エイリアンのレビュー・感想・評価
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シガニー・ウィーバー若い!
今観ても怖かったです。エイリアンは今観ても気持ち悪いし、昔作られた作品だけど、そんなに違和感なく観れました。所々2001年宇宙の旅を彷彿とさせる。。。現実逃避したい時にオススメ。
宇宙SFホラーの伝説はここから始まった。
最新作『エイリアン ロムルス』鑑賞前にBlu-rayで復習。
1979年の公開時私は高校生で、シガニー・ウィーバー(撮影時27〜28歳だったと思われる)に悩殺されたのだった。
カンヌ国際映画祭で審査員賞(新人監督賞)を受賞したイギリスのリドリー・スコットが、ハリウッドに招かれて撮った監督デビュー2作目にして出世作。
『2001年宇宙の旅』(’68)で、コンピュータだけがが極秘の指令を受けていて乗組員の生命よりもその指令を優先するというアイディアを参考にしたと、リドリー・スコットが語っていたのを何かで読んだ。
原案・脚本のダン・オバノンは、学生時代にジョン・カーペンターと共同で脚本を書いた低予算映画『ダーク・スター』(’74)(監督はカーペンター)で、宇宙船から投下する爆弾の切り離しに失敗し、その爆弾には“納得する理由がなければ爆発を止めない”という思考機能があるため、乗組員が必死に爆弾を説得する…という内容が『2001年…』のパロディーだと言われた。
宇宙貨物船ノストロモ号は居住エリアが白基調で、このビジュアル面にも『2001年…』の影響を感じる。
宇宙空間を巨大な宇宙船が往く構図は『スター・ウォーズ』(’77)以降スタンダードになったものだが、これも『2001年…』に起源がある。
映画のオープニングで、乗員が凍眠している無人状態の船内で何故かノートのページが風になびいている。
機関士が犠牲になる船内の加工場(?)で、雨のように水が滴っていて、高い天井(というか、天井がなくて外から光が射し込んでいるようにも見える)から長く太い鎖が何本もぶら下がって揺れている。
こういう宇宙船らしからぬヴィジュアルにリドリー・スコット独特の芸術性を感じる。
ノストロモ号を小惑星LV-426に向かわせる信号を発していたのは、巨大な異星人の死骸が化石化してしまっている宇宙船の残骸だった。
後続のシリーズではこの異星人の存在は無視されているが、リドリー・スコットがシリーズに復帰した『プロメテウス』(’12)でこれについて説明している。
最初、エイリアンは副船長の腹を破って出てきたから小さいくて素早いと思われた。それはそれで怖いのだが、猫を探しに行った機関士を襲ったエイリアンは巨大に成長していて、しかも背後に音もなく忍び寄る狡猾さなのだ。
人に寄生して宿主の体内で成長し、外に出てもなお脱皮して変態・成長するエイリアンの三段階変態のアイディアをダン・オバノンは構想の初期から持っていたらしく、彼のオーダーに従ってH・R・ギーガーが生み出したデザインは実にオゾマシイ。
さらに、成体の身体は金属質の黒鉄色で、それが保護色となって船の機材に同化してしまうのだからより怖い。ノストロモ号の船内はその映像効果を計算してデザインされている。(白に統一された居住エリアが映し出されることは、もうない…)
そもそも光がない宇宙空間はそれだけで恐ろしい。そこを航海する人が唯一支配できる空間のはずだった宇宙貨物船の中がクルーを拘束する場と化し、闇の中から化け物が襲ってくるという、この恐怖の舞台設定は周到だ。
ダン・オバノンの脚本を買い取ったウォルター・ヒルがデヴィッド・ガイラーとともに加えた改変は、アッシュをロボットにしたことと、男だけだった乗組員に女性を加えたこと。その女性の一人を主人公にしたのは、20世紀フォックスのアラン・ラッド・Jr.のアイディアだったと言われている。この改変がなければ、リプリーというキャラクターは生まれなかったのだ。
また、当初はウォルター・ヒルが自ら監督する予定だったらしく、そうだったら全くテイストの違う映画になっていたかもしれないし、これほどの成功があったかどうかは分からないのだから、伝説の作品は運命がそうなるべく導いたのだ。
リプリーの最後の戦い。
猫を寝かせてシャワーでも浴びるのかしらと思うほどに色っぽく身支度をしていると、“ほら、そこにいる!“
悲鳴を上げずに恐怖する女性の図としては、本作のシガニー・ウィーバーと『羊たちの沈黙』(’91)のジョディー・フォスターが双璧だと思う。
一人、また一人と登場人物が犠牲になっていく密室恐怖映画のパターンを、『スター・ウォーズ』で活劇の舞台として市民権を取り戻したばかりの宇宙に持ち込んだことに、当時は驚き、恐怖した。
「怖い」という評判が広まったために、逆に劇場へ行いかなかった人も私の周辺には多くいた。
宇宙SFとホラーをかけ合わせた新しいスタイルは、シリーズ化されただけではなく様々な亜流を生み出すテンプレートとなった。
ダン・オバノンとH・R・ギーガーとリドリー・スコットによるこの発明は、画期的だったのだ。
私の記憶が確かなら………………
『悪魔の受胎』(’81)というイギリスの低予算映画があった。日本でロードショー公開されたかどうかは知らないが、私は1985年に企画上映でこれを観た。
下品で非道徳的で陳腐な映画だった(内容はほとんど覚えていない)が、怖がらせ方だけは本家を超えていた気がする。
『エイリアン』が人の体に寄生するのを受胎のメタファー(エイリアンのデザインがペニスを彷彿させるため)だと評す意見があって、それをまんま頂いた映画だったが、実はこの映画の脚本はイギリスで『エイリアン』が公開される前に完成していたとのこと。亜流ではなかった…m(_ _)m
スター・トレックの『艦隊の誓い』にも示されている。
『エイリアン』を日本語に訳すと『宇宙人』とか『異星人』が一番分かり易い訳になるかと思う。また、
出て来るその異星人は怪物の様な『異様な生物』である。さて、『エイリアン』の意味に『異様な物』と言うのも存在するので、この映画の題名はそれで理解出来ると思う。
さて、
だがしかし、
その『異様な生物』の視点で考えると、この地球からやって来た人間と言う生物がエイリアンなんじゃないかと思う。
『縄張り』と言う考え方は生物である以上、全宇宙に通じる概念だと思う。
さて、この演出家はイギリス人である。アメリカのハリウッドから見れば、イギリス人も『エイリアン』なのかもしれない。
初見は池袋の映画館でロードショーで鑑賞した。『西洋人ってなんで余計な事するんだ』って思った事を思い出した。リプリーの考え方は『宇宙』に限らず当たり前。あえてディプリーの間違いを指摘するとすれば、最初から『縄張り』には近づかない事だ。それはスター・トレックの『艦隊の誓い』にも示されている。
要は干渉しないって事。
ベトナム戦争後のアメリカは、架空のドラマの中では、内政干渉を語る様になったが、現状は今も内政干渉を懲りずにやっていると見える。
『虎穴に入らずんば虎子を得ず』だが『君子危うきに近寄らず』だと思った。
追記
母船で10ヶ月かかるのだから、リプリーにとっては終末旅行だったんだと思う。
SFの歴史を変えた名作
異星人とのリアルなコンタクトを描いた「未知との遭遇」、宇宙の冒険アドベンチャー「スター・ウォーズ」と並んでSF映画の初期三部作の1つにもなっている名作だが、1979年の作品なんて存在すら知らない世代が増えて来たのは悲しい現実である。実際私も平成生まれの為リアルタイムで劇場で鑑賞した世代ではないが、リバイバル上映は勿論出向き、今の希望としてはIMAXで観たい位のファンである。何回観ても本作の完成度の高さに脱帽し、これを超えるSFホラーは今でも無いと断言できる。
H.R.ギーガーがデザインしたエイリアンことゼノモーフのビジュアルは一度見たら忘れられないインパクトがあり、エッグの状態から成体になるまでの過程も丁寧に描かれている為、誰が見ても宇宙最強の完全生物だと分かるだろう。
基本はエイリアンから逃げるか戦うかの攻防戦となる訳だが、今後のシリーズでも度々登場し、ゼノモーフさながらのブラック企業、ウェイランド社の陰謀だったり、初見だと驚く様な裏切りや、登場人物の意外な正体が明らかとなったりと、120分以内に収めた本編でぎっしりと詰まっている。また、本編では明かされない「スペースジョッキー」などのあえて謎のままにしているエイリアンの出所など、見応え十分な要素が多く用意されており、観客をどっぷりと世界観に浸れる様に良く練られている印象だ。
正直今観るとしょぼく感じる部分も当然あるが、今から百年以上も後の話なのに使っている機材がレトロ感満載なのも「味」として楽しめるのではないか。むしろそれだから良いという部分も当てはまるだろう。現代の思い描くSF的世界観でエイリアンが暴れるのも良いが、どこか古臭くて薄暗いディストピア的描写の方がよりゼノモーフの存在を引き立たせてくれるのではないか。
2003年にディレクターズカット版が公開されているが、劇場公開版では安否不明だったダラス船長が登場する等のシーンが追加されたりしている。勿論両作品とも鑑賞済みだが、どちらも無駄の無いストーリー展開であり、この先も語り継がれてほしい名作だと思う。
何度見ても面白い
一番最初はテレビで見て、レンタルでも見て、最後は午前十時の映画祭で初めてスクリーンで見た。その時は、エイリアンの動かなさがひどくショボく感じた。今回はレンタルDVDで見る。エイリアンは振り向くとそこにいる、みたいなびっくり場面で登場する。両手をあげたポーズがキュートだ。ノストロモ号の搭乗員がやたらと待遇や賃金に愚痴を言う。リプリーは途中まであまり目立たない。若くてかわいい。アンドロイドのアッシュは最後燃やされる。
タイトル画面カッコイイ!
タイトルロゴの出かた!宇宙船造形!なんてカッコイイ…
エイリアンの造形ばっかり印象にあったけど、映画として多方面から良作でした。
あと何よりネコ。ネコ演技してるネコ!
エイリアンも、隠れて飛び出したりびっくりして逃げたり欠伸したり、扱いがネコ。
ジワジワ来る恐怖‼︎
ロムルスを観たので過去作も観ようと思いまず1作目を観ました!
ロムルスと一緒でエイリアンはやっぱり怖いし、気持ち悪かった!
ロムルスを先に観ていたので、ロムルスのあのシーンはこのシーンをオマージュしてたのか!とかあのキャラクターが出てる!などこういう感じでも楽しめました!
古い映画ですが、名作と言われるだけあって今観ても完成度が高いと感じれてとても面白かったです!
アバター、前日譚
「エイリアン ロムルス」の予習。
リドリー・スコットと云えば、「テルマ&ルイーズ」や「最後の決闘裁判」みたいな、一風変わった人間ドラマのイメージが強く、実はスコットのSFものはこれが初めて。「ブレードランナー」も「オデッセイ」も、こんだけ映画見ておいて未だに見たことないんだよねぇ...。
まあそもそもSFが苦手だから本作もハマるか不安だったんだけど、かなりホラー色が強くて、しかもとても70年代の思えず、これぞ映画!って感じてすごく楽しめた。金字塔と言われるだけある。時代と技術が合っていない笑 45年前でこのクオリティ、そりゃ衝撃的だっただろうな...。
この特撮感溢れるエイリアンのビジュアルがもうたまんないんだよね。目がなく、口元がリアル。しっかりとした歯並びに、異常な唾液量。そして血液は金属や皮膚を溶かす強酸性。見た目から入り、身体的な特徴までも恐怖。こんな奴に出会ってしまったら、最期。見ている側も冷や汗が滴る。こんなゾクゾク、なかなか体感出来ないから本当に楽しかった。登場シーンが少ないのにこのインパクト。いやぁ、すごい。またエイリアンに出会うために、何度も見てしまうんだろうな。名作たる所以。
ただ、エイリアン以外のシーンは結構冗長で少し眠たくなった。終盤の畳み掛けも弱くて、ストーリー的にはあんまり好きじゃなかったかな。シガニー・ウィーバーを見ると「アバター」を思い出すのは、自分だけじゃないはず。後の2をジェームズ・キャメロンが撮ることも考えると、これはアバターの前日譚だったのか?と思ったり...。
真のリーダー
この時代に、女性をここまで力強く描いているとは。
そもそもリプリーは軍人ではありません。だだの航海士です。
しかし聡明で勇気がある彼女だけがエイリアンとの闘いに生き残ります。
主人公が男だったなら、この作品はレジェンドにはなりえなかったでしょう。
リプリー、ラスト・サヴァイバー・オブ・ザ・ノストロモ
1979年7月21日公開初日に新宿プラザ劇場で「エイリアン」と遭遇した。あれから45年、「エイリアン:ロムルス」観賞を機に、BDで再観賞(TV他で何度も観ているけど)。
画面中央に縦線が1本、また1本。5本の線が並びそして、それが変化すると「ALIEN」のタイトルが現れる。当時は斬新だった。
宇宙貨物船ノストロモ号は7人の乗員と2000万トンの鉱石を積んで地球へ帰航中。のはずだったが、冷凍冬眠から覚めたクルーは自分達が地球付近では無く、発信者不明の信号を傍受した制御コンピュター”マザー”により進路を変更され遙か彼方の宇宙にいる事を知る(クルーが宇宙船内なのにタバコを吸いすぎるな、45年前には電子タバコの発想は無いね)。
しかし、2000万トンの鉱石積載した宇宙貨物船ノストロモ号ってどんな大きさなんだ?しかもクルーが7人、効率がいいのか、ウエイランド社がケチなのか。ヤフェット・コットーとHDスタントンはボーナスの話ばかりしている。
発信元の直径1200kmの小惑星に着陸し、調査すると卵状の中にいた見たことの無い生物にJ・ハートが襲われる。船長T・スケリットは宇宙船に連れ帰るが、リプリー(S・ウイーバー)はエアロック解除を感染等防止の観点から拒む(この対応は正しい。彼女は規定どおり24時間隔離を主張する)が、アッシュ(I・ホルム)が解除して船内に入れる。アッシュはリプリーが分析した信号はSOSでは無く警告のようだという報告を着陸し調査に向かったクルーに連絡しないなど不審な動きをみせる。
顔に張り付いていた生物は切除しようとすると強烈な酸を放出し、宇宙船の床を2階層通過してしまう。これでは剥がす事は出来ない。生物は顔に張り付いたまま脱皮し、シリコンを吸収しているとアッシュが分析するが、いつの間にか顔から剥がれて死んでしまう。しかし、生物はJ・ハートの体内に卵を産み付けており、内蔵を食い破って現れるが船内に逃げてしまい、脱皮を繰り返して巨大化した生物(エイリアン)はクルーを次々と襲い始める。
アッシュが人類が初めて遭遇した地球外生物にこだわりを見せる中、リプリーはマザーにチャットでウエイランド社の指令を確認する(キーボード入力やブラウン管調のモニターなのが1979年だな)。ウエイランド社の指令は「生体標本の持ち帰りを最優先し、乗員等は場合により放棄してよし」というものだった。
このことで(編集ミスか?リプリーは既に鼻血が出ている)アッシュと小競り合いになるとリプリーはアッシュに殺されそうになり、止めようとヤフェット・コットーがアッシュを倒すとアッシュは壊れる。彼はアンドロイドだった。彼の最後の一言は「君たちは生き残れない」
アッシュが牛乳(若しくは白い液体?)を飲んでいるがその理由の説明がない。例えば、8マンが特殊タバコをすっているのは超小型原子炉を冷却するためだ(例えが古いぞ)。
壊れたアッシュは白い液体にまみれている。牛乳のはずはない。アンドロイドなら飲まなければ良いだけだ。
エイリアンを船内に残し宇宙船ごと爆破しようとするが、シャトルに乗り移る前に残りのクルーはエイリアンに殺られる。自爆装置を起動して間一髪シャトルに乗り移ったリプリーはノストロモ号が爆発するのを見る。やっとエイリアンを葬ったと安堵するリプリーだったのだが、・・・。
無音の演出が凄いと思った。宇宙の静けさが感じられ、無駄に音楽を付けずに怖さが十分に感じられる。この時点(初公開初日時点)では、エイリアンに関する情報があまり無かったので、不気味さが最高に感じられた。完全変態の宇宙生物も45年前は相当新鮮だった
最後の通信が「ノストロモ号の他の乗員は全員死亡した、6週間後に銀河系に到達するので回収を期待する。リプリー、ラスト・サヴァイバー・オブ・ザ・ノストロモ」だった。
「おいで、ジョーンズ」どこへ行くか判らない猫を宇宙船内で飼っててもよいのかな?
太陽系どころか銀河系の外かい、遠いにも程がある。ということはロムルスも銀河系外にあったという事になる。「エイリアン2」でリプリーが地球に戻るのが57年後の設定だとすればあと37年。1と2の間のケイリー・スピーニーのエイリアンシリーズはまだ作られるのか。
トラウマ級
この映画との出会いは、むかし久々に幼馴染みの友と会い、無料券貰ったからと何も知らないまま田舎の映画館に連れて行かれ、かなり前よりの席に座って観せられた…
余りに怖くて恐ろしくて忘れられない作品となった
ある意味トラウマ級でそれ以前に観た「悪魔のいけにえ」や「ジョーズ」「エクソシスト」に匹敵した
その後、前よりの席で鑑賞するようなってしまった
リドリーはこの後ヒットメーカーの巨匠となって行く
この過程は「ターミネーター」を作成しこの後の「エイリアン2」の監督となったキャメロンにも受け継げられている
この作品を映画館でオンタイムに鑑賞出来た幸運に感謝すると共にこの様な映画体験が中毒となってしまった
しかしそれらを観てしまった為、最近の米国映画のつまらない事くだらない事
嘆くばかりである
『エイリアン:ロムルス』を公開初日に観て、その後自宅で再鑑賞。 何...
『エイリアン:ロムルス』を公開初日に観て、その後自宅で再鑑賞。
何回観てもシガニー・ウィーバーの真剣な顔がいいですね。
マザー・コンピューターとチャットする白い部屋はやたらとピカピカして画面が小さくてチープ。登場は大きなモニター(ディスプレー)がなかったからだろう。それと煙草吸い過ぎ。
そういえばリプリーが起爆装置のキャンセルが間に合わなかった時に「 You Bitch!」とマザー・コンピューターに怒鳴っているのに今更気付いた。キャメロンの2作目はオマージュしたのかな?
「Get away from her, you bitch」
子どもの頃テレビで観てた当時の感想↓
「宇宙船に猫がいるんだー」
「まるで巨大な工場内の様な船内」
「乗組員が工場の作業員みたいな服装」
「宇宙船内が水漏れ?雨漏りみたい」
「なんでリプリー突然に鼻血?」
「アッシュ牛乳飲み過ぎ?!」
「やっぱ船内無重力を描くのは難しいのだろう」
SFホラーというジャンルにおける金字塔
巨匠リドリー・スコット監督が手掛けた、SFホラーシリーズの原点。
とても1979年作とは思えないその斬新な世界感、エイリアンの造形。
アイデアとデザインがもはや神がかっている。
近代作品と比べたら映像や音楽が劣るのは仕方のない事。
それよりも年代を考えたら驚かされる部分が多い上に戦う強い女性を描いた先駆け的な作品でもあり、間違いなく新しい風を呼び込んだ映画と言っていいと思います。
やはりここに帰って来てしまうのか。
最初に見たのは、今はなき池袋のテアトルダイヤで2本立ての1本だった記憶がある。もう一本はとうの昔に忘れた。それくらい衝撃的な映画だった。
棒状の図形?がだんだんとAILENの文字になっていくオープニングから、何か異常事態が起こってコールドスリープから順番に目覚めていくノストロモ号のクルーたち。給料や待遇に文句を言いながら食事を取る現代のサラリーマンにも通じる和やかな風景。そして…
今更ストーリーをあれこれ言うのも何なのだが、腹を食い破って出てくるエイリアンの幼生体が一瞬動きを止めてあたりを見渡した後に一直線に走り去っていくシーンは、ほとんどクルーたちと同じ恐怖の中で見ていた。
恐怖と作品の虜となり、もう逃げられない
私なんぞが説明するまでもないSF映画の名作。
SFとホラーを融合させ、今後もこれを超える作品は現れないであろう、同ジャンルの金字塔。
リドリー・スコットにとっても本作と『ブレードランナー』でSF映画史に足跡を残した。
元々リドリーにSFやホラーのセンスがあったかはちょっと疑問。その後の作品を見ても、この御大はダイナミックで硬派な作品がスタイル。
やはり本作は、H・R・ギーガーによるエイリアンのデザイン、ラヴクラフトのクトゥルフ神話を彷彿させる世界観を創造したダン・オバノンの脚本によるものが大きい。
リドリー御大にとってたまたまの巡り合わせだったかもしれない。しかしそれを、見事自分のものにした。それも才だ。
『2』のジェームズ・キャメロン印のミリタリー・アクション、『3』のデヴィッド・フィンチャー印のサスペンス・スリラー、『4』のジャン=ピエール・ジュネ印のダーク・ファンタジー…。シリーズ化されてからは各監督の色が反映されているのが非常に面白い所。
エンタメ性は抜群に『2』だが、完成度やクオリティーは圧倒的に本作。
スペースジョッキーの美術は荘厳ですらある。エッグ、フェイスハガー、チェストバスターの不気味さ。未知の生命体の究極とも言えるゼノモーフのインパクト…。
ノストロモ号のセットも素晴らしく、我々ももう一人の乗組員となってそこにいる感覚に陥る。
『スター・ウォーズ』でSFX時代が到来して間もない1979年。全く古臭さを感じさせないSFX技術。
主題曲の作曲だけでも一ヶ月を費やしたというジェリー・ゴールドスミスの格調高い音楽。
そして、本作の見せ場である見せない演出。暗闇の中から、突然背後から…。嗚呼、ギーガーによるデザインをもっとよく見たいのに…! しかしそれがより好奇心と恐怖心を煽る。
各々が才気が炸裂し、相乗した。
実は私にとって、トラウマ映画の一つ。初めて見た時が中学生か小学生高学年の頃。
人間の胸を突き破って現れるチェストバスターに受けた衝撃…! 以後敬遠してしまった。暫く経ってから改めて見たら、作品の完成度に感嘆。
もう一つ。白い体液まみれのイアン・ホルムも…。
ちなみに私のトラウマ映画/トラウマシーンは、『スプライス』、『ロボコップ』でピーター・ウェラーが蜂の巣にされるシーン、そして本作である。
45年前。シガニー・ウィーヴァーの若い事! 今でも凛とした美しさ。今、何歳…?
ゼノモーフのモチーフが男性器である事は有名。
ラスト、エロチックな下着姿のリプリーに襲い掛かり、何かを連想させる。このおぞましさが、『エイリアン』の不気味さ、恐ろしさでもある。
将来、人類が本格的に宇宙に進出した時、こんな生物と恐怖に遭遇したら…? それをダイレクトに描き、100%絵空事ではない…かもしれない。
唯一生き残り、エイリアンを倒したリプリー。脱出シャトルのコールドスリープで宇宙を漂い、救助された時再び…!
それとはまた別の場所で、奴と遭遇したクルーたちが…。
0180 平凡パンチが世界に告知される。
1979年公開
ハリウッド初のスプラッターホラー。
このシーンは正直ビビりました。
宇宙服のファッションが当時の若者層風で
SFといえば制服という概念を覆す。
世界観を覆うデザイン的もすぐれており
特にギーガーの登板は人間の心理面まで迫って画期的。
物語の伏線も見事でほとんど謎として投げっぱなしなのだが
クリエイターの思考が次回作にて拡がっていく情況は
素晴らしい。
卵から幼虫が取りつく。
生まれる。
攻撃したら酸を出す。
ユタニ社はなんかあったら地球に回収せよ、の指示
忠実に守るアンドロイド。
こんなシナリオよく完成したと思う。
これ以降リドリースコットの期待感が爆上がりになる。
95点
1979年7月31日 OS劇場
パンフ購入
サスペンス三段活用
1979でこの質感は驚異的です。
SFの名作ですが、ストーリーが単純でセリフが少ないゆえに演出の腕が問われます。
何といってもサスペンス→スリラー→ショッカーの繰り返し、その間の取り方と静と動の絶妙なバランスが名作たらしめた要因でしょう。
一般的にはショッカーが目を引きますが、強固で安定したサスペンスの基盤故です。
逃げ場のない宇宙船のなかで、襲い来る未知の生命体=エイリアンの恐怖...
逃げ場のない宇宙船のなかで、襲い来る未知の生命体=エイリアンの恐怖を描いた、SFホラーの金字塔。「デュエリスト 決闘者」で映画監督デビューしたリドリー・スコットの長編監督第2作で、世界的ヒットを記録。エイリアンと戦う航海士リプリーを演じたシガニー・ウィーバーの出世作にもなった。
地球を遠く離れた広大な宇宙で就業していた宇宙船ノストロモ号は、ほかの宇宙船からの救難信号を受けて、未知の惑星に降り立つ。そこには異星人の宇宙船があり、船内には卵のような謎の物体があった。その卵の中から奇怪な生き物が飛び出してきて乗組員に寄生し、やがてそれは宿主の腹を食い破り、ノストロモ号内に潜伏。その後、成長した宇宙生物は乗組員をひとりまたひとりと抹殺していく。生き残った女性航海士リプリーは、逃げ場のない閉鎖された宇宙船内で、たったひとりで絶望的な戦いを繰り広げることになる。
エイリアンの特徴的なデザインは、スイス出身の画家・造形作家のH・R・ギーガーによるもの。リプリーを演じたシガニー・ウィーバーは本作以降「エイリアン4」までシリーズ4作に出演。
エイリアン
1979/アメリカ
配給:20世紀フォックス映画
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