シネマ歌舞伎 京鹿子娘二人道成寺のレビュー・感想・評価
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映像美の極致
コロナで映画が休館するという初めての経験明けの一本に選んだのがこれだ。歌舞伎座でもテレビでもいつも俯瞰で観劇していたのが、映画で初めて細やかな表現が見えてきた。それは体操のシンクロのような機械的な合わせではなく、同じ舞を演じるのはやはり人間なので、一番印象的だったのは目で、玉三郎が殆どまばたきをしないのに対して菊五郎は拍子に合わせてパチパチと目をふせる。同じ人間を二人で表現しようとしても、やはり別々の人間像であっておかしくはないのだ。
とても可笑しい場面や華やかな場面もパンと一転させる。粋で艶やかな歌舞伎の世界をもっと映画でも観たいと思った。
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