「なんかやっぱり」ヒミズ sungoobashiさんの映画レビュー(感想・評価)
なんかやっぱり
基本的にワンパターン。
演技は悪くないけど、「演技うまいな」と思わせる時点でシナリオの敗北。
あらゆる芸術の面白さは、「作者の視点を通して世界を観る」ことだから、そのしおん監督の視点は独特で面白いのだけど、偉そうな言い方をすれば底が浅くて飽きる。
浅いというより、青いのかもしれない。ギラギラしたりダダこねたりと子供の視点。だからこそ、観ている方も焦るぐらい揺さぶられることもあるのだけど、大人はそこを通り抜けていまがあるのだから、もうそれに不用意に惹かれることはない。
視野の狭い「なにをいまさら」感を感じてしまう。
スプラッターでもホラーでもサスペンスでもドキュメンタリーでも、なんでもいいから、大人の視点で物事を見たい。
ときどき、つき合っている大人の役者が大変そうに見えるのがこの監督の限界って感じ。若者に破壊のパワーがないからの代弁者なら、その先にあるものに対して破壊すべき。
・・・と言ってこの作品は逆にそういう監督がそこ描いてしまったから、却ってとても居心地悪そうに見える。はにかんで破壊しきれない教訓映画になってしまった。
プロの手による自主映画って感じ。
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