劇場公開日 2012年1月28日

「真の事件解決とは・・・」麒麟の翼 劇場版・新参者 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0真の事件解決とは・・・

2012年2月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

一見クールだが事件の真髄を見極めようとする加賀恭一郎に阿部寛がマッチ。上背があり、スクリーンでも映える。

また、加賀の従弟にして警視庁捜査一課刑事・松宮脩平を演じた溝端淳平がいい。阿部寛との息が合っていて、いじられキャラとしても面白いが、動きがよく、終盤の地下鉄ホームのシーンを躍動感あるものにした。

音楽は《「新参者」メインテーマ》がセンセーショナルな旋律とアレンジで耳に残るが、初回の捜査会議で流れる音楽はチャラけていて音質も甲高く、肝心な台詞が聴きとりづらい。
メインテーマ同様よかったのがJUJUの《sign》。取って付けたようなEDテーマソングが多い中、珍しく映画の雰囲気に合っていた。

主人公・加賀恭一郎にとって事件の解決とは、真犯人を見つけ出すことだけではない。事件によって人生の岐路に立たされた人々に、真実を示してみせることで真の解決を迎えるのだ。
事件が起こった背景を、ただ証拠集めのために捜査するのではなく、事件の奥底にある人の心を探ることが刑事・加賀恭一郎の信条なのだ。
亡くなった人が守りたかったものを見極め、法の裁きとは別に死者の意を汲む加賀の人間的な温かみが魅力だ。

昨年読んだ東野圭吾の「真夏の方程式」からも同じような温かみを感じた。

マスター@だんだん