劇場公開日 2012年5月26日

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「ウディ・アレンは苦手ですが・・・。」ミッドナイト・イン・パリ bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ウディ・アレンは苦手ですが・・・。

2012年5月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

昔、誰かが書いていたことです。「ウディ・アレンの映画が本当に理解できるのはニューヨークに住んでいるユダヤ人だけだ」。なるほどな、と思いました。やや大袈裟な身振り手振りで台詞を早口にまくしたてる主人公。笑いを観客にせびるような安っぽい演出。皮相的で衒学的な会話が延々と続く・・・。今まで、20本以上、この監督の映画を観てきましたが、劇場内で起こる一部の観客の笑いにいつも違和感を覚えてきました。全然、笑えないのです。「アニー・ホール」も「カイロの紫のバラ」も笑えませんでした。色々なアイディアを持った監督であることは私は認めます。しかし、そのアイディアとは、ごく狭い範囲の人々にしか通じない限定的なものなのです。しかし、今回の作品は娯楽作品としては上々の出来である、と思います。殊にヘミングウェイが争いごとが好きな単純なマッチョな男として、描かれていたことに、この監督とヘミングウェイの微妙な距離感が看てとれます。とにかく、この映画は「ギター弾きの恋」や「マンハッタン」と同様にウディ・アレンを苦手とする人にもお薦めできるものです。公開二日目、渋谷のル・シネマで観てきましたが5割程度の入りでした。もう少し、客が入っていてもいいのではと思いました。最後になりましたが、私が一番、笑った映画はジョン・ランディス監督の「ブルース・ブラザース」です。

bashiba