劇場公開日 2012年1月14日

「日本でしか作れない最良のエンターテイメント」ロボジー お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0日本でしか作れない最良のエンターテイメント

2020年8月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

非常に良く練られたシナリオで、観衆の予想をつぎつぎに裏切ってくれます。

ロボットのなかに爺さんが入るという、ま、ある種、ベタな思いつきがスタート地点であっても、お爺さんをロボットの中に押し込めるまでのシナリオにも違和感がまったくありません。

そのあと次々に起きる事件も、ユーモアも満載でありながらドタバタ劇ではなく、高齢化社会の持つ意味までしっかりと問うています。
社会への問題意識を全方位に持った作り手による、素晴らしい作品に仕上がっていました。

ロボット最先進国の日本にして、
サブカル最先進国の日本であったからこそ成立した映画で、5年前では成立しなかったし、5年後でも成立しないであろう、時宜を得た作品でした。

爺さん役が、上手い上手い。
あとで知ったのですが、元・ミッキーカーチスさんなんですね。
さすがでした。

場内から笑いが絶えませんでしたが、子供でも大人でも、もちろん爺さんでも安心して見られる素晴らしいエンターテイメントでした。

重要なシーンが実はいずれも伏線となっていて、最後の思いがけないハッピーエンドに結実するなんて、お見事、アッパレな手腕だとしか言いようがありません。

これなら、字幕で海外で配給した場合でも、一定の配給収入を得られるんじゃないか、ハリウッド製の映画にも負けない力があるなと感じたのでした。

お水汲み当番