劇場公開日 2012年1月14日

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「原作に比べ「普通の少年」が「絶望的な状況」に巻き込まれ結果として「...」ヒミズ supersilentさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5原作に比べ「普通の少年」が「絶望的な状況」に巻き込まれ結果として「...

2017年5月18日
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原作に比べ「普通の少年」が「絶望的な状況」に巻き込まれ結果として「本当に絶望」してしまうリアリティが足りなかった。もっと普通のシーン、優しいシーンを描いてほしかったし、もっとそれが崩壊していくシーンを描いてほしかった。

そうでないと、あまりにも二階堂ふみ演じる茶沢さんの天使のような存在にリアリティがない。主人公に人間的な魅力がなければ、あれほど想いを寄せる理由がみつからない。

こうした物足りなさはいくらかあるものの総じて面白い作品だったといえる。2時間そこらであの原作の濃厚さをここまで表現出来た事はむしろあっぱれ。無気力で暴力的、それでいてつかみどころのない穏やかさを兼ね備えた染谷と、天真爛漫さ純粋無垢な汚れなき心とその危うさを天才的なバランスで演じた二階堂ふみ。この二人の天才に出会えただけでも傑作。

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