「丁寧な変態映画にして、これぞ正しき“合体モノ”。」ムカデ人間 平田 一さんの映画レビュー(感想・評価)
丁寧な変態映画にして、これぞ正しき“合体モノ”。
ケビン・スミスの「Mr.タスク」があまりに期待外れだから、本家“合体モノ”と言うべきこっちを見といて正解だった。そもそもディーター・ラーザーを引き入れたのが正解だね。一目でこいつ“ヤバいヤツ”だと納得できる顔立ちだからさ(“顔面変態”だしね)w
言うほどムカデ人間がグロすぎないのも良かったね。いわゆるネタで片づけられる極め付けのバカぶりだから、嫌悪感は薄くすんで良く分からんがホッとしたわ(ビジュアル微妙なのが幸)。実際動く画面のショボさやどっから見てもムカデに見えない…良い感じのチープさもかえって気楽に見られたよ(ムカデ人間演じる役者、絶対楽しんでたでしょ)。
役者陣の話なら先端担当・北村昭博かな。口の悪さは目立つけど、反撃の機会伺う目、絶つ直前の最期の台詞…てっきりネタで終える予想をそこで裏切るとは意外!それも「まおゆう魔王勇者」で“メイド姉”が観衆の前で「人間宣言」した場面を思い出すほど崇高場面(?)!
話題の変態ハイタ―博士はまさにこっちの予想通りマッドサイエンティストキャラで、最後頭撃ち抜かれるのは待ってただけにスッキリした。合間に完成喜んで感動してる面を入れて、グッとさせられるという不覚(いや、ダメだろ!そんな感想)、定石通りでも安心だったね(首謀者やっぱり笑い所がなきゃほんとダメだ)。
ぶっちゃけ何も残らないし、話のタネになる程度だけど、一度鑑賞してしまえば鼻が高くはなるんじゃないかな?“どう!?オレ見ちゃったよ!!”な自慢話のタネとしてね。
あ、最後にもう一つ!エンドロール後の『ムカデ人間2』超特報圧巻だった(サプライズとしても笑)。締めの“(日本公開)もちろん未定”の文も完全分かってる人の仕事だし、ここも絶対最後まで見てね!