「ゲテモノ小屋としてもベタな見世物である」ムカデ人間 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
ゲテモノ小屋としてもベタな見世物である
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完全に頭がイカレた支配者が無差別に人間を襲い、恐怖の人体実験を堪能する気持ち悪い展開は、典型的グランドハウスもので、新鮮味は殆ど皆無。
知る人ぞ知る『恐怖奇形人間』とか『ドクターブッチャー人間解剖の孤島』、あと悪名高い『ギニーザピッグ』シリーズetc.etc.の系譜のゲテモノ小屋としては、ベタな見せ物ですなぁ。
察する通り、怖さよりバカバカしさで圧倒する狂気で押し切る世界観なので、終始、苦笑しながらビールでも飲むのが、本来のオツな楽しみ方なのだが…
これ、つまんないねぇ。
品がねぇや
(まあ、最初から有るワケねぇんだけど)
3人の口と肛門を結んでムカデみたいにしたら面白いんじゃないか!?
というアホなアイデアで勝負してるから、ビジュアルもアホになるのは必須である。
無理やり口を目の前のヤローの肛門にドッキングさせ、
博士に「新聞くわえて戻って来なさい」って玩具にされる生活なんて考えただけでもバカバカしい。
でも繋がれた当人達は堪ったもんじゃない。
そういう悲惨さをブラックに徹すれば笑いが膨らむと思うのだが、如何せん企画倒れなのが哀しい…。
面白いなと思ったのは、終盤戦でキチガイ医師から逃れる際、3人声掛け合って、「1、2、1、2!!」と必死に走っていて、
「コレがホントのムカデ競走やな」
と笑った時ぐらいかな。
個人的には日本のヤクザにもっと頑張って欲しかった。
頑張ったとしても悪趣味なのは変わりゃあしないのだが…。
解りきった結論でサゲたところで短歌を一首
『道迷う 導かれし宿 地獄へと 並ぶ生贄 結ばれるまま』
by全竜
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