種まく旅人 みのりの茶のレビュー・感想・評価
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ベタな展開だけど、若き田中麗奈に免じて
陣内孝則の素性が最後まで分からないというベタなお話だけど、ほぼ年齢相応の田中麗奈の役どころが良かった。挫折して、父親の実家で自然と闘う。おおらかさと感謝、そんなものが感じられる変化。
茶の栽培があれほど大変だとは知らなかったなあ。何気なく飲んでいるけど、生産者に感謝したい。
農業の奥深さに少しだけ触れられた。
この映画マイナーだ。
レビューがいま、私で10件目。
農業の映画なんて地味だなあと
思いつつ、田中玲奈と明るいイメージ
があったので鑑賞しました。
実際に農業って地味です。本当に地道。
自分の口に入れるものの生産者さんの
思いなんて日頃考えたこともなかった。
思い入れがなければできる仕事じゃない。
お茶なんて味わって飲んだことなかったけど、この映画見たら、大事に飲みたくなりました。
興行的には全く収益がでると思えませゎが、こういう世界を教えてくれる
映画に感謝です。
いきなり行って20代そこそこの娘さんがお茶を栽培、製造するなんて、現実味はないのかもしれませんが、終始温かな気持ちで見る事ができました。方言もいい。
陣内孝則は昔のバラエティーの印象が強くて、チャラいオヤジの印象しかなく、
なかなか入りにくかったけど、深い言葉を語っていたと、思いました。
リアリティはわかりませんが、こういう農業など地味なテーマの映画も必要ですね。
序盤なかなかゆったりしてて、眠たくなりましたが、柄本明が倒れたあたりから、ストーリーが展開する感じ。
陣内孝則が水戸黄門みたい(笑)
こんないい官僚いないよね(笑)
田中玲奈が紅一点。好演です。
茶畑の金さん
ストーリーは悩める乙女のよくある自分探し、成長物語ですので女性好みの映画かも知れませんね。農水省のキャリアでありながら生産者に寄り添う奇妙な官僚を陣内孝則さんが軽妙に演じている。「金さん」の通称で爺婆からも慕われるが本職を隠すのでさながら茶畑の「遠山金四郎」的な可笑しさもある。田中麗奈さんは過酷な畑仕事をさせるにはあまりにも華奢で痛々しいがそのギャップが映画のテンションにもなっているのは見事なキャスティング、演出ですね。
映画の舞台となった有機栽培茶の農園は大分県臼杵市に実在する(高橋農園)。臼杵市は塩屋俊・監督の出生地でもあるから、本作は監督の故郷賛歌でもあるのだろう。
食の安全、安心ということで高橋農園の無農薬の有機栽培茶は映画の翌年に農水省の「全国環境保全型農業推進コンクール」にて生産局長賞(大賞の大臣賞に次ぐ優秀賞)を受賞している。
昔は有機栽培が当たり前でトマトは青臭かったし、きゅうりは苦かった、下肥などは不衛生極まるのに今日では有機栽培が安心というから皮肉なものだ。品種改良と化学肥料、農薬で収穫量は稼げたが味に個性が無くなった気もする、花魁と言う身の白いおいしいサツマイモも消えて久しい。昔ながらの野菜づくりは細々ながらプレミア化して生き残っていくのだろうか・・。
がんばれ日本茶。
私ごとだが、日本茶が大好きである。
一年中、お茶(ほぼ緑茶オンリー)を飲み続けている。
最近では、掛川産の深蒸し茶(NHKで宣伝されたのをきっかけに)
に凝ったりしているが、まぁ緑茶なら何でも大好きなのである。
(ですので、美味しいお茶があったら紹介して下さい)
さて。。。
タイトルが気になって仕方なかった。ところが上映時間が微妙。
う~ん、観れるか観れないか。と思っていたら、運よく観れた。
評価はさまざま。確かにかなりベタなドラマではある。
ただこの監督(塩屋俊)の作品は、いつも見る目が優しくて好きだ。
専門家やお茶農家の方からみれば、かなり甘いのだろうと思う。
こんな簡単に、しかもド素人に、美味しいお茶が作れる筈はない。
まぁお茶に限らず、農業ってそんな甘い仕事ではないし、
劇中でも描かれるが、傍からみてカッコいいとか、そういうレベル
で判断できる仕事ではないと思う。
ブームブームと世間では囃し立てるが、いとも簡単に作れるもの
ならば、誰が風評被害や天候被害に泣くというのだろう。
先の震災で東北関東圏の農家の方々は、かなりの被害を受けた。
農作物、畜産加工物、どれも人間の口に入るものは確かに安全が
確保されているべきである。
だけどやっとのことで出荷までこぎつけ、そこで廃棄せざるを得ない
決断を余儀なくされる状況というのは…。泣くに泣けないわな~。
今なぜこの映画なんだろう、と思った。
もちろん大分県臼杵市の美しさや素晴らしさを堪能するのもある、
が、農家の於かれた状況やその実態、農水省とどう絡むのか^^;と
素人には勉強できるところも多い。
ヒロインが右も左も分からない状況下で、地域の人々と解け合い、
苦しみながら成長する様子も心地良い。
都会なら独りでもなんとかなることが、田舎ではそうはいかないよ、
好むと好まざるに関わらず、人付き合いは地域の基本を学ぶ宝庫。
そこへ助け船を出すのが農水省のお役人…(爆)というわけだ。
絶対あり得ない~^^;と思いながら、でもこんな人がいたならと思う。
先にも書いたが、人間の口に入るものだから安全第一ではある。
それと並行して、少しでも美味しいものを作って届けたいと思う。
作り手と買い手の間に橋渡しをする存在が必要なのが観て分かる。
天候被害は自然の贈り物なので仕方ない(晴れも雨も有り難いよね)
だが風評被害というのはまったくもって許せない。
(あー新茶の季節♪今年も美味しいお茶がたくさん飲めますように)
美味しいお茶が思わず飲みたくなる、ホッと気持が柔らかになる嬉しい映画!
人が生きて生活する中で、本当の豊かさとは一体何だろうか?都会で仕事をしていると結果が総てという事になり(決して都会だけに限った事では無い)、自分の働いているその仕事が、どれ位の利益を上げることが出来ているのか?と言う事で、その人の仕事の価値が評価され、またその人自体の生きている価値が評価されている社会とは本当に、人間を、その人の人生を幸せで、豊かな人生にしているのだろうか?という今の経済原理の在り方の基準に一石を投じる映画であると書くと、堅苦しい、つまらない映画と思ってしまうが、これは、そんなタイプの教育映画では決してない!
特に、第一次産業である、農業と言う食糧生産業に於いては、その食の安全性と言う側面が一般消費者にとっては特に大切である。しかし一方生産者サイドからその事をみると、利益率の高い製品を生産し、しかも効率的に生産を可能にするためには、農薬漬にした、大量の農薬使用の作物の生産をしなければ商売として成立しないと言う、今の農家の現状
その農業の在り方も問題を投げ掛けるのだ。
この作品は、食の安全を追求して、無農薬栽培で生産する事に最大の価値と、誇りと喜びとを持って、生産に従事する、農家の人々の暮らしを描き、また地産地消で、安心安全性の確かな製品を循環型経済のサイクルとして、生産可能に向けて、その生産を試みる農家の人達の理想の姿を描いているのだ。
普通は、こう言う農業の理想的なモデルケースを取り上げ、映画で描いていくのは、ドキュメンタリー作品が多いのだが、あえてこの作品はフィクションのドラマ仕立てと言うのも、面白い描き方だと思う。
そして、この映画は私達が生きていく意味や、生き甲斐や、仕事の様々な価値、仕事を通して得られる人生の価値、人生の豊かさとは、本当はどうあるべきものなのか?等々、様々なテーマを問いかけている。だが、この作品の素晴らしい点は、多くのテーマを盛り込み過ぎてピンボケしてしまい、主題が分散して、何が言いたいのか全く理解出来ないと言う映画も多い中で、その心配には及ばないのだ。よく練られた素晴らしい脚本である。
そして農林省のお役人でありながら、農家の人々に寄り添い、農作業の現場を良く視て回り、実態を熟知している謎の人物を好演する、陣内孝則は、まるで「男はつらいよ」の寅さんを想い越すような親しみの有る、温かで不思議なキャラクターを演じていたのだ。
これからの「新しい価値観、豊かな生き方」を応援する、みると元気になるオーガニック・シネマの誕生!と言う、キャッチコピーであるこの映画、ひょっとして「種まく旅人」は、
どんどんと、日本の様々な地域の農業の在り方をテーマの軸に、そこで繰り広げられる人間模様を、旅人の目の通して描くドラマとしてシリーズ化するのかな?と言う期待感も感じられた、何処となく寅さんを彷彿とさせる人情喜劇のようでもあり、想像していたタイプの映画とは、良い意味で異なり、期待を大きく裏切る、大いに楽しむ事が出来た作品だった。今の日本に、少し明るい楽しさを運んでくれる緑の春風の様な映画である。
何気なく毎日飲んでいるお茶、その日本茶の生産にも深いドラマが有る事を知り、お茶の深く焙煎された香りの豊かさこそ、生産者の豊かな心の香りの表れである事を知って思わず、その美味しいお茶を、大切な人と飲む時間を持ちたくなる、今楽しくって、元気になる映画に出会えた喜びに感謝したい!
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