「女の子は逞しい」スノーホワイト ひよこは頭からさんの映画レビュー(感想・評価)
女の子は逞しい
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王子様を待っていられないお姫様は、タイマンで話を着けに行きましたとさ。
甲冑を着け馬を駆る姿はオルレアンの聖少女、ジャンヌダルクを。
全てが終わり王の玉座に座る姿は、エリザベス1世を彷彿とさせる。
美しいこと、純粋なこと、優しいこと。それはどれも大切だろうが、瑣末なことだ。彼女の価値は、最初から最後まで血と垢と泥に塗れ、黒く汚れた爪先にある。
強さは正義を内包する。いつまでも若くいたいなどとは醜悪な妄執で、成長こそ、その先にある老いこそが彼女らを最も美しくする。女子よどうかタフであれ。
アラサー、アラフォーになっても働き続け、気付くと婚期を逃している。あー私何やってんだろ? と嘆く現代女子への賛歌のようにもとれました。そういえばジャンヌダルクもエリザベスも処女だしな(便宜上は)。
とはいえ登場人物の行動やエピソードに必然性が薄く、アクションやら音楽が盛り上がっているのに観客置いてきぼり感があったようにも思えます。
たとえば女王が若さと美しさ、それに伴う魔力に固執する理由をもっと深掘りすれば、老いと若きを移ろう彼女の悲劇性が更に際立ったのではないでしょうか。今のままではただのヒステリー女でシャーリーズ・セロンが勿体ない。
CGの素晴らしさとシャーリーズ・セロンの怪演に助けられての2時間鑑賞でした。
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