劇場公開日 2012年4月28日

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「・・・ビローン」ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン ダックス奮闘{ふんとう}さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5・・・ビローン

2012年5月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

単純

「アイ・アム・デビッド」を手掛けたポール・フェイグ監督が、「宇宙人ポール」など、コメディ作品への出演経験が豊富なクリスティン・ウィグを主演に迎えた下ネタ、お下劣を遠慮なく詰め込んだ群像劇。

その際どいお下劣レベル、問答無用の下ネタワールドを撒き散らし、アメリカで高い評価を獲得した作品が、本作である。「女子会」「ママ会」と銘打って、ひたすら集まる女性の方々が社会権を得ている現代。

果たして、あの「ホルモン」やら「バイキング」を目の前に語りつくす女子会とは、いったい何を話している空間なのだ・・と、純粋な好奇心から男子禁制の女の園に関心をもつ男性には、その答えの一端が見えてくれる作品である。(もちろん、本作のような危険すぎるトークばかりでは無いと思う・・思いたい、うん)

ただ、一本の作品として2時間の暗闇を引っ張っていく魅力があるかという視点で見ると、首を傾げざるをえない。とにかく、「そうよね、女友達ってこんなに難しいのよね!分かるわ~観終わったら、カフェで感想語り合いましょう!」という女性の共感を得るために(あるいは、スター〇ックスの売り上げ向上のために)安くないドル札をつぎ込んだ低い志の映画と捉えられないとも言い切れない。

会話の意外性、汚さ、紋切り型の感動を並べ立てても、それは一つ一つの練りこんだ会話劇の縫い合わせでしかなく、「物語」ではない。中だるみというレベルではなく、全編にわたって使い古したブリー〇のような「ビローン」とした弛みが満ち満ちて、その語りの弱さを拭いきれない。そもそも物「語り」ではないのだから、仕方ないといえば仕方ないのだが。

女優陣の細かい人物設定も、結局「ああ・・あのトイレで〇〇した人ね」で終わるお下劣要素の不気味なまでの力強さ。しっかり関心を引き付ける的確な人間ドラマがあってこそ活きてくる小ネタ、下ネタが主役を張る世界は、ただただ悲しいばかりである。

さて、この映画で何を感じれば良いのか。何か、学べる事がありましょうか・・・ありました、ありました。ありましたよ、一つ。

「出会いが欲しい女子は、車のバックライトの故障をすぐ直してはいけない」

ダックス奮闘{ふんとう}