少林寺の僧はいい人ばかりで白黒はっきりとしているという単純さがそのまま。やたらと力が入った大袈裟な演技がやたらと目立ち、旧態依然のままの中国武術映画を金をかけて洗練させただけで、基本的な部分に40年前から変化があまりない。正義の僧たちが庶民の味方をして戦っているぞ、そこに力を入れて大げさな演技と演出をしているから、これを観て素直に感動するんだぞ、そんなふうに言われているようにも思える。でもそれがやはりくさくて説教ぽくて押し付けがましくて、出演者にも物語にもすっかりと冷めてしまった。
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