「今なお色褪せない超美麗SFホラー!」エイリアン 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
今なお色褪せない超美麗SFホラー!
TOHOシネマズで開催中の『午前十時の映画祭』にて鑑賞。
名匠リドリー・スコット監督の劇場映画第2作にして、言わずと知れたSFホラーの金字塔!
TVやDVDでもう何度観たか知れないが……
僕が生まれる以前の映画なので、当然映画館で観た事も無い。
これを劇場で観る機会なんて滅多にない!と喜び勇んで鑑賞。
いやー、やっぱ名作ですよ。
さすがに劇中のPCに映るグリーンの電子映像はちゃっちいが(笑)、
宇宙船内のセットや小道具は全く古臭さを感じさせない出来で驚愕。
それどころか、ミニチュアを駆使した特撮シーンは下手なCGより遥かに精緻で重厚だ。
異星人の宇宙船内の有機的デザインには生理的嫌悪感を抱かずにはいられないし、
もはや有名過ぎるエイリアンの姿も、光と闇が映える絶品の映像、
そして抑制の利いた演出と相俟って、今も十二分に恐ろしく美しい。
この映画を大スクリーンで観られるなんてあたしゃ幸せだよ……(何故かちびまるこ風)。
余談だが、顔に張り付くタイプの幼生エイリアンの解剖シーンについて。
とある雑誌で読んだが、あれは本物の貝や甲殻類の内臓を寄せ集めて組み立ててたんだそうな。
リアルな訳だわ。
ジェリー・ゴールドスミスの不穏なスコアも見事。
船内を埋め尽くす計算機・警報器や豪風の音も臨場感抜群。
さすがに何度も観ているから恐怖や興奮は薄れている筈だし、
実際それでスローテンポに感じる部分はあるのだが、
それでもこの色褪せない面白さ、美しさ!
いつの間にかスクリーンに呑み込まれ、釘付けにされている。
観た筈のシーンで顔を引きつらせている。
もう、ほぼ完璧なんじゃないかと思えるくらいに見事な映画。
まごうことなき傑作です。
SF映画が好きで、最寄りのTOHOシネマズで本作を観る機会がまだあって、
(全国のTOHOシネマズで上映時期が異なる筈だ)
なおかつ『エイリアン』をまだ観た事が無いという貴方。
うらやましい。うらやましいを通り越してうらめしい。
是非とも鑑賞をお勧めします。
午前10時から1日1回の上映なのでご注意を。
……て、なんか映画館からの回し者みたくなってきたな……。
さておき、現在極秘裏に制作されている同監督の新作『プロメテウス』は、
『エイリアン』の前日譚または姉妹篇に近い内容なのではと専(もっぱ)らの噂。
この機会に1作目を観直しとくのも良いかも知れませんよ。
<2011/11/27鑑賞>
きびなご様
今回の件、色々とありがとうごさいました。
さて、[エイリアン]はカットされた部分に色々な答えが隠れていて楽しいです。リプリーと船長が付き合ってたとか、その船長が寄生されて、リプリーに『殺してくれ』と頼み、リプリーが泣きながら実行する件とか。
更にもう一人の女性乗組員の死体のズボンが脱がされているという件は興味深いですね。
ま、とにかく、話しはつきませんが、[プロメテウス]の時にまた…もしかしたら、悪口だらけになったりして(笑)。期待せずに、観賞するつもりです。
それでは、また。
レンタルビデオ屋ハーヴェイ様!
お世話様です、きびなごです。
ご迷惑だなんてとんでもない! 僕が好き勝手書いてるだけなのでお気になされないでください。
こちらこそかえってご迷惑を掛けてしまったようで、申し訳ないです。
わざわざこちらにまでコメント入れてくださりありがとうございます。
あと、凄くは無いです。単なるグチの多い、めんどくさい映画ファンです(笑)。
さておきハーヴェイ様の解釈、面白いですね。
確かに温かみのある『愛』とは全く無縁の本作です。
ウロオボエなのですが、リドリー・スコット監督はかつて
「この映画のテーマは『恐怖』そのもの」みたいな事を語ったらしいですね。
一般的な意味での『恐怖』って、
自分の生命や社会的なポジションといった存在価値を脅かすもの
(あるいは脅かす可能性があるもの)に対して我々が抱く防御本能。
対して『愛』というのは
他者の中に自分の存在価値を見出だす事(またはその逆)と言えるのかしら。
『愛の欠如』と『恐怖』ってのは近しい間柄の言葉なのかも知れません。
……ま、僕が言葉をこねくり回してるだけかもですけど。
両者が入り雑じる映画にも勿論傑作はある訳ですが、
本作は潔いほどに純粋に恐怖のみを描いた映画ですよね。
愛らしいのはニャンちゃんくらい(笑)。
ハーヴェイ様も『プロメテウス』を鑑賞予定でしょうか?
イマイチ評価が低いのが気になりますが……
気が向いたらまたレビューなりコメントなりでご意見聴かせてくださいね。
長文失礼しました。では!
きびなご様
[スープ]の際はご迷惑お掛けして申し訳御座いませんでした。ご配慮、ありがとうごさいます。
どんな方なのかなと気になり、このレビューに辿り着きました。公開当時生まれてらっしゃらないと知り、お若いのに映画をきちんと観てらっしゃると驚きです。凄い方ですね。
さて、[エイリアン]は中学生時代に今は亡き新宿プラザで観賞して以来ずっと好きな作品として勉強してきました。公開版には、『愛』という要素がありません。わざと排除したのでしょうね。本来、映画には何らかの『愛』が必ず入ります。恋人だったり、親子愛だったり、○○フェチだったり…。なのに、この映画には、何かへの愛がありません。これは、凄い事です。私はこの点についてだけでも、この映画を支持します。
ま、本当はこれについての考察はまだまだ続くのですが、長いので退屈でしょうから止めておきます。
…とにかく、今回の[スープ]の件、きちんとお礼を言いたくて、お邪魔した次第です。色々とありがとうごさいました。
長文・乱文、お許し下さいませ。