「モンスターよ 大志を抱け」モンスターズ・ユニバーシティ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
モンスターよ 大志を抱け
数あるピクサー作品の中でも、「モンスターズ・インク」ほど続編が作り難い作品は無い。
何故なら、前作が見事に完結しているからである。
どう続編を作るのかと思ったら、流行りの“エピソード0”。
それが功を奏した。また「モンスターズ・インク」が見たくなってしまう心憎い作りなのである。
マイクとサリー、憧れのキャンパスライフ、大騒動編。
名コンビとなるマイクとサリーだが、最初は出会いも相性も最悪。
努力家のマイクと俺様のサリー。ことごとく衝突する。しかも二人共、自信家なのだから手に負えない。
この二人がどうやって名コンビになるに至ったかが最大の見所。
あるトラブルで“怖がらせ部”を追い出され、怖〜い学長に目を付けられてしまう。
部に戻るには、“怖がらせ大会”で優勝する事。
不本意ながらも組む事になったマイクとサリー。さらに、同じチームの面々が全然怖くない。
大ピンチ!
しかし、ここから頑張る。
怖くない面々の個性を活かす。
マイクとサリーもお互いの欠点を補い合う。
落ちこぼれでも夢を見たっていいじゃないか。夢の叶え方もそれぞれ。
そうやって築かれた友情は何より固い。
マイクとサリーのライバルとなるランドールはマイクのルームメイトだった。何故彼がひねくれ者になったかも描かれる。
新キャラも個性的。特に、怖〜い学長は“クィーン”のような存在感。
「ワゾウスキ、報告書、まだなの〜?」の台詞でお馴染みのあのキャラもしっかり出演。
夢を持つ事の大切さ、努力する事の尊さ、真の友情などを教えてくれ、映像のクオリティの高さは前作以上。
今回も安心して楽しめるピクサー作品。
…だけど、楽しさは充分伝わって来るが、前作ほどの感動は無い。
勿論、マイクとサリーの芽生える友情には感情移入してしまうが、やはり前作のブーの存在は大きい。
このイレギュラーの存在が、モンスターたちや映画に影響を与えていたのだから。
それから、ピクサーの続編映画の締め括りにはいつも同じ事を言っているが、ピクサーの続編企画はもうそろそろ…。
ピクサーはオリジナルで見たい!
エンドクレジットが流れても帰らぬように。
おまけ映像として、一生懸命走ってたあのモンスターが遂に…!(笑)
恒例の同時上映短編は、「ブルー・アンブレラ」。
街中の物が顔に見えてしまう事必至!