劇場公開日 2011年10月15日

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「賛否両論にびっくり」一命 asicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0賛否両論にびっくり

2021年10月1日
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前作や原作を知っていると、これが軽薄に見えるらしい。

市川海老蔵じゃダメで満島ひかりもダメ
なんだそうだ。

なるほど。

ただ 漠然と(瑛太の切腹風景は見てられなかったが)
娯楽(という言い方もこの場合不適切な言い方だが)
として視聴したので、その類のレビューを見て、そうだったのかと驚いた。

まあ栄養状態の酷い母親の乳でこんなにぷんぷくりんの赤ん坊はナイわ、とは思ったけれど。
というか、これってホンモノの赤ん坊を使ったのだろうか。

最後の海老蔵の殺陣は美しく、満島ひかりの演技ももちろん申し分無し に見えた。
満島ひかりの子ども時代は、もうちょっとなんとかならないものか、こういうところに子役の層の薄さもしくは起用の仕方をハリウッドと比較してしまう。
あの顔は将来満島ひかりには、なり得ない。とは思ったが。

瑛太の、竹光での切腹は全く惨たらしい。
人を痛めつける快楽が顔に現れている二名(青木崇高と浪岡一喜)の起用が全くこの場合の悪役にうってつけで、そこに追加される新井浩文の中途半端な存在も良い。〜この演技がもう見られないかと思うと甚だ残念でしかない。

まあ 言われてみれば、
押しかけて来る狂言切腹は、来られた方もこれはこれでただの迷惑にしか過ぎないではないかと見えてしまう、という意見はごもっともであり、海老蔵の殺陣を見つつ、そういう風に感じたのも正直なところではあった。

この作品では、容赦ない体面のみを重んじる武士という存在の空虚さ を描こうとしている訳で、
国民一律医療も公的扶助も一切なく 雇用を切り捨てられた者はもはや生きていく事自体が困難となる有り様を描き切った。

竹光で美しい演舞とも言える殺陣を見せる海老蔵浪人の頑張りは、竹光であるが故に相手の人数は全く減りはしないのでいつまで頑張ろうが終わりはない。

海老蔵の刀は実は三人の死の時は竹ではなく、瑛太は父から譲られた立派な一振りを既に金に変えていたのに自分は武士の矜持に縛られていた(あってる?)事すらも恥ている。たぶんその後に竹に変えて井伊家へ という事のように見えた。だからこそ

ホンモノの刀を持つものが怯む程の殺気を 人を一太刀で切り捨てられる武器を手にしているからこそひしひしと感じて腰が引けてしまう、その描き方は見事だった。

と思ってしまって ほお〜っと思いつつ視聴し終わった私は物知らずなのか、となったのだった。
配信でしか見てないしね、という弱みでもあります。

とは言え前作の「HARAKIRI」を この作品以上に残忍さを増す物を 見たいかというと まあ 見なくてもいいか と思う。

asica