≒天明屋尚のレビュー・感想・評価
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「絵師」という言葉が似合う男、天明屋尚。デタラメ映画館の絵を削除したくなってきた。
江戸時代、幕府に保護されてきた狩野派と庶民文化である浮世絵。そういった日本美術史の丁寧な解説付きで、彼の作画ルーツまでわかるドキュメンタリー。若干40歳の天明屋もレコード会社のアートディレクターなどの商業デザインを中心に活躍してきたが、自分の作品を世に送りたいと願い、バイトをしながら自らの芸術性を高めてきた。権威・権力と戦う日本画のルーツを尊重しながら、彼自身も社会風刺を込めた絵を描き続ける。ファンは幅広い層に及んでいるが、定着している信奉者は刺青愛好家であることもユニークだ。
冒頭から創作現場が映し出され、巨大なカンバスに折り紙サイズの金箔を張り詰めていき、その上からトレース、彩色してゆく。遠くから見るとベタ塗りに見えるが、細かい絵柄を描く作業は気が遠くなりそうなほど。絶妙な金箔の背景にネオ日本画と呼ばれる独特な絵柄が不思議な空間を醸し出しているのです。
実物を見たい!そんな気持ちにさせられるくらいの大作。現代美術館などでの鑑賞もいいけど、大きなお寺なんかで個展を開くのもいいかもしれない。まだまだ新しいことにチャレンジしていく気持ちも伝わってくるし、今後も楽しみな芸術家の1人です。
ガンダムの絵も創っていたようですけど、その絵を見入っている男たちはアキバ系だった。ジャンパーの背中に“アキバ”と書くなよ・・・
【2006年7月映画館にて】
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