「【人斬り】」るろうに剣心 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【人斬り】
人斬り抜刀斎が辻斬りをする場面、佐藤健さんが、この映画公開の2年前、2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」で、人斬り以蔵こと岡田以蔵を演じていたことを思い出した。
純粋で孤独、暗殺者に仕立てられて、本意ではないい殺人に苦悩する役どころを印象的に演じていて、この人はすごい役者になるなと思ったのを思い出す。
低く身構え、駆け、人を斬る姿は、この場面の人斬り抜刀斎に通じるものがあるが、そこには苦悩、葛藤する心が浮かび上がっていた。
後で知ったのだが、龍馬伝の演出は、大友啓史監督も手掛けていて、今考えると、龍馬伝を撮影していた時に、緋村剣心役は決まっていたのではないかとも考える。
佐藤健さんは、るろうに剣心は自身の出世作で自分自身としても大切にしている作品だと言っていたが、実は、そのきっかけは人斬り以蔵役だったのではないかと強く思っている。
この作品は、剣心と戦いをともにすることになる神谷薫、高荷恵、相良左之助など仲間や斎藤一が集まり、これから続くシリーズの序章になっている。
アクションシーンは、続く作品には及ばないというコメントも読んだが、そんなことは当たり前だろうと思う。
明治維新を日本の民主革命のように言う人は少なくないと思う。
幕末・明治と続いたこの国の深い闇を公に語ろうとする人が少ないのは、日本ならではなのかもしれない。
しかし、その辺の実際のところを想像しながら観ると面白いかもしれない活劇エンターテイメントになっていると僕は思う。
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