劇場公開日 2012年1月14日

ロボジーのレビュー・感想・評価

全66件中、1~20件目を表示

3.5【77.6】ロボジー 映画レビュー

2025年10月12日
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鑑賞方法:VOD

作品の完成度
矢口史靖監督が得意とする、日常のささやかな嘘やミスから始まるドタバタ喜劇の王道を行く作品
設定の奇抜さに対して、登場人物の感情や行動がリアリティをもって描かれている点が特筆すべきであり、コメディとしてのクオリティは極めて高い
物語中盤以降、単なる笑いだけでなく、孤独な老人・五十嵐信次郎が「ロボジー」という偽りの姿を通して生きがいを見つけていく過程に、温かさと感動が生まれる
説明的なシーンを排し、キャラクターや状況をスマートに提示することで、テンポの良さを維持
しかし、終盤の倫理的な問題や、嘘をついたことへの「代償」が曖昧に処理されている点については、一部批評家から指摘がある
全体としては、荒唐無稽な設定を大真面目に演じる俳優陣の力もあり、日本映画ならではのほっこりとした最良のエンターテイメントとして高い完成度を誇る
監督・演出・編集
矢口史靖監督は、本作でもその手腕を遺憾なく発揮
ユーモアと人情味を巧みに融合させ、観客を物語に引き込む
特にロボット開発に失敗したダメ社員3人のグダグダ感や、五十嵐信次郎の不機嫌ながらも調子に乗ってしまう老人の心情描写は、矢口監督らしい人間味あふれる演出
編集は宮島竜治が担当し、コメディ映画として重要なテンポの良さ、リズミカルなシーンの切り替えが効果的
ロボットの中の「じいさん」のぎこちない動きが、二足歩行ロボットの未完成な動きと重なるという発想の勝利であり、その動きの愛らしさを最大限に引き出す演出が秀逸
キャスティング・役者の演技
五十嵐信次郎(役:五十嵐信次郎)
主演
長年、地味で孤独な日々を送る、頑固で不機嫌な独居老人という難役を、ミッキー・カーチス(本作では五十嵐信次郎名義)が超ナチュラルな演技で体現
失礼ながら、自身の見られ方を冷静に計算し尽くしているかのような、味わい深い存在感は他の追随を許さない
ロボット「ニュー潮風」の中に入って世間の注目を浴びることで、再び生きる喜びを見出す老人の心理を繊細に演じ切り、笑いと感動を両立
特に、誰も信じてくれない現実と、「ロボジー」としてチヤホヤされる麻薬的な魅力に引き付けられる様は、観客の心に深く刺さる
吉高由里子(役:佐々木葉子)
助演
ロボットオタクの女子大生という役柄を、持ち前の「変態度」とも評された個性を活かし、コミカルかつ魅力的に演出
オーディションで勝ち取ったという役だが、その独特の空気感とスイッチの切り替えの速さが、オタクの純粋さと情熱を見事に表現
「ロボジー」に熱狂する姿は物語の推進力となり、その麻薬的なかわいらしさが作品の難点を補って余りある
濱田岳(役:小林弘樹)
助演
家電メーカーの窓際社員トリオの一人
失敗したロボット開発をごまかすために奔走するダメ社員としての、間の抜けたコミカルな演技が光る
真面目な顔をして荒唐無稽な状況に対応しようとする姿が、作品のコメディ要素を底上げ
川合正悟(役:太田浩次)
助演
家電メーカーの窓際社員トリオの一人
小林や長井と共に、嘘が嘘を呼ぶ状況に巻き込まれる普通の若者を等身大で演じ、観客に共感を呼ぶ
3人の社員のグダグダ感が、緊迫した状況とのギャップを生み出し、笑いにつながっている
小野武彦(役:伊達社長)
助演
家電メーカーの社長
クレジットの最後近くに登場するものの、その貫禄と存在感で作品を引き締める
社員の失態に振り回されるが、どこか憎めない、お人好しな社長を演じ、ダメ社員トリオとのコミカルな対比を見せる
脚本・ストーリー
矢口史靖監督によるオリジナル脚本
「ロボット開発に失敗した社員たちが、壊れたロボットの着ぐるみに老人を入れてごまかす」という、非常にユニークで荒唐無稽なアイデアが核
嘘から始まった物語が、老人にとっての「生きがい」へと発展していく展開は巧妙
設定の面白さに加えて、孤独な老人の再生というヒューマンドラマの要素が加わることで、単なるドタバタコメディ以上の深みを持つ
観衆の予想を次々裏切る練られたシナリオ構成は、ハリウッド映画にも通用するプロットであるとの評価もある
ただし、上述の通り、倫理的な問題が軽く扱われている点は、物語の整合性を求める観客にとっては気になる要素ともなりうる
映像・美術衣装
特撮やVFXに頼りすぎず、手作り感あふれる着ぐるみロボット「ニュー潮風」の造形が、この作品の大きな魅力
「ニュー潮風」のレトロで愛嬌のあるデザインは、美術担当の新田隆之、装飾の秋田谷宣博らの手腕によるもの
カメラは柳島克己が担当し、日常的な風景を丁寧に捉えつつ、ロボットの登場による非日常をコミカルに描写
衣装も、家電メーカーの社員の地味なスーツ姿や、ヒロイン葉子のオタクファッションなど、キャラクター設定を補強するリアリティを追求
音楽
音楽はミッキー吉野が担当
コメディの軽快さと、老人の心情に寄り添う温かさを併せ持つサウンドトラックを提供
主題歌は五十嵐信次郎とシルバー人材センターが歌う**「MR.ROBOTO」**であり、これはアメリカのバンド、スティックスが1983年に発表した楽曲のカバー
この主題歌が、物語のテーマである「ロボット」と「老人の再生」を象徴的に彩り、作品の印象を強めている
受賞・ノミネート歴
第31回香港国際映画祭「I See It My Way」部門、第5回金馬ファンタスティック映画祭「Nippon Gone Crazy」部門、第16回ファンタジア国際映画祭、第45回シッチェス・カタロニア国際映画祭「Official Fantastic Competition」部門など、海外の主要な映画祭で上映・ノミネートされている
作品
監督 矢口史靖 108.5×0.715 77.6
編集
主演 五十嵐信次郎B8×3
助演 吉高由里子 B8
脚本・ストーリー 矢口史靖 B+7.5×7
撮影・映像 柳島克己 B8
美術・衣装 新田隆之 B8
音楽 ミッキー吉野 B8

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honey

3.0五十嵐信次郎の演技力

2024年8月30日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

言わずと知れたミッキー・カーチス氏の超ナチュラルな演技に感心しきり。
失礼を承知で書きますが、自身がどう見られているかを冷静に計算して、演じているとしか思えません。
おとぎ話的に良く出来たストーリー。荒唐無稽ですが、出演陣が大真面目に演じることで、リアル感を出していると思います。
むしろハリウッド映画向きのプロットと思いました。
エンドロールは、続編への布石か…

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うそつきかもめ

3.0壊れたロボットをごまかすために、ロボットの中にじいさんが入ってしま...

2022年6月20日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

壊れたロボットをごまかすために、ロボットの中にじいさんが入ってしまうという。
じいさん、だんだん調子に乗ってきてしまいますが、ダメ社員のグダグダ感も笑えます。
軽く楽しめる感じで丁度いいです。

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よっしー

3.0設定が面白い。 楽しく見れると思います。

2022年2月5日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

楽しい

設定が面白い。

楽しく見れると思います。

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カネナカ

4.0ふてぶてしいジジイ最高

2021年8月3日
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鑑賞方法:映画館

年寄ものに弱い私にとっては
ジジイ×矢口史靖監督 っていう組合せ、面白い匂いしかしない。
ということで鑑賞しました@TOHOシネマ渋谷。

老人ものって、みじめさとかさみしさで同情を誘いつつスパイスにする作品が多いのだけど、
本作はミッキーカーチスのふてぶてしい老人演技が、やもめ爺のみじめさをぼやかしてて、本当に気持ちがいい。
憎たらしくて同情しきれない。笑
ストーリー展開も面白くて、安心して笑える作品でした。

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sannemusa

3.5ロボジー

2020年12月11日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

しょうもないけどホッコリする映画。
大学生がアホなことを頭良さげにやってたシーンは良かった。嘘から技術が進んでいく?
登場人物全員がとことん馬鹿で逆に良い。
吉高由里子がはまり役

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ABCD

5.0日本でしか作れない最良のエンターテイメント

2020年8月12日
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鑑賞方法:映画館

非常に良く練られたシナリオで、観衆の予想をつぎつぎに裏切ってくれます。

ロボットのなかに爺さんが入るという、ま、ある種、ベタな思いつきがスタート地点であっても、お爺さんをロボットの中に押し込めるまでのシナリオにも違和感がまったくありません。

そのあと次々に起きる事件も、ユーモアも満載でありながらドタバタ劇ではなく、高齢化社会の持つ意味までしっかりと問うています。
社会への問題意識を全方位に持った作り手による、素晴らしい作品に仕上がっていました。

ロボット最先進国の日本にして、
サブカル最先進国の日本であったからこそ成立した映画で、5年前では成立しなかったし、5年後でも成立しないであろう、時宜を得た作品でした。

爺さん役が、上手い上手い。
あとで知ったのですが、元・ミッキーカーチスさんなんですね。
さすがでした。

場内から笑いが絶えませんでしたが、子供でも大人でも、もちろん爺さんでも安心して見られる素晴らしいエンターテイメントでした。

重要なシーンが実はいずれも伏線となっていて、最後の思いがけないハッピーエンドに結実するなんて、お見事、アッパレな手腕だとしか言いようがありません。

これなら、字幕で海外で配給した場合でも、一定の配給収入を得られるんじゃないか、ハリウッド製の映画にも負けない力があるなと感じたのでした。

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お水汲み当番

5.0好き

2020年5月21日
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あまり頭を使いたくないな~って時にもってこい(^ω^)
頭真っ白で笑える映画。終わり方も好み!

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まる

4.0ロボットの中に人間が入るという馬鹿馬鹿しさがおもしろい。 そして、...

2020年5月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ロボットの中に人間が入るという馬鹿馬鹿しさがおもしろい。
そして、いつまでもごまかし続けるのではなく、勉強しながら本物のロボットを開発するという展開。
ただ、最後はまた人間に入ってもらうことになるというオチも笑えた。
いつばれるのだろうというほどよい緊張感がよかった。

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省二

3.0微妙ですね

2020年3月20日
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ロボット開発につまづいた開発チームが着ぐるみロボットでその場しのぎで、くぐり抜けるコメディ映画。あんま面白くなかったかな…

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たけさん!

3.0造形が好み

2019年9月23日
スマートフォンから投稿

造形が好みです。内容は自律型ロボットが完成したという嘘から始まる中身おじいさんの嘘を守り通すドタバタ劇。正直つまらなくもないけど面白くもないですが肩肘張らずに最後まで観れました。

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yagifuto

4.5矢吹監督のコメディセンスをミッキー・カーティスが見事に演じた邦画コメディの佳作

2019年6月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

 ミッキー・カーティス(映画では、本名の五十嵐信次郎名義)がひょんなことから段ボール製のロボットに入り、似非ロボットを演じることから始まるおかしな物語。

 吉高由里子演じるロボットオタクの女子大生もこの物語の可笑しみを増幅させている。

 良質な邦画オリジナルコメディ作品である。

<2012年1月14日 劇場にて鑑賞>

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NOBU

5.0チャンカワイの演技が素晴らしい

2018年12月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

これは正直メチャクチャ面白い!ミッキー・カーチスがロボットになるまでの心の動きを直接的な台詞一切なしで描き切ったところは監督が脚本も兼ねているからできることかと。ミッキー・カーチスがチラッとライバル意識を燃やす、婆さん連中にモテモテの爺さん役に大石吾朗をキャスティングするというシャレも効果的。ミッキー・カーチスにミッキー吉野を被せて『ミスター・ロボット』をカバーさせるという世代限定ネタにひょっとして?と思ったらやっぱり案の定監督さんが67年生まれの同世代でした。
あとチャンカワイの演技が実に素晴らしかったです、天才かも。

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よね

4.0ありえないはずなのに

2018年5月21日
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鑑賞方法:TV地上波

荒唐無稽でありえないことも、なんだかありそうに見せるのがとてもうまい。
そこから緊張感が生まれる。こんなバカバカしい設定でハラハラするとは思わなんだ。それでいてどことなく醸しでるほんわか感。いつの間にか誰も傷つかないハッピーエンド。気楽にハラハラ観られるエンタメとして上出来。

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肉ネ~ム

2.5そこそこ面白い。

2017年12月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

突っ込みどころ満載だが、ミッキーカーチスがいい味。

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nato2

3.0気づかないのかよ!と突っ込んでしまうが、笑わせてくれました! どう...

2017年7月31日
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気づかないのかよ!と突っ込んでしまうが、笑わせてくれました!
どう終わらせるのかと思ってたら、うまく"落ち"があってよかった〜!
お馬鹿映画として楽しめました

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へまち

3.0老人が活躍する話としては良い。

2017年7月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

老人が活躍する話としては良いけど、ロボット好きは物足りないかも……?
学生の時みたときはとても物足りなさを感じましたが、改めて観てみると面白かったです。でもやっぱりロボットに人が入るのには納得いかない……。
ちゃんと3人が勉強するシーンは良いなと思った。

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ミスノン

4.0面白い!

2017年7月2日
PCから投稿

面白い!とにかく面白い!ハイテンポだけどどこかおっとりしている世界観にいつの間にか飲み込まれてしまいました。

劇場で見た後、もう一回テレビで見たらいいと思います。
特にラストシーンが大好きです。

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ハワイアン映画道の弟子
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