「武士とは、不自由なものでありますね。」一命 りりーさんの映画レビュー(感想・評価)
武士とは、不自由なものでありますね。
市川海老蔵さん。瑛太さん。満島ひかりさん。
実は、私は、この3人が苦手だ(歌舞伎役者として舞台に立つ海老蔵さんは別にして)。
それでもこの作品を見に行こうと思ったのは、「一命」という題名に惹かれてのこと。
相変わらず、事前情報が少ないまま見に行ったけれど、私が想像したストーリーと大きな点で、違いはなかった。
けれど、こんなにも私を惹きつけたのは、役者さんと監督のおかげだろう。
四季折々の美しい日本。
雨、紅葉、雪、風、苔、石・・・。
大名屋敷のあらゆるところある芸術的な飾りや小道具。
行儀作法の美しさ。
それと対照的な貧しさ。
食べていけるか、食べていけないか、そんな生活の基盤の違いが、武士としての覚悟にも関わってくる。
海老蔵さんは、存在感が有り、歌舞伎で鍛えた声の出しかたが、絶妙!!
サムライとしての容姿も納得。
役所さんも、最初は良いのか、悪いのかわからない役を好演。
竹中直人さんには、もっと活躍してほしかったけれど、この内容では、出すぎず良かったのだろう。
坂本龍一さんの音楽も、出すぎず、足りなさすぎず、しっとりとして良かった。
監督は、外国人の目を気にして作られたのかな~?! なんて思う所があった。
武士道とは、窮屈なところもあるが、今の日本人に必要な点も多くあると思う。
そんなことを、思いながら劇場を後にした。
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