「地元タイアップ映画の金字塔」五日市物語 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
地元タイアップ映画の金字塔
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あきる野市の市制15周年の記念映画だから地元とタイアップした観光PR映画と軽く考えていたが観てびっくり、説明セリフが無いわけではないがわざとらしさが微塵も感じられない。
五日市の成り立ちや市井の人々がテーマだがドキュメンタリーの取材と言う設定で展開する脚本のアイデアが素晴らしい。これなら名所旧跡を巡っても素直に納得できますね。
調べてみて驚いたのだが脚本・監督の小林仁さんは、あきるの市の市長公室のプロモーション担当という公務員兼務の映画監督、どおりで正真正銘の地元の人たちで作った郷土愛に溢れるヒューマンヒストリーに仕上がっている訳ですね。
主人公はおいしいものを口にすると「しあわせ」とつぶやくのが口癖、シンプルですが共感、ほのぼのとした素直な主人公の人柄が伝わります。
この映画の魅力は飾らないエピソードの数々ですが油屋旅館の老女将トシ子さんを演じる草村礼子さんの名演も素晴らしかった。さすが劇団出身の大ベテランですから当然と言えば当然ですね。クレジットに友情出演と出ていましたが田中健さんのお得意のペルーの縦笛ケーナのテーマ曲演奏も素晴らしかった。
クレジットで驚いたのですがが多くの地元ボランティアが出演、役者さんを含めて皆さんの本気度が溢れているのも纏め上げた小林仁さんのお人柄なのでしょう。
まさに地元タイアップ映画の金字塔です。
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