「【”こんな俺でごめんな・・”49歳にして若年性アルツハイマーに罹患したバリバリの営業部長の苦悩と、彼を懸命に支える同僚や、献身的な妻の姿に涙溢れる作品である。】」明日の記憶 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”こんな俺でごめんな・・”49歳にして若年性アルツハイマーに罹患したバリバリの営業部長の苦悩と、彼を懸命に支える同僚や、献身的な妻の姿に涙溢れる作品である。】
■平凡だが幸せな暮らしを送っていたバリバリの営業部長のサラリーマン・佐伯雅行(渡辺謙)。
ある日突然、彼は物忘れが酷くなり、若年性アルツハイマー病にと診断される。
こぼれ落ちる記憶をつなぎ止めようと苦慮し、病と戦い始める雅行。
妻・枝実子(樋口可南子)は、夫と共に病と戦い、最後まで側に居続けようと心に決める。
◆感想
・バリバリの営業部長のサラリーマン・佐伯雅行の境遇が自分に似ていて、驚いた。
ー 勿論、私は若年性アルツハイマー型認知症でないが、聡明なる妻からは私の書斎の扉に大きな文字で【出掛ける時は、エアコンを切る事!】と張られている。
最近、家を出る際に”鍵を掛けたか??”と思い、もう一度自宅に戻り確認するオイラ、大丈夫か・・。-
■今作では、バリバリの営業部長のサラリーマン・佐伯雅行を演じる渡辺謙が、自身の記憶が無くなって行く過程が観ていて辛い。
そして、彼は暇所に異動し、同期と思われる役員と思われる男(遠藤憲一)に辞表を出し、それまでの営業部の仲間達の励ましを受けつつ僅か50歳で、会社を去るのである。
部下だった人達から送られるその人の名が大きく記された色紙の数々。
・娘(吹石一恵)の結婚式で草稿を忘れつつ、妻に助け得られ、立派な挨拶をするシーンは沁みる。
・だが、その後、彼はやることが無く、聡明な妻は夫の病状を察し、働きに出て家計を支える姿。俯きながら、遣る瀬無い想いを抱える佐伯雅行の背中から漂う寂しさと無念の思い。
<近年、アルツハイマー型認知症をテーマにした映画が多数公開されている。
高齢化が進む世界の状況を反映したためであろう。
今作は、その流れを一早く察し、映画化した作品である。
渡辺謙と樋口加奈子の演技は素晴らしく、涙した作品である。
部長まで昇格し、これから・・、と思っていた佐伯の無念と、彼を支える且つての仲間と妻の姿が沁みる作品である。>
■私は、無宗教であるが、もし神様がいるならば、あらゆる癌と、アルツハイマー型認知症に効く薬を頑張って開発してくれて居る方々に、力を注いでくれないだろうか、と思うのである。