「特筆すべき点はないが及第点な作品」麒麟の翼 劇場版・新参者 ねりまっくまさんの映画レビュー(感想・評価)
特筆すべき点はないが及第点な作品
タイトルをよく見る映画だったので、中身もよく知らずに鑑賞しました。テレビドラマシリーズは未鑑賞です。ドラマシリーズを見ていなくても、人間関係相関図はすぐに理解できる設定ですので、問題はありません。
日本橋の欄干にもたれかかる男。男の腹にはナイフが刺さっていた。男は死にかけた状態でここまで歩いてきて、力つきたようだ。その後、男は病院で死亡してしまう。事件直後に若い不審な男が現場から逃走中にトラックにはねられ、昏睡状態に陥っていることが分かった。「彼が人殺しをするはずがない」と否定する恋人。しかし、彼の持ち物からは被害者が持っていた財布と書類鞄が発見される。そして、被害者とのある関係が浮上し、警察は不審な男を犯人と断定し裏付け捜査を進める。少しづつつながる二人の被害者。という感じで全体像を明らかにしていくお話でした。
阿部寛さんは声と顔がいいですね。若い頃はメンズノンノの専属モデルとして活躍されていましたが、いまは役にフィットして演じられるいい俳優だと思います。今では人気のある俳優さんになった方々も大勢出演されています。新垣結衣さんや菅田将暉さんなど。お二人ともなぜ人気があるのか私にはわかりませんが、この作品での演技を見てもやっぱりわかりませんでした。
さて、本作品は東野圭吾さんの小説が原作です。ひところ東野作品を何冊か読みました。どれもさすがに売れた作品らしく、読んでいるうちに引き込まれて読了した記憶があります。本作品は小説では読んでいませんが、事件の背後にある人間関係を浮かび上がらせるあたりの筆致は、偶然と必然や正義と不合理などを織り交ぜて読ませるのだろうと想像してしまいます。本作品では事件の解明にフォーカスが当てられていますが、中井貴一が演じた父親役の内面にもっとフォーカスしてみるのも面白いのではないかと思うのです。その時は、中井貴一ではなく寺尾聡の方がフォットすると思いますけど。